
基本の三枚おろしや、柵にする方法を画像で詳細解説します。捌いたアジを使ったおすすめのレシピもご紹介。キャンプで、おうちで、ぜひ試してみて下さいね。
初心者でもできる!三枚おろし基本のやり方
アジはあらゆる魚のなかでも、お手本と言えるような体の構造をしています。アジの三枚おろしは他の魚にも応用できるので、釣りをするならぜひ覚えておきましょう。
使用する包丁は三徳包丁で大丈夫ですが、ここでは“アジ切り”と呼ばれる小型の片刃包丁を使用しています。
三枚おろしのやり方
ゼイゴを取る

包丁を引く方向で切るのがコツ。
ゼイゴとは魚体の側面にある、アジ特有のトゲのある鱗です。
尾びれの付け根あたりから包丁を入れ、魚体の中ほどまで切り取ります。
反対側も同様にゼイゴを切り取ります。

包丁で撫でるように滑らせ、鱗を取る。
焼き物など、皮ごと調理する場合はこのまま鱗も取り除きます。
頭・胸びれ・腹びれを切り落とす

魚体に対し斜めに包丁を入れる。
頭と胸びれと腹びれをまとめて切り落とします。

腹側にある一対のひれが「腹びれ」。
反対側からも同様に包丁を入れ、頭を切り落とします。
内蔵を取り出す

腹に包丁を入れる。
尻のほうから包丁を入れ、内蔵を取り出します。
ちなみに頭を切り落とすときに上手く内蔵を避けて包丁を入れられれば、頭を取ると同時に内蔵も出てくることがあります。
血合いを洗い落とす

血合いは生臭さの元。できるだけ取り除いておこう。
血合いとは、背骨のすぐ下にある赤黒い部分です。
包丁の先や指先で掻き出し、水道水で洗い流します。

水気はキッチンペーパーなどでふき取る。
水道水で魚体や切り身を濡らしたあとは、その都度水気をふき取るようにすると身が水っぽくなるのを防くことができます。
尾びれを切り落とす

左右から包丁を入れた後、手で骨を折ると簡単に切り取れる。
尾びれはそのままでも三枚おろしにできますが、切り落としたほうがやりやすいです。
三枚におろす

最初は皮を切るだけくらいの感覚。
魚体から半身を切り取り、三枚におろします。

上手く切れているときは、コツコツと包丁に中骨が当たる感触がある。
一気に切り進めると骨に身を残しやすくなります。3回くらいに分けて、少しずつ切っていきましょう。
背骨まで切ったら腹側からも切ります。

こちらも中骨に包丁が当たるのを感じるようにしよう。
腹側から切る際も背骨までで止めます。

小骨を切りづらいときは、包丁を軽く叩きつけると簡単に切ることができる。
半身を持ち上げながら、背骨から身の中に伸びている小骨を切っていきます。

焼き物などにする場合は、これで完了。
反対側も身も同様に切り取り、三枚おろしは完了です。
▼参考記事
刺身にするなら覚えておきたい。柵にする方法
刺身などで頂く場合は細かい骨と皮を取り除き、柵(皮と骨を取り除いた切り身のこと)にします。
柵にする方法
細かい骨を取り除く

すべての腹骨をしっかり切り取る。
腹骨を切り取ります。
腹骨や小骨は柔らかいため包丁で切ってしまうことがあり、身に残しやすいので注意しましょう。

包丁を寝かせ、2回くらいに分けて切る。
腹骨に包丁が当たるのを感じながら、できるだけ薄く切り取るようにします。

できるだけ小骨の近くに沿って包丁を入れる。
一筋に包丁を入れ、背側と腹側に身を切り離します。今回は腹側に小骨を残しました。

できるだけ薄く小骨を切り離す。
腹側に残った小骨を切り離します。
皮をひく
続いて皮をひきます。魚を捌く際、皮を取り除くことを「皮をひく」と言い、最もコツがいる工程のひとつです。

慣れないうちは余裕をもって大きめに切り込みを入れるようにしよう。
尾びれ側に切り込みを入れ、皮をつまめるところを作ります。

ある程度皮を引いたら、指に絡ませることで滑るのを防げる。
皮の端をつまみ、包丁をまな板に押し付けながら細かく前後に動かしつつ、包丁で切り進めずに皮を引っ張るのがコツです。

身に黒色や銀色の皮の層が残ることがあるが、上手く皮を引けている証拠なので心配無用。
小骨や皮を全て取り除き、刺身で頂ける状態になりました!
▼参考記事
鮮度を保つための保存のポイント
さばいた魚は空気に触れる面から劣化します。皮は調理の直前までつけておいたほうが身が傷みにくいです。
背身や腹身に分けたら、吸水紙、ラップの順で包んで、たっぷりの氷で保冷しておきましょう。
解体や保存で活躍する吸水紙。キッチンペーパーでも良いですが、専用品は吸水力が高く、不織布タイプは身を包んだときに繊維が貼り付きません。
▼参考記事
アジの絶品おすすめレシピ2選
捌いたアジを使って、絶品料理を作ってみましょう。
アジの絶品レシピ
絶品漁師飯「なめろう」

今回は包丁を2本用意しているが、1本でも問題なし。
「なめろう」は房総半島周辺に伝わる郷土料理で、船上で作られた漁師飯といわれています。聞きなれない響きですが、由来は「皿に残った身をなめるほどに美味しい」という説が有力とされています。
大変美味しく日本酒にもぴったり合う肴で、釣り人であれば是非ためして頂きたい一品です。
アジ本来のうまみがあるため、薄味でも大変美味しくいただけます。薬味や調味料は参考程度で、好みで増やしたり減らしたりしても大丈夫です。
材料(2人分)
アジの柵 約30cm(2尾分)
白ねぎ 約20cm(小口切りにしておく)
青ねぎ 1本(小口切りにしておく。彩りに使用)
しょうが 小さじ約1(みじん切りにしておく)
味噌 大さじ約1
作り方

1cm角くらいに。
【1】アジの柵を細かく切り刻みます。

3mm~5mm角くらいになるまで刻む。
【2】包丁で叩くようにして、更に細かく刻んでいきます。

味噌の量は好みで増減しても良い。
【3】3~5mm角くらいになったら、青ねぎ以外の材料を全て加えます。

たまに包丁で身をこねるようにまとめる。
【4】更に細かくなるまで包丁で叩いて刻みます。

味見をし出すと止まらなくなるので注意が必要。
【5】どんどん叩いて刻んでいると、やがて粘り気が出てきます。
粘り気で材料がまとまるようになったら、皿に盛り付けます。

青ねぎの代わりに青じそなどを使用してもおいしい。
【6】最後に彩りに青ねぎを散らして完成です。
▼参考記事
カクテルサラダ

青魚特有のにおいがあるので、セルフィーユやディルなど、爽やかなハーブで和えると好相性。酸味の効いたサッパリ味で、気分爽快!!
簡単だけど本格的に仕上がるイタリアンレシピをご紹介します。
材料(2人分)
アジ 半身
パプリカ赤、黄(乱切り) 各1/16個分
ミニトマト赤、黄(半切り) 各2個分
ブロッコリー(塩ゆで) 2房
タマネギ(スライスして水にさらす) 1/10個分
イタリアンパセリ 適量
レモン汁 小さじ1/2
オリーブオイル、塩 適量
セルフィーユ、ディルなどのハーブ 適宜
作り方
【1】アジの身の両面に塩を振り、5〜10分おきます。
【2】皮を剥ぎます。包丁のミネを使い押していくときれいに剥がせます。

皮を押さえ、包丁のミネを皮に当てて身を押していくだけできれいに剥がれます。
【3】食べやすい大きさに切ります。

量感を楽しむならひと口大に。薄切りすればカルパッチョ、ゴロゴロでユッケに。
【4】野菜に塩を振り【3】を加えたら、レモン汁とオリーブオイル、大きめにちぎったイタリアンパセリを入れて混ぜ合わせます。
【5】器に盛りつけて、ハーブを飾れば完成です。
▼参考記事