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    2025.04.07

    お花見絶景ハイクのすすめ!海から始まり花嫁街道で烏場山の山頂へ~花婿コースで再び海へ

    お花見絶景ハイクのすすめ!海から始まり花嫁街道で烏場山の山頂へ~花婿コースで再び海へ
    現在発売中のBE-PAL4月号では、今の季節にぴったりのお花見低山ハイクを大特集。そこで、特集記事の一部をご紹介~。

    春うらら、隣はどの山に登る人ぞ!?ビーパルおなじみの山登ラーたちが、春の花を求めて低山ハイクに行ってきました~。満開~とまではいかないまでも、春登山は気持ち良いことこの上なし。まさに、心の中にサクラサク! 

    今回は平地が多い千葉にありながら、しっかり歩けて花も多い烏場山へ。

    花を愛でる歩き旅プラン

    約5時間45分@烏場山

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    緋寒桜の名所として知られる抱湖園を行く。旧暦の元旦、1月下旬から2月上旬には花が咲き始める「元朝桜」で有名だ。高橋「晴れていると 花が映えるね!」 吉岡「きれいな青空! 気持ちいい~」

    ライター 高橋庄太郎(右)

    登山分野が仕事の中心。日本アルプスのような高山から沖縄の亜熱帯ジャングルの低山まで、一年の半分は山のなか。著書に『北アルプス テントを背中に山の旅へ』など。

    モデル 吉岡更紗さん(左)

    ジュエリー作家としての顔も持ち、時間があれば縁のあるアウトドアショップにも立つなど、マルチに活躍。山好きとしてYouTubeチャンネル『さらさらDays』で山情報を発信中。

    JR内房線、和田浦駅を出発し、いったん海に降りてから本格的にスタート! 烏場山は標高266mだが、登山道は小刻みに登り下りするために累計標高差は約750m、歩行距離も約14㎞になる。それでものんびり歩いて6時間半程度なので、一般的な体力がある人ならば十分に歩けるはずだ。

    目にまぶしい黄色い菜の花がお出迎え

    「あの山が烏場山かなあ?」

    「ここから見ても、正直よくわからんな~」

    僕が今回“お花見登山”に誘ったモデルの吉岡更紗さんと緩やかな山並みを眺めているのは、花園海岸の砂の上。ここ千葉県は日本一平らな県(最高地点が47都道府県でいちばん低い)で、烏場山の標高もわずか266m。高さ634mの東京スカイツリーの約4割だから、遠目には山頂がどこか判別できないのだ。

    「このあたりは暖かい海に近いから、まだ寒い時季でもきれいな花が咲くんだよ」

    「今日は晴れていて、山の上でも暖かそうですよね」

    山頂へ向かって歩き始めた僕たちを最初に迎えてくれたのは、目にまぶしい黄色い菜の花。先ほど立ち寄った「道の駅和田浦WA・O!」では地元産ハチミツを見かけたが、この花の甘いミツも主原料のひとつなのだろう。

    「赤い花も咲いてますよ!」

    「今の時季ならツバキだね」

    反射的に返事をした僕。だけど、近寄って見てみると、それはサザンカで……。ああ、知ったかぶってしまい恥ずかしい。

    車道が終わると「花嫁街道」という看板が立ち、ここからが登山道だ。海辺と山間の集落を結ぶこの道は、昔の花嫁が嫁入り時に歩いたといい、現在は人気のハイキングコースである。ちなみに、吉岡さんは昨年ご結婚されたばかりとのことで、このコースにぴったり。道中、幸せ話に花が咲く。

    ところで、日本の低山はスギなどの人工林で覆われていることが多い。人里にも近く、開発しやすいからだ。だが花嫁街道の大半は自然林。春が深まるにつれ、いろいろな花を探しながら歩けそうでおもしろい。

    点在する展望台で休憩しながらゆったり歩いているうちに、どんどん視界が開けてくる。そして、烏場山山頂に到着!

    「低いのに眺望はいいし、烏場山って気持ちがいい山ですね」

    「初心者にも向いてるよね」

    難なくシートゥサミットは達成した。しかし、まだサクラは見ていない。この時季は花見の代名詞であるソメイヨシノではなく、いわゆる寒桜なのだが。

    花嫁街道と対になるように命名されたという花婿コースで下山を開始。麓にはサクラの名所である抱湖園があり、寒桜はもう開花しているはずなのだ。

    抱湖園は僕たちを裏切らなかった。淡いピンクの花に囲まれ、吉岡さんはうれしそう。烏場山に誘った僕もひと安心だ。

    ここから海までは一直線に坂道を下っていくだけである。目的を達した僕たちにとって、それは花に覆われたウイニングロードのようなものなのだった。

    菜の花畑を経て海「Sea」へ!

    10:00  出発は駅から!

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    JR和田浦駅は、雰囲気がある無人駅。ホームにも菜の花が咲いていた。駅の近くには、道の駅「和田浦WA・O!」。ここで昼ごはんのパンを買った。

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    ミツバチが飛んでるよ!

    国道沿いの「花の広場公園・花夢花夢」はお花畑がきれい。まだ寒い時季から鮮やかな菜の花が咲き始める。

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    菜の花からは、ほんのり甘い香りが漂う。例年、3月半ばくらいまで咲き続ける。

    10:30

    ここからSea to Summit!!
    START!

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    「花夢花夢」の前の海が、本格的なスタート地点。まさに海抜0mから頂上を目指していく。

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    海から登山口までは当分の間、集落と畑の中を歩く。この付近の地名は、その名も「花園」!

    ロウバイ

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    寒い時季に黄色い花が楽しめるのが、ロウバイ。かなり強めの甘い香りがする。

    スイセン

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    道端に咲いていたスイセン。地域の方が植えたものらしく、住民の花への愛を感じた。

    まるで同じ花!?

    ツバキ

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    冬から春にかけて美しいツバキ。サザンカと似るが、花びらのつき方と開き方が異なる。

    サザンカ

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    下の写真もサザンカ。この付近ではサザンカとツバキが並んで咲いている場所もあった。

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    花"嫁"街道で山頂「Summit」を目指す!!

    11:00

    さあ、ここから山の中へ!

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    車道を歩いていくと、いよいよ登山口に。コース名は「花嫁街道」。帰りは「花婿コース」で下りてくる。

    山の中は発見でいっぱい

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    登山道の周囲には味気ない人工林は少なく、大きく育った木々でいっぱい。そんななか、シイの巨木には圧倒された。

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    大木の樹冠を見ると、たくさんの葉が効率よく太陽の光を分け合って浴びているのがわかる。自然というものは不思議だ。

    ゆるゆると標高を上げる、光に満ちた登山道

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    さすが温暖な房総半島の山だけあって、花嫁街道は森の中でも明るい雰囲気。整備された登山道は歩きやすく、思いのほか疲れない。

    ちょっと休憩もぐもぐタイム

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    海も見える展望台でひと休み。道の駅で買った地元のパンやイチゴがうまい。なお、烏場山には休憩に適した展望台が数か所ある。

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    山頂まであと少し!

    山頂が近づくと視界が開けた場所が多くなり、開放感でいっぱいに。遠くには青い空の下、太平洋の海原がキラキラ光っていた。

    14:00
    低山でも登り甲斐あり! 眺望バツグンの山頂に立つ

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    「疲れる間もなく 到着しました!」 「標識が多い 山頂だな(笑)」

    花嫁を模した石像が出迎える烏場山山頂に到着! この日はかすんでいて見えなかったが、山頂近辺からは富士山なども遠望できる。

    花"婿"コースで再び海「Sea」に!!

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    山頂からは花婿コースで下山を開始。当然ながら下り坂で、ときどき急な坂もあるのでスリップには注意。

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    花婿コースを下り終え、ひとまず万歳〜。しかし、ここから海までは、まだもう少しあるのだった。

    もっと暖かくなったら、また来たい!

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    抱湖園という名の由来となった溜め池のほとりにも数本のサクラの木が。このときは開花前で少し寂しい雰囲気だ。

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    抱湖園では1月から緋寒桜が咲き始め、今年の見ごろは2月下旬ぐらいまで。だが、その後も順を追って多様な花が咲く。

    ウメ

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    一般的なサクラよりは開花の時季が早いウメだが、寒桜と同じような咲き具合だった。

    サクラ

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    抱湖園の名物である寒桜の一種「元朝桜」。1月下旬の取材時は五分咲き程度だった。

    16:30  GOAL!
    フィナーレはきれいな夕焼けの海!

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    海岸に降り立ち、海~山頂~海という「シートゥサミット」が無事完了! 満足して長々休んでいると、夕焼けの時間がやってきた。

    ※構成/高橋庄太郎 撮影/矢島慎一

    (BE-PAL 2025年4月号より)

    お花見ハイクがしてみたくなったら…! 内容たっぷりのビーパル4月号をチェック

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    ※一部地域では発売日が異なります。
    ※電子版には特別付録が付きません。

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