「フリース」とは1種類の生地の名前だとまだ思っている方は、少なくないのではないだろうか。今や、フリース業界は群雄割拠の時代。多くの素材メーカーが開発に乗り出し、さまざまな特徴を備えた驚くほどたくさんの「フリース生地」が存在するのだ。
元来、フリース素材の特徴は、「軽くてコンパクトで温かく、速乾性もある」こと。そこに各社はさまざまな機能を加える工夫を施している。例えば、吸汗性や伸縮性を持たせることで、保温着としてだけでなく、行動中も快適に着られるもの。ウールを混紡して、ウール特有の調温調湿機能や防臭効果も備えたもの。厚さもバリエーションがあるので、その種類を数えると膨大な数になるのである。
さらに、表面の加工によっても、さらなる機能を付加することができる。毛足を長くして保温性を高めたり、耐摩耗性を高める加工を施したり。また、表面加工は機能面のみならず、デニム風の見た目やクラシックな風合いに仕上げるなど、ファッション面でも大きな役割を果たす。
つまり、フリース選びは、どんなフリース生地を選ぶかが重要なのだ。これだけわかっていれば、もうお店で単純に「フリースください!」なんて言えなくなるでしょ?
PICK UP!
「高機能セーター」と呼ぶべきハイテクウエア!
カリマー
ロナクルー
¥11,500
サイズ=S、M、L、XL、XXL
カラー=全3色
フリース生地の進化が、わかりやすく見てとれる一着を紹介しよう。ベースになっているのは、ポーラテック社が開発した重さに対する温かさの比率が高い「サーマルプロ」。この表面を、まるでデニムのような風合いに加工した高機能セーターだ。また、裏地を起毛させることで温かさと肌触りをアップ。ガンガン洗濯でき、速乾性も高いので手入れも楽々。一度これを着てしまったら、もう普通のセーターやスウェットには戻れないかも!?
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■クレジット
文/池田圭 写真/熊原美惠