アウトドアでカメラを持ち歩かないという人にも、今まで以上にダイナミックに撮りたいという人にも、360度カメラはおすすめです。
360度カメラとは
文字通り全方位を記録できるカメラです。
撮影後に、360度のVR動画や好きなアングルを切り出した動画を作る事もできます。
私が使っているinsta360 ONE、insta360 ONE Xのアウトドア使用についてご紹介します。
おすすめポイント1:片手間に撮ってもOK
被写体にカメラを向けて撮影しながら山道を歩くのは危険ですが、360度カメラならその場のほぼ全てが撮れるので気が楽です。
登山中でも録画しておけば、目の前の斜面も背後の谷も、その瞬間に自分が見ていなかったものも撮れています。
カメラをつけた一脚などをバックパックに挿して歩けば、両手が塞がる状況でも大事な瞬間を逃しません。
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スタビライズが強力なのでアクションカメラとしても優秀だし、オプションの3メートル自撮り棒と組み合わせれば、ドローン撮影のような映像も撮れます。ちなみにこの時、背後をついて来る犬を私はほとんど見ていなかったのですが、撮れています。
おすすめポイント2:撮影後でも自由にカメラワークをつけられる
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この時は遠くの山を撮影していたのですが、後で見返したら自分の足元の景色も凄かった事に気がつきました。360度カメラならではの体験です。
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これは走りながら撮りました。
「予測困難で素早く動く生き物を画面内に捉え続けて走りながら撮る」というのは、普通のカメラでは難易度が高いです。360度カメラであれば、まず全方位を記録して、後から好きなアングルを切り出せばよいので、簡単にできるのです。
未来にいる自分は過去に何が起きたかを知っているので、被写体の動きを先読みしたようなカメラワークもできるし、一つの「できごと」を幾つもの見かたで切り取ることもできます。SFっぽく言うと「過去の時間に何度も戻って撮影と失敗を無限に繰り返せる」みたいな独特の面白さがあります。
最近はこのやり方に慣れ過ぎ、撮影時に構図などを決めなければならないカメラが窮屈に感じるほどになってしまいました。以前はそれが当たり前だと思っていたのに。
ちなみにこの2つの動画は「ドローン撮影かと思った」とよく言われますが、走る被写体の近くで安全にドローンを飛ばすのは操縦技術が要るし、モーター音を鳴らすドローンが近くに居たら犬達も警戒してこんなに自然に動いてくれません。そういう意味ではドローンでもなかなか撮れない映像だと思います。
おすすめポイント3:SNS、VRなどで体験を共有
パッと撮ってスマホアプリでパッと編集して公開するも良し、PCでじっくり編集しても良し。現地に居なかった人にVRヘッドセットで疑似体験してもらう事も。
犬とカヤックに乗って撮った360度動画を母にVRで見せたところ、「皆と一緒にカヤックに乗っているみたいだ」と喜んでいました。
最近はOculus Goなど比較的安価な一体型VRヘッドセットが増えてきたので、こういった体験を共有しやすくなってきました。
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結果、撮影機会が増えた
旅やアウトドアを好む方の中には「目の前に素晴らしい景色があるのにカメラを覗く気になれない」「重くてかさばる」「面倒」など、さまざまな理由でカメラを持ち歩かない方も多くいます。以前は自分もそうでしたが、360度カメラを使い始めてからは積極的に撮るようになりました。
現地ではなるべく環境を楽しみ、映像については帰ってからゆっくり考える、と集中すべき場所と時間を分けて考えられるようになった事も理由のひとつだと思います。
撮る方も撮られる方も撮影を意識しなくなるため、自然な姿が映るのも魅力です。
静的な写真を綺麗に撮るなら他にもっと相応しいカメラはあると思いますが、「行動しながら行動そのものを撮る」にはとても楽しいカメラです。
〈使用機材〉
insta360 ONE
insta360 ONE X
Waterproof Housing
3m Extended Edition Selfie Stick
Gopro Fusion
Oculus Go
岸井一
アートディレクター・デザイナー
web/モバイル/AR/VR/ゲームなど、さまざまなインタラクティブコンテンツを制作。
株式会社テオ 代表。
プライベートでは愛犬(元は山で生まれた野犬)とアウトドアを楽しむ他、保護犬のフォスター活動なども行なう。
instagram : https://www.instagram.com/hajimetheo/
website: http://theodesign.jp/