ホリデーパークと呼ばれる高規格キャンプ場は超快適!
日本におけるキャンピングカー旅の停泊所といえばキャンプ場をはじめ、道の駅や高速道路上にあるSA/PA、最近話題のRVパークなどさまざま。ニュージーランドではホリデーパークと呼ばれるキャンプ場にステイするのが一般的。
ここはテント泊のためのフリーサイトをはじめ、電源付きのオートサイト、コテージやキャビンはもちろん、モーテルが併設されているところもあります。
大手チェーンであるトップ10ホリデーパークやキーウィホリデーパークは観光地の近くに多くあり、サイト数も多いので予約もしやすくお薦めです。選ぶ際はクォールマークを参考にすれば間違いなし。これは、ニュージーランド政府観光局とニュージーランド・オートモービル・アソシエーション(NZAA)が審査を行い、サービス品質を5段階の★マークで表示したもの。星の数が信頼度の高さなので宿泊の際の目安にしたい。
パークでは地元の人はもちろん、世界中から訪れた旅人が泊まっており、さまざまな言語が耳に入ってきて海外でキャンプしている感じが満喫できます。また、見たことのないさまざまな鳥たちの囀りで目が覚めれば気分も爽快です。
パークを巡る旅でいちばん驚いたのが清潔面・安全が非常に高いことでした。面共用のキッチンは使用後に各自でシンクやカウンターを拭き上げるというルールがあるためどこも清潔。トイレやシャワーも同様で、次の人の事を考えるというマナーが定着しているのにとても感動しました。日本はもちろん、アメリカやドイツで体験したキャンプ場よりも清潔なのにはかなり驚きました。
また、キッチンには冷蔵庫や調理道具なども完備されているので、食器とカトラリー、調味料さえ旅行カバンに入れておけば困ることも少ないでしょう。
ほかにも、コインランドリーがどこのパークにも常設されていたので、長期旅行でも苦労することがありませんでした。
フリールームはWi-Fiスポットになっていたり、周辺観光のチラシがたくさん用意されている
さらに、ホリデーパークにはプールやトランポリンなどの遊具が充実しているところがほとんど。観光地巡りも楽しいけれど、ゆっくりとパーク内で家族や仲間と遊んだり、BBQしたりするのも本当にオススメ。予約はインターネットで行え、ほとんどの場所で正午にはチェックインが可能。チェックアウトは10時または11時でした。
料金については季節によって異なりますが電源付きのオートサイトでおおよそ1台NZ$45〜$70が相場です。
コテージのほうは、キッチンやシャワー、トイレ、エアコンなどに加え、ベッドやソファもあって、驚くほど快適。一軒家のような使い方ができるので、ホテルに泊まるよりもホリデーパークのほうが価格も安く快適で個人的には魅力的でした。値段についてもNZ$60〜$250(1部屋・季節で異なる)なので、大人数ならとってもリーズナブルです。
ホリデーパーク以外にもキャンプ場は多い
ホリデーパークのほかにも環境省が運営するDOCキャンプサイトが国内に約200カ所設置されていますが、値段については設備や場所によって有料・無料と異なります。また、トイレ設備のあるキャンピングカーのみや、逆にキャンピングカーはNGというところもあるので注意が必要です。ほかにも自然が多い国だけに、どこでもキャンプしてもよさそうですが、自然保護地区などではキャンプしてはいけない場所もあるので特に注意が必要。また、治安がいいとは言え野営はなるべくは避けた方がいいでしょう。キャンプをしてはいけない場所は禁止の標識があるので見落とさないように。
数年前より話題になっているグランピング。ニュージーランドにも1泊NZ$250を超えるようなラグジュアリーなキャンプ場が数多く存在します。自然のど真ん中にポツンとひとつだけサイトがあったり、食事の準備も必要ないグランピングサイトなど個性的なものも多いので、是非ともチェックしてみてください。
朝市やスーパーで食文化を楽しむ
ホリデーパーク泊で切っても切れないのが自炊。食材はもちろん地元スーパーや週末などに行われる朝市で購入。ニュージーランドと言えば牛乳やバター、チーズなどの乳製品をはじめ、魚介類、肉類、野菜果物類なども豊富。名産のラムやムール貝、オーガニック野菜など枚挙に暇がないほど。それだけに、食材で困ることはほとんどありませんでした。また、恵まれた気候と土壌により、国内には約700軒ものワイナリーが点在。世界中から多くのワイン好きが訪れているというだけあり、スーパーはワインも豊富。ほかにもマヌカハニーやオリーブオイルといった特産品、フラットホワイトやフィッシュ&チップスなどの軽食などもぜひ体験して欲しいです。
走りやすい・キャンプ場も快適・食材も豊かなニュージーランド。実際に過ごしてみて、海外でキャンプをしてみたい人にはピッタリの「楽園」と呼べる国でした。
伴 隆之
自動車専門誌の編集者を経て、キャンピングカーライターに。国内をはじめ欧米での取材もこなし、現在は年間50台以上もの新旧キャンピングカーをレポート。来年の目標はオーストラリアをキャンピングカーで旅すること。
写真:熊野淳司