こんにちは、子連れライター渡部郁子です。幼稚園児の息子を連れて、山や温泉やフェスなどをめぐり、楽しんでいます。冬になると、各地がイルミネーションで彩られ、美しい季節。寒さを吹きとばす冬の魅力のひとつです。埼玉県飯能市のメッツァビレッジで、チームラボが主催する期間限定のアートイルミネーションイベントが始まりました。この冬の新しい取り組み「チームラボ 森と湖の光の祭」の内覧会に参加してきました。
メッツァビレッジとは
飯能市の宮沢湖を中心に、北欧のライフスタイルを感じ楽しむ、森と湖の美しいエリアです。2019年3月にはムーミンのテーマパーク「ムーミンバレーパーク」の開業を控え、開発が進んでいます。近くに温泉施設を備え、森と湖を散策して楽しめるアウトドアスポットとして注目を集めています。
チームラボとは
アート、サイエンス、テクノロジー、デザインなどを融合して作品を生み出すコレクティブ集団。2001年から活動をはじめ、東京、お台場にある「チームラボ ボーダレス」ほか、日本国内にとどまらず、シリコンバレー、ロンドン、中国、シンガポールなどで常設展やアート展を展開しています。企画展としては、47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」や、「ミラノ万博2015」日本館などを展開。今回の、メッツァでのイベントは、3月3日までの期間限定開催となります。
湖の湖面に立つ光の物体
開始時間が近づいてきたところで、突然現れた丸い物体。一部の展示は期間中置きっぱなしになっているのですが、メイン広場に置かれる展示物は、毎日時間になるとスタッフが準備するとのこと。
今回の作品「森と湖の光の祭」の中でも注目は、宮沢湖の湖面に立つ光の物体。「浮遊する、呼応する球体」と名付けられた作品で、球体は風に揺れたり、誰かが触れることで、色の光を変化させ、音を奏で、その光は放射状に伝播していきます。
手前の球体に触れて、青紫に色が変わり、そこから徐々に、水辺の球体に光の色が広がっていきます。湖面の球体は、他の誰にも手が届かないからこそ、光の色の変化を目の前で感じることができる場所。湖面に設置された球体は、スタッフの並みならぬ苦労によって実現したものだそうです。
水深は4mほど
チームラボ代表の猪子寿之さんに、今回の作品についてお聞きしてみました。
「湖面にどうやって球体を設置するのか、すごく苦労したんです。スタッフが水中にもぐって設置したんです。水深が4mもあるそうです。この寒さですから、死にそうでした(笑)」
「湖面の球体は、風が吹くと光の色を変えるんですが、あいにく今日は無風で……。誰かが倒してみれば、色の変化を見ていただけるんですけどね。でも絶対だめですよ。水深4mですから、死んじゃいますから、湖面の球体は触わらないようにしてくださいね。」
6歳児からも質問。「どうして触ると色が変わるのですか?」
「それはね、中にセンサーというものが搭載されていて、急に動かすと反応するようになっているんだよ。球体はお互いに通信しているので、色が伝播していくんだ。」
丁寧に教えていただきました。
見て、触れて、音を奏でて、自分もその一部になる
チームラボの作品の特徴は、見るだけでなく、触ったり体験したりできる点が魅力です。一緒に歩きながら、息子はすべての光の球体に飛びかかっていき、跳ね返されながら、音の伝播と光の変化を楽しんでいました。少し俯瞰で眺めれば、そこから変わり始めた色は、宮沢湖をぐるりとめぐって色を変えていきます。その距離なんと2㎞以上。湖面を彩る幻想的な風景は、いつまでも見ていたくなる美しさです。
空気の澄んだ、冬ならでは
周遊路は一方通行で、残念ながら1周ぐるりと歩くことはできませんが、湖畔の橋を渡り、ふかふかの落ち葉の山道を歩き、少し傾斜を登り、ちょっとした散策コースになっています。美しいアート作品が、空気の澄んだ季節特有の魅力を増して、冬の寒さを吹き飛ばしてくれます。
おいしい食べ物も営業中
散策後は、メッツァビレッジにあるお店で、温かい食べ物や飲み物を入手できます。屋外に作られたレストランもあり、アウトドア感満載。冬の自然を気軽に楽しむスポットとして、子ども連れにもおすすめです。
【取材先】
チームラボ 森と湖の光の祭
期間:2018年12月1日(土)~2019年3月3日(日) ※12/31~1/2は休園
時間:17:30または18:00から21:00まで(時期により開始時間は変動)
会場:メッツァビレッジ(埼玉県飯能市宮沢327-6)
入場料:中学生以上大人 平日1000円、土日祝1200円、4歳以上子ども 平日500円、土日祝600円(3歳以下無料)
渡部郁子(わたなべいくこ)
アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」を様々なメディアで発信中。子どもにやさしい温泉や山、フェス情報など、親子で楽しむアウトドアスタイルを提案しています。