日本のミライを明るくする! 園児野生化計画 vol.65
子供達と一緒に「素材確保」を目的に冬の森の中へ出かけました。
園庭は広いし、遊具もある。でも、園庭での遊びは当然のことながら他年齢に気を遣わなくてはならないし、毎日遊ぶ「日常の場」ということもありなかなかクリエイティブなことが生まれなくなってきてしまう。
これを解決させるためには、一度外的刺激を受けて持ち帰ってくることが一番のスイッチになる。そう目論んだ僕たちはさっそく森の中へ出かけるのでした。
前半戦はとにもかくにも”発散”に時間を費やす。
いくら広い園庭があるからといって、里山のように広大なわけではない。急坂を登り、広場で体力が続く限り彼らの中に凝縮されているエネルギーを使い切るまで遊ぶのだ。
発散は子供にとって重要な時間
この日は終始急坂走りが人気だった
いつもは小さな弟、妹達に優しい気遣いをしながら遊ぶ子供達も、自分たちだけになると”ちょっと怖い”とか”全力”と感じる遊びがしたくなるのが不思議なところ。急坂を駆け下り、そして派手に転びながら冬の寒空をまさかの半袖で駆けまわる子供までもが現れた。
この日一番の大きさのジョロウグモを手に入れて自慢しに来た子供
触発されてジョロウグモ探しが始まった
いよいよ今回の目的である素材収集の時間がやってきた。
ルールは「バスに乗せられる大きさのもの」と「自分で運ぶ」のふたつだけ。あとは彼らの感性に任せてただひたすら集めるのだ。園の先生方も今日は覚悟をしてくれているので子供達の思いつくがまま、素材集めが繰り広げられた。
「ねえ先生、これバスに入る?」
「これは持っていっていいの?」
はじめは基準が無いので子供達は確認作業をしながらの素材採取だけど、
「全然大丈夫!」
「自分で運べそう?じゃあOKだよ!」
と子供達の中の不安要素を取り除いていくと、もう後は面白いほどザクザク素材が集まっていく。
とにかく長い木を集める男の子
どれだけ苦労しようが最期まで運んでいた…ちなみに運ぶ距離はおよそ700mの下り坂だ
お気に入りの「鹿の角」を見つけ、女の子はこれだけを大切に持ち保管していた
わざわざ大変な運び方を実行するのが子供の性
周りに自分が手に入れた木の長さをアピールしながら運ぶ
お給食に間に合うか間に合わないか本当にギリギリ一杯まで素材集めをして、長い木は引きずりながら、重い木は途中で休憩をしながらバスに詰め込むことに成功した。面白いのが、まだこの素材を拾って何をするかまったく考えていないこと。
何か面白いことが出来そうだという思いのエネルギーを高めながら園に帰っていくのでした。
さて、彼らはこの素材をつかって果たして何を始めるのだろう?楽しみでならない。
次回に続く…