100%自家飼育のジンギスカンが絶品の店「ひつじや」山形県
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    2019.04.22

    100%自家飼育のジンギスカンが絶品の店「ひつじや」山形県

    あなたは本物をまだ知らないかも!? 雪国で育まれる絶品ジンギスカン

    旨い飯は素材が命! 海の幸、山の幸、旬の幸、有名グルメガイドではお目にかかれない、わざわざ食べに行きたい“自然派アウトドアレストラン”をビーパルがセレクトして不定期にご紹介。

    今回ご紹介するのは山形県にある「ひつじや」。店名からお察しのとおり、羊肉が旨い店だ。この店は、店主自らが羊を飼育し提供している。

    日本で消費される羊肉の国内自給率は、なんと1%に満たないらしい。そんな中、「ひつじや」は自ら飼育した羊肉のみを提供する珍しいレストランである。

    ざっくりいうと、仔羊が「ラム肉」で、大人の羊が「マトン肉」。ひつじやでは、しっかりと育てたマトン肉を提供している。

    敷地内には、常時200頭ほどの羊が愛情たっぷりに育てられている。エサにもこだわりがあり、自家生産の発酵牧草や藁を主に、契約農家から仕入れた飼料米、地元産の大豆などを配合して与えている。

    店主の西塚洋平さんが目指すのは、「効率や量産を考えず、安全を第一に美味しい羊肉を提供するお店」だ。

    ひつじや店主・西塚洋平さん。使い込んだエプロンが似合う41歳。趣味はスノボと波乗り。2児の父親でもある。父がオープンしたお店を引き継いだのは2009年から。

    「オープン当初は飼育頭数が少なかったので、輸入羊肉も混ぜて提供していましたが、お客さんは正直なもので、食べ残した肉を見ると輸入肉ばかりでした。『自家飼育した羊は、やっぱり美味しいんだ!』と感じ、自分がお店に関わり始めた2007年頃からは、うちで育てた羊肉だけを使うようになりました」

    種付けから出産、飼育までを手がけると、現在の飼育頭数が限界だ。となると、予約客に提供する量しかとれないので、必然的に卸売りはできない。つまり、この手塩にかけた羊肉が味わえるのは、このお店でだけってわけ。

    店舗のログハウスは、開店当時に父が仲間とセルフビルドしたもの。「親父から教えてもらったことは、外で遊ぶ方法くらいかな(笑)」

    さあどうぞと出してくれたジンギスカンは、よく知るそれとは違い、蒸し焼きにした赤みが残るくらいレアな状態の肉をいただく。

    口に運ぶと、臭みは一切なく、羊特有の脂の旨味が口一杯に広がる。今まで食べていたジンギスカンって? と考えさせられるくらいの衝撃を受ける、これぞ1%の本物の味。残すだなんて、不可能でしょ。

    自家製&地元産の野菜を敷き詰め、その上で肉を蒸し焼きにしてレアでいただく。この食べ方こそが、ひつじや流のジンギスカン。1人前¥2,500。

    ひつじやの羊肉が食卓に並ぶまで

    1.飼育

    肉質の良いサフォーク種を、じっくりと2〜3歳まで飼育する。化学的な飼料は一切使わない。

    2.羊を捌く

    週に1頭のペースで潰す。処理後は1週間ほど冷蔵庫で寝かせ、肉質を落ち着かせる。

    3.切り分ける

    手際よく骨に沿って刃を入れていく。半身の塊を切り分けるのにかかった時間は、わずか30分ほど。愛用する包丁は名品「有次」!

    4.部位を分けていく

    バラ、モモ、希少部位のトウガラシなど。骨はスープ、端肉は腸詰めにと無駄は一切ない。

    5.テーブルへ出す直前、薄切りに

    提供直前にスライス。脂身と赤身をバランスよく盛る。どの部位が出るかは、その日のお楽しみ。写真は2人前。

    酒とサイドメニューも充実!

    羊と豚のソーセージ、自家製ジャガイモのフライ、いぶりがっこのピクルス…。充実のサイドメニューも食べ逃しなく。ワインと日本酒のセレクトは地元産にこだわらず、志を同じくする生産者が手がけるものを全国から集めている。

    野菜や漬け物なども自家製のものが多く並ぶ。

    ワイン、日本酒、豊富なラインアップがジンギスカンをさらに旨くする!

    ひつじやは、完全予約制。いますぐ電話だ〜

    ひつじやは新鮮で旨い肉を提供するため、完全予約制となっている。

    ひつじや https://hitujiya-yamagata.jimdo.com/
    住所:山形県村山市富並4220-15 
    電話:0237(57)2862
    営業時間:11:30〜14:30、17:00〜21:00(完全予約制なので要注意!)
    休業日:火曜日
    アクセス:電車 の場合→JR奥羽本線「村山駅」からタクシーで15分。
    車の場合→東北中央自動車道「東根IC」から国道13号を北進。約30分。

    ※構成/池田 圭 撮影/熊野淳司
    ※この記事はビーパル4月号に掲載された記事を再編し掲載しています。

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