ダマスカスといえば、美しい波紋(波のような模様)の浮き出た刃物として、ナイフファンにはおなじみである。刃の原材料となる鋼を何層にも重ね合わせることで、この波紋が現われる。ではなぜこれを「ダマスカス」というのだろうか。百科事典などでちょっと調べてみた。世界史や地理の好きな人にとっては、ダマスカスといえばシリアの首都である。ダマスカスは紀元前3000年頃に発生したといわれ、世界最古の都市のひとつに数えられている。シリア砂漠の西端のオアシスにあり、古来、東西文明を結ぶ交通の要衝だった。ここで取り引きされるインド原産のウーツ鋼の刃物には波のような模様があり、一般名詞としてダマスカスと呼ばれたようだ。織物の「ダマスク織」もダマスカスが名の由来となっている。ダマスカスはいろいろな製品の製造・販売の拠点だったのだろう。その後、このダマスカスナイフの製法は失われてしまい、現在ダマスカスといえば、冒頭に説明したとおり鋼を何層にも重ね合わせた刃物を指している。
さて、今回紹介するのは、トヨクニ製のダマスカス15層の鉈である。刃の表面にはきれいな波紋が現われている。波打ち際に寄せては返す波のようにも見えるし、大海原にたゆたう波のようにも見える。ついつい見とれてしまう不思議な模様である。刃の形状としては先端の尖った剣鉈タイプで、刃長は4寸(12cm)と短い。キャンプや渓流釣りに持っていくのにジャマにならない大きさといえる。柄はオイルステイン塗装の樫、ツバは真鍮、ケースは牛革。トヨクニとビーパルが協力して企画したオーダーメイド品なので、刃にはご希望の名を入れてお送りします(文字は漢字、カタカナ、アルファベットいずれか)。
15,000円+税
※この商品は[通販サイト]「大人の逸品」から購入できます。
土佐鍛 山遊銘打剣鉈4寸
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