はじめての海釣り。確実に釣るためには、初心者でも簡単にできる防波堤釣りがおすすめ! のんびり海を眺めながら、日がな一日……。いえいえ、わりとエキサイティングだったりするのです。必要な道具から基本的な釣りの種類まで、もれなく釣り上げます!
「いいか、釣りの醍醐味は①楽しくない釣りはするな! ②元気にあいさつ! ③ゴミは捨てない、以上!!」と、初心者女子を前に力説するのは、BE-PAL本誌でもおなじみ、日本野生生物研究所の奥山英治さん。
まずは道具を揃えよう!
まずは道具を揃えようと、大手釣具店の上州屋を訪れた。出迎えてくれたのは、上州屋木更津店の田中裕之さん。
「釣りをはじめるのに必要なのは、竿と仕掛けとエサです。釣りの種類によって選ぶ物が変わってきます」(田中)
初心者でもできる簡単な釣りをやりたいのですが。
「だったら、春から秋にかけてはサビキ釣りがおすすめですね。イワシやアジなどの小さい回遊魚のなかに仕掛けを落とすだけ。釣果も手堅いし、なにより簡単ですよ」(田中)
「手堅い」とは、なんとも心強い。ならば欲張って……他の釣り方も教えてくださいっ!
「砂底にいるカレイやシロギスを狙うちょい投げ釣りや、消波ブロックの穴にいるメバルやカサゴなどを狙う穴釣りも人気です。穴釣りはシーズンに関係なく釣れます」(田中)
慣れてきたら、疑似餌を使ったルアー釣りもおすすめだというが今回は見送り。
「最初はバケツから竿、仕掛けまでついた手軽なセットがおすすめです。カタクチイワシのような小さな回遊魚も狙えるように、ハリの種類はいくつかあると便利ですね」(田中)
「あと、クーラーボックスも! 大漁予定ですから!」(奥山)
道具を揃えたところで、防波堤に出発! 全国各地の漁港近くの防波堤や、海釣り公園が好ポイント。はたして、クーラーボックスを釣果で満たすことはできるでしょうか!?
初めての人は海釣り公園に行こう
魚が鈴なりで釣れる!
【実釣1】サビキ釣り編
サビキとは、疑似エサ付きの枝バリがたくさん付いた仕掛けのこと。回遊してくる魚の群れを見つけ、そこにこの仕掛けを落として釣るのがサビキ釣りだ。オキアミエサ(コマセ)を使って魚の群れを集め、一度に何匹も魚がかかるところが面白い。
サビキ釣りの道具一式
エサはオキアミのブロック
「ハリがたくさん付いてるから、絡まないように注意してよ」と、奥山さん。風が強い日はとくに慎重に。仕掛けを海に投入したら、少しずつ巻き上げ、竿を上下して魚にアピールする。
「あ、ブルブルしてる!」
手元に振動を感じたら、ゆっくりと引き上げる。
「やったぁ、釣れた!」
本日の第1号は星さん。じゃんじゃん釣るぞー !
釣った魚は冷やして持ち帰ろう!
イワシやアジなどは、鮮度を保つため、氷締めして持ち帰るといい。クーラーボックスには、あらかじめポリ袋に入れた氷と、少量の海水を入れておく。ある程度釣れたら、生きた魚を密閉式保存袋に移し、氷に直に触れないようにクーラーに納める。
防波堤釣りの基本スタイル
【実釣2】ちょい投げ釣り編
片天秤というオモリ仕掛けを付けて、ちょっと沖の砂地にエサを投げ込むのが、ちょい投げ釣り。春から秋にかけては天ぷらで有名なシロギス、夏は河口の岸際で春に生まれた10㎝前後のハゼが狙える。対象魚は多く、カワハギやカレイに出会えることもある、夢ふくらむ釣りだ。
ちょい投げの道具一式
エサはアオイソメ
仕掛けをポイントに投げ込んだら、底に着くのを待ち、アタリがくるまでのんびり待つ。竿先に鈴を付けて昼寝しちゃう人もいる。しばらく待ってもアタリがなかったら、少しずつリールを巻く。巻いている最中に手元に振動がきたら、リールを巻き上げる。
ただし、障害物の多い場所だと根掛かりしてしまうので、怖い場合は、あまり動かさず、放置するとよい。
居付きの魚を狙い打ち
【実釣3】穴釣り編
消波ブロックやゴロタの隙間などに隠れた魚を狙う穴釣り。その名のとおり、仕掛けを穴に落とし込む釣りで、ポイントを移動しながら、穴に隠れたカサゴやソイ、ギンポなどの根魚を釣り上げていく。
住処を直撃するので、魚の活性が低い冬場でもけっこうよく釣れる。でも、根魚は成長が遅いので釣りすぎは厳禁!
穴釣りの道具一式
竿は短くて堅いもの(比較的安価な専用竿もある)を選ぶ。リールはスピニング。オモリとハリが一体化したブラクリ仕掛けに直結する。
※上州屋木更津店 住所:千葉県木更津市太田3-11-1 TEL:0438(23)4130
※オリジナルメーカー海づり公園 住所:千葉県市原市五井南海岸1-12 TEL:0436(21)0419
※構成/大石裕美 撮影/中村文隆 モデル/森 風美、星 朱音
(BE-PAL2019.7月号より)
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PICK UP高評価な「防波堤釣りの本」