ジョンミューア・トレイル(以下JMT)顛末記、2回目です。
JMTの許可書が取得できない場合、どうしたらいいのか? これは皆さんも知りたいはずですよね。
ハードウォークすれば何とかなるだろう。そう考えて、私は迂回ルートを歩く事に決めました。
まずは、すれ違うハイカーたちの噂にのぼっていた、火事の状況を確認しなければ歩きだせません。レンジャーセンターで迂回路周辺情報を仕入れ、周辺の地図を購入しました。その地図からすれば、どうやら歩けそうでした。
ストアに戻り食料の確認等を行なっていると、パシフィック・クレスト・トレイル(以下PCT)のセクションハイカーと名乗る男に出会いました。話を聞いていると、本当にPCTハイカーなのか怪しい感じがプンプンします。
しかも彼は、私が火事の影響でスキップしようとしたルートを歩くと言うではありませんか!?
そして、お金を節約したいからと言い残し、スキップルートと反対側の方向に向かってヒッチハイクを始めました。あれれ?と思っている間に、姿が見えなくなっていたのでした。
間違うはずのない観光地の道で、こうも堂々と方向を間違えるとは! このように我が道を行く自由なハイカーがいるからこそ、海外のトレイルは楽しいのかもしれません。
私はレンジャーセンターで購入した地図をもとに、JMTより東側方向になる迂回ルートを歩き始めました。
モノパストレイルヘッドからサウザンド・アイランド・レイクまでのルートは、JMTよりも少し長い距離を歩くことになります。
途中私が目指すパーカーパスと、モノパスとの分岐点で、モノパスが8月上旬の火事により閉鎖になっていることを告げる案内板が出ていました。その方向を振り返ると、火事の影響のなのか周りの景色が霞んでいるので見えます。
更に高度を上げていくと1人のハイカーに出会い、パーカーパスの手前で一緒にキャンプをすることになりました。
JMTハイカーではなかったのですが、彼も許可書が取れずにこの迂回ルートを歩いているのでした。
翌日、パーカーパスを越えると驚くほど美しい景色が広がっていました。アクシデントからとはいえ、このルートを選択して良かったと、心底思ってしまいました。それほどの景色だったのです。
あのままJMTを通っていたら見ることが出来なかった、この出会いに感謝です。