コールマンの2020年春夏の展示会に行ってきました
秋の音が少しずつ近づいているなか、キャンプ業界では来年の新製品を発表する恒例行事が行われています。100年以上の歴史がある総合アウトドア用品メーカー「コールマン」も多くの関係者が集まり、新製品を数多く展示。注目のアイテムを3つに絞って紹介します。
注目は「マスターシリーズ」の拡張性ある新作テント
コールマンは、「灯そう。」をテーマにキャンプをとおした人同士のつながりをここ数年にわたって提案。今回も、これに沿って数多くの新作を発表しました。特に注目が集まったのは、会場中央に展示されたマスターシリーズです。
あの「コクーン」がより広くなってパワーアップ
マスターシリーズとは、コールマンが発売するシリーズのなかで最高峰と位置付けるシリーズ。居住性、機能性、そしてデザイン性などトータルでハイレベルの品質を実現し、一生モノと言っても過言でないほど高い技術が備わっています。そのなかで断然人気が、「コクーン」と呼ばれる2ルームテントです。
今回で3世代目となる同製品と従来品との大きな違いは、両サイドのパネル(サイドキャノピー)がタープとして使用できるようになったこと。まるでキャンピングカーのサイドオーニングのように、広く日除けができるようになりました。これによって、テントの有効面積が上がってより広々と過ごせるようになります。
リビングのサイズは約405×400×220cmで、従来品と変わらず高い居住性があります。展示では奥にインナーテントが付いていますが、反対側にもう1部屋をつけることができ、寝室を2部屋に拡張することも可能で、2家族や三世代でのキャンプも楽しめます。なお、1部屋目は付属しますが、2部屋目は別売りです。
キャノピーがタープになったオールインワンタイプ
同じマスターシリーズで注目を集めていたのが、この「4Sワイド2エアリウム」。ひと目見ればお分かりのとおり、広げたフロントキャノピーがタープの形をしています。フライシートにキャノピータープが付いており、ドームテント+ヘキサタープがこれ一体で完結した“オールインワンタイプ”になったわけです。
このテントの一番の良さは、テントとタープのドッキング(連結)をする必要がなくなったこと。今まで連結するには、タープを張ってからテントを設営し、テントの前室の上に被せるようにタープをかける必要がありました。同製品はその手間が省けますね。もちろんテントをクローズできるフラップも用意しているので、テント内のプライバシーを守れます。
拡張性のあるテントはこれだけではない
キャノピーの拡張性が上がった商品はマスターシリーズだけではありません。コールマンのロングセラーシリーズ「タフドーム」シリーズからも同じオールインワンタイプが登場しました。タフシリーズはマスターシリーズと比べるとお値段もお手頃なので、エントリー向けで購入しやすいのが特徴です。
4Sワイド2エアリウムと構造はほぼ一緒。フライシートにキャノピータープが付いているので、ドッキングの行程が減って使い勝手が良くなっています。接合部の両脇には雨が入らないように生地を付けることで、インナーテント内に雨が入らないようにもなっています。この工夫もメーカーらなではの視点ですね!
焚火グリルに便利機能がついたバーベキューグリル
次に紹介するのは、こちらのバーベキューグリル。一見普通のグリルに見えるかもしれませんが、実は火を起こす側にとって嬉しい機能が付きました。それが「ファン(送風機)」です。
グリルの底にある突起物が風の吹き出し口。この周辺に炭を置き、着火剤などで火をつけてファンを回せば、煙突効果により簡単に着火することが可能。今まで息やうちわを使って風を送り込んでいましたが、それが要らなくなったのは嬉しいですよね。
ファンを回す方法も簡単で、裏面にある装置のダイヤルを回せば簡単に付けることができます。送風量の調節も可能。ちなみに、単三乾電池を8本使用するため、その準備をお忘れなく。
そのほかの注目新製品3選
テントとバーベキューグリル以外に見つけた、面白そうなアイテムを3つに厳選して紹介します。
コールマン史上もっとも肉厚なマット
まずはこちらのエアーマット。バルブ構造により、フタを開ければ自動的に膨らんでいくので息を入れなくても簡単に設営できるのが特徴です。
また、このエアーマットは厚み約10cmと肉厚に仕上げているのも必見。コールマンのマット史上一番厚みがあるとされる同製品は、硬い地面で使っても背中が痛くならないと期待されています。サイズはシングルとダブルの2種類を展開。
フリーサイトでも仕切りを入れてプライベート空間を確保
今のキャンプ場はフリーサイトが増えており開放的になっている一方で、仕切りがなくプライベート空間が確保できない不満も増えています。そんな人に、このウォールはいかが? サイズは幅300×高さ145cmで、1サイト分の仕切りとして利用できます。横からの風を防ぐこともでき、ガーデニングで使われているウッドフェンスのようなプリントでナチュラル感も演出できそうです。
来年のシーズンズランタンは懐かしきマスタードカラー
コールマンコレクターが毎年楽しみにしているアイテムといえば、シーズンズランタン。2005年から毎回カラーを変えて発売しており、どれもすべてアメリカで生産している大人気ガソリンランタンです。今回は1970年代に買い物でスタンプを集めた人にしか入手できなかった特注モデルからインスパイアされたもので、キャンプでも映えること間違いなしです。クラムシェル型の専用ケースとセットで販売なので、即完売になること必至でしょう。
コールマンの新作はファン垂涎ものばかり
マスターシリーズのパワーアップから人気カラーのシーズンズランタンまで、コールマンの2020年新作は魅力あふれるものばかり。気に入ったものがあれば、来年の発売とともにぜひ購入してみては?
※今回展示されていたものは本生産前のため、多少仕様の変更がある可能性があります。
取材・撮影/小川迪裕