合言葉は「歴史と文化とアウトドア。」築100年の古民家をリノベーションし、店舗として再生するプロジェクト「Columbia KYOTO Project」が、2019年9月20日(金)、ついに実を結んだ。コロンビア 京都店の誕生である。
元々は住まいとして利用されていた京町家づくりの建物。一時期、お店として利用されていたこともあるという。そんな古民家の趣を残しつつ、新しい店舗づくりが行なわれた。
BE-PAL編集部ではオープンしたてのコロンビア 京都店を訪問。店舗内をレポートしていこう。
歴史ある町並みに溶け込む、漆喰塗りの外壁
周囲の景観にも馴染む、漆喰塗りの外壁。丸窓や下地窓などをそのまま残しつつ、ショップとしての新しい表情を見せている。外から見ると、屋根のカタチが3つの山のよう。この形状が店舗デザインにも活かされている。
敷地内に坪庭がある1Fフロア
店の間としても利用されていた1Fフロア。大きな窓からの採光により、店舗内がとても明るく感じる。商品の展示に利用されている什器類もウッドやアイアン、アンティークな家具などが採用されており、古民家にほどよく溶け込むものばかり。空間そのものを楽しむことができる。
コロンビア 京都店ではコロンビアブランド、コロンビア ブラックレーベルブランド(COLUMBIA BLACK LABEL)、レディースラインのエスケープウィズコロンビア(ESCAPE with Columbia)ほか、フットウェアブランドの「ソレル(SOREL)」も展開している。直営店ならではの、ラインアップの豊富さが魅力だ。
ところどころに残る、古民家の趣。レジカウンターの天板となっている板は、床の間の地板をリユースして作られたという。
京町家は奥に長いつくりが多く、敷地内に坪庭を設けていることも。住宅密集地での採光ほか、景観としての役目も果たす。その坪庭が見れるのもコロンビア 京都店ならでは。古都・京都の歴史と文化が、アウトドアと融合した店舗づくりだ。
梁が見える天井で、広々とした印象の2Fフロア
階段を上がるとすぐに、ディスプレイに目がいく。このディスプレイは古い舟板を利用して作られたもの。展示されているのは「マルチポケットフィッシングベスト」。コロンビアの歴史的名品だ。
2F部は広々とした梁見せ天井しかけ。立派な梁から建物の歴史を垣間見ることができる。フィッティングルームの扉は、元々玄関で使われていた建具を再利用している。丸窓を活かしたレイアウトも特徴的。
設計を手掛けたのは森田 徹さん
設計は住宅や商業施設の設計をはじめ、古民家再生にも携わる森田 徹さん(京都市北区・森田建築設計事務所)。森田さん曰く、「町や建物と調和していくイメージで手掛けました。外観に馴染む配慮を心がけてます」とのこと。
「外から見ると分かるのですが、建物の屋根が3つあり、まるで山脈のようなイメージを持ちました。中から見てもそのカタチが分かるように工夫しました」と、梁を見せた天井部について、お話いただいた。
歴史をつないでいくコロンビア 京都店
「コロンビアも昨年、生誕80周年を迎えました。この建物も100年。同じ“歴史をつないでいく”ことを大事に、京都から発信していきたいと思います」そう語るのはコロンビア 京都店の山下店長。
「タウンユースで着れるウェアも数多く取り揃えてますので、京都の街によく似合うと思います」とも。
京都は山が近く、川もすぐそばにあり、日常とアウトドアが近い存在。そんな京都に新しく誕生したコロンビア 京都店。お近くの人はもちろん、観光で京都に訪れた人にもぜひ、おすすめしたい新スポットだ。コロンビア 京都店で、歴史と文化、アウトドアに触れよう。
店舗情報
コロンビア 京都店
住所:京都市中京区六角通富小路西入大黒町 78
営業時間:11:00〜20:00(不定休)
問い合わせ:075-255-3222
リノベーション前の状態は、Columbia KYOTO Projectの特設サイトで見ることができます。
https://www.columbiasports.co.jp/special/kyotoproject/
コロンビア 京都店に残る街区表示板。この古い表示板もまた、歴史をつないでいる。
取材・撮影/早坂英之