軽キャンピングカーで、地球半周中です。稚内からロシアへ渡り、モンゴルで道草してから中央アジアへ。イラン、ヨーロッパと抜けてアフリカに上陸。西アフリカのプチ地獄をくぐり抜けて、南アフリカの喜望峰にゴールイン。日本に向かって北上中!
ゆっくり走ろう、小さな王国
前回のレポートは、周囲360度を南アフリカに囲まれた謎の小国レソトでした。ご存知でしたか、天空の国レソト?今回はさらに聞きなれない国、エスワティニです。南アフリカとモザンビークに囲まれ、2018年の中ごろまでスワジランドと名乗っていた王国です。四国より小さいので、1日のドライブを50km未満にしないと旅が続きません。ゆっくり走ろう、エスワティニ!
カバとワニがいる湖畔のキャンプ場(Rest Camp in Mhlosinga Nature Reserve 一泊541円)
幹線道路から外れて砂利道を進むと、人かげのない静かな湖がありました。誰にも教えたくない、マイ秘境です。木陰に陣を張ります。
おっ、カバがいるんですね!
ワニもいらっしゃる!
ワニはよく水際に隠れて獲物を待ち構えているので、ぼんやり歩いていると餌になってしまいます。いつ食べられても恥ずかしくないように、まずは腹ごしらえ!
いい感じのバーベキュー台がありました。薪もあちこちに落ちていて、無料。燃やし放題。小枝で火を起こし、炭を作ります。
我が家のバーベキューの定番は、ピーマン(パプリカ)の炭火焼きですが、今回は趣向を変えて鍋に入れて蒸し焼きにします。
ピーマンが柔らかくなるまで、仕事をして待ちます。いつでもどこでも働く勤勉な海外キャンパーなので、すなわち勤務地不定無期限海外転勤なのです。
1時間後、ピーマンのくたくた蒸し焼きの完成!なかに溜まったピーマン汁は薄味ですが、塩はかけません。味蕾を総動員させて、野菜の滋味を味わいます。
ピーマン汁の肴に、ソーセージです。これが最高の組み合わせ!
カバの鳴く夜は恐ろしい!
日が暮れたころ、欧米人の自転車カップルがやってきました。
「隣にテントを張っていいかい?」
どうぞどうぞ、ウェルカムです。
夜中、ぶひぶひっとカバの鳴き声が響くと、
「怖くて眠れないから、トイレで寝るわ」
テントを引っ越してました。
「カバは足が速いから、気をつけて!」
夜のトイレは、命がけです。
眼医者が経営する牧場のキャンプ場(Mabuda Farm1,070円)
古今東西、牧場のキャンプ場は珍しくありませんが、ここの牧場主は眼医者さん。珍しいですよね。幅1kmに長さ10kmと、とてつもなく広大です!よく刈られた芝生に、ピクニックテーブル。裏手はバナナ畑で、ローカルのスタッフたちが汗水垂らして働いています。
敷地内に飛行場がありました。ということは、軽飛行機で農薬をまいているんですかね?ということは、もしかして健康に悪いんじゃないだろうか……。ということを気にしながら農場を散歩していたら、広すぎて遭難しそうです。
農場なので猛獣はいませんが、可愛い犬と猫がいます。愛でたいけれど、張り紙が!蚤がいるから「Don’t touch!」
王様による王様のためのHlane王様国立公園
エスワティニという国は日本人には馴染みがありませんが、王家はちょっとした有名人です。一夫多妻制なので、王様の奥さんは14人以上。前代はもっとすごくて、妻70人。お子さんは210人。たかが誕生日に、億単位でお金を使う無駄遣いでも名を馳せています。その王家の名を冠したのが、Hlane王様国立公園。ゲームドライブに出かけると、サイの親子に出会えます。子供の背中に小鳥。
さすが王様!です。
紫蘇は牛肉ですか?
ベジタリアンの欧米人に会ったとき、これ食べてみませんか、日本の食べ物です!と紫蘇の粉末をプレゼントしました。
「変な味だねこれ、なんなの?」
これはですねーっと、辞書を開いたら、
「紫蘇=Beefsteak」
紫蘇は牛肉なんですか!?ベジタリアンさん、ごめんなさいっ!
次回は、モザンビークです。海沿いのキャンプ場でシーフードを堪能します。
石澤義裕・祐子
住みやすい国をリサーチしようという話から2005年から世界一周をスタート。アメリカ、カナダなどをスクーターで旅行し、オーストラリアをキャンピングカーで回ったのをきっかけに2015年の夏から軽キャンピングカーで旅を始めた