アウトドアシティえびの サイクリングレポートその1「えびの高原ルート」
宮崎県えびの市は、北部に九州山地、南部に霧島連山を望む自然豊かな場所。九州道えびのICそばの「道の駅えびの」から霧島錦江湾(きりしまきんこうわん)国立公園「えびの高原」へ、太古から続く火山活動が生み出したダイナミックな地形を自転車で楽しんできました。
宮崎県といえば、海岸に亜熱帯植物が生い茂る南国のイメージが強いですが、 じつは内陸部にも自然豊かな素晴らしいところがあるのです。鹿児島県、熊本県と接する南九州の中央に位置する宮崎県えびの市、周囲を山に囲まれたアウトドア遊びにうってつけのエリア。史跡やグルメ、温泉、絶景といった目ぼしいスポットがほぼ20㎞圏内に収まっているので、とくにサイクリングとの相性が抜群です。
という訳で、BE-PAL取材班は早速えびの市へ。まずは日本で最初に指定された国立公園のひとつ、霧島錦江湾国立公園内の景勝地「えびの高原」を目指し、片道約20㎞のヒルクライムルートを走ってきました。
ここからえびの高原へは県道30号線をひたすら南下することになります。スタートから約5㎞ほど走ると、それまでののどかな田園風景から一転、勾配10%を超える坂が連続するハードな道に。とくに前半区間は相当の脚自慢でも悶絶必至の激坂なので無理は禁物。一番軽いギアでゆっくりと上ってください。
途中の休憩スポットとして現われるのが「白鳥温泉」の上湯(うえゆ)と下湯(したゆ)。どちらも地元の人々に古くから親しまれている名湯なので、その癒やし効果はお墨付き。上湯には天然の蒸し風呂があり、隣接する白鳥茶屋で地産の卵「康卵(こうらん)」を購入すれば天然温泉で温泉卵づくりも楽しむことができます。えびの産の卵は東京では高級卵として販売されているだけあって超美味。必食です。
「白鳥温泉 下湯」。こちらは歌人の与謝野晶子が夫と共に立ち寄り、短歌を詠んだことでも知られる。敷地内には、貸し切り湯やケビンも併設されています。
「白鳥温泉 上湯」は、かつて西郷隆盛も静養のために訪れたことがあるという名湯。地下から噴出する天然の蒸気を利用した蒸し風呂や温泉卵づくりも体験できます。
上湯から少し登った先にある白鳥展望所は加久藤カルデラを見渡す絶景が望めるポイント。こちらもぜひ立ち寄ってください。
きびし~い坂道を上がり切って到着した標高約1200mのえびの高原では、霧島連山の最高峰(標高1700m)の韓国岳(からくにだけ)や、いまも煙をもうもうとあげる硫黄山(いおうやま)など、長年の火山活動によって形作られたダイナミックな風景がお出迎え。まだ余力があるようなら、このエリアの情報基地「えびのエコミュージアムセンター」に寄った後で、池めぐり自然探勝路を「二湖パノラマ展望台」まで歩いてみるのがおすすめ。およそ30分ほどのハイキングで辿り着く展望台からは、韓国岳をバックにふたつの火口湖(六観音御池<ろっかんのんみいけ>、白紫池<びゃくしいけ>)を望む絶景がドーン! ここまでの道のりが険しいだけに全身が半端ない達成感に包まれることうけあいです。
「二湖パノラマ展望台」はエコミュージアムセンターから30分ほど歩いた先にある絶景スポット。火山活動によってつくられたふたつの火口湖を一望できる。サイクリングシューズでここまで登るのは大変なので、運動靴を用意しておきたい。
続く。
※構成/佐藤旅宇 撮影/岩崎竜太 モデル/Reina 車両協力/ジャイアント