高燃焼・高火力が魅力のロケットストーブ。構造はとてもシンプルで、断熱されたボディーの内部に、L字型の燃焼管(燃焼路・バーントンネル)が組み込まれており、煙突効果で熱が上昇します。これにより、筐体内で発生したガスが燃焼管のなかで二次燃焼を起こし、高い燃焼効率を生み出すわけです。その火力はまるで「ロケット」のよう。
少ない燃料で高い火力を得ることができるロケットストーブ。資源を無駄なく使えることから、防災やアウトドアシーンはおろか、発展途上国でも使われるなど、そのニーズは世界的に広まっています。
また、構造さえ理解してしまえば、ロケットストーブを自作するのも難しくありません。使い切ったペール缶や一斗缶などを流用すれば、予算も少なくすみ、資源の再利用にもつながるのでとてもエコなんです。
ただ、作る技術や時間がない人には、市販されているロケットストーブがおすすめです。構造上、タフに使用しても壊れると心配はほとんどなく、長く使える一生モノと言えます。さらに市販品には「これがあったら便利」なプラスαの要素が備わっているので、使い勝手も上々です。
買ってよかった! ペトロマックス ロケットストーブ rf33
BE-PALスタッフ・早坂が愛用しているのが、ドイツ生まれの老舗アウトドアブランド、ペトロマックス(Petromax)の「ロケットストーブ rf33」。重さ7.5kgという重量級ですが、これひとつで煮炊きができて、暖も取れるすぐれもの。「今日の燃料は薪や炭だけにしよう(ガスやホワイトガソリンを使わない)」というときに、持っていきます。また、「ダッチオーブンで塊肉を煮込もう」というときにも大活躍します。
ハンドルがとても便利!
ロケットストーブ rf33はハンドルが付いていて持ち運びが楽ちんです。逆に言うと、7.5kgという重さを考えたら、ハンドルが無いとツラい…。市販品ならではのメリットです。
焚き口には窓(扉)付き!
また、焚き口には窓が備わっているので、消火や運搬時に便利です。これもロケットストーブ rf33を選ぶ大きなポイントになります。
ダッチオーブンをドカッと置ける頑丈な五徳!
上部には鋳鉄製のゴトク(五徳)があり、ダッチオーブンやスキレットを置いたときの安定感は抜群! いつも食材をたっぷり入れた12インチダッチオーブンを置いて使ってます。とてもヘビーな重さですが全然余裕!
付属のステンレス板で薪が平行になる!
焚き口に対して、薪が斜めにならないよう、ステンレスの板付き。これが思いのほか便利で、先端から燃え尽きる薪を、ぐっと押し込むことができます。
愛用者が語る、ペトロマックス ロケットストーブ rf33の使い方
焚き付けを十分に用意しておきましょう
焚き口は案外狭いので、焚き付けのような細い薪が必要です。ハンドアックスやキンドリングクラッカーなどを使って、十分に用意しておきましょう。
火が安定したら炭を投入します
焚き付けで火が安定したら、火力を長持ちさせるために炭を投入します。ただし、入れ過ぎはNG。火の強さを見ながらひとつづつ入れていきましょう。
BE-PALスタッフ早坂は普段、備長炭を使ってます。ロケットストーブ rf33は燃焼効率が高いので、成形木炭だとあっという間になくなってしまいます。その点、備長炭ならカンカンに熱せられて長持ちするんです。火がつきづらい備長炭ですが、ロケットストーブ rf33の燃焼効率をもってすれば難なく火がつきます。
ダッチオーブンを使った煮込み料理に最適
ロケットストーブ rf33はBBQ的な焼き網料理には不向き。ダッチオーブンを使った煮込み料理が向いてます。お肉を長時間煮込むときは、備長炭をくべてそのままにしておくだけ。少ない燃料で本格的な煮込み料理が完成します。ガス缶やホワイトガソリンで煮込むとすぐに燃料がなくなりますが、その点、備長炭なら安心です。
キャンプはもちろん、防災道具としても安心なロケットストーブ。少ない燃料で煮炊きができて、モノとしても頑丈。とても経済的なアウトドアギアです。
SPEC:
サイズ:φ23.5×33cm
重量:7.5kg
材質:本体/ステンレス、鋳鉄。ハンドル部/ステンレス、木製
ロケットストーブ rf33(ペトロマックス※Petromax):
https://www.star-corp.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=100545
※構成、文、写真、買った人/早坂英之