北九州国定公園の主峰の「福智山」ってどんな山?
福智山は福岡県北部に位置し、北九州市、直方市、福智町にまたがる山で、かつては英彦山修験道の行場でもあった。九州百名山の一つでもあり、福智山周辺は平尾台と同様に、北九州国定公園でもある。登山口が数多くあり、いろんなルートで登れるのも魅力の一つだろう。皿倉山から福智山を縦走する、約30キロもあるロングルートに挑戦する健脚者を見かけることもある。山頂は広い草原が広がりロケーションもよく、遠くは英彦山や脊振山系、東には周防灘、西には玄界灘を見渡すことができる。
一本桜の大木「虎尾桜」はボランティアによって蘇った
ポカポカと暖かくなり桜の開花宣言が聞こえてくると、春本番だと感じる。桜といえば、ソメイヨシノだが、「エドヒガン」という桜の品種をご存知だろうか。よく知られるソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラの交配によってできたもので、エドヒガンはソメイヨシノの親でもある。
そのエドヒガンの大木を、福智山山麓で見ることが出来る。「虎尾桜」と呼ばれるその桜は、樹齢約600年、幹周り3.83Mの大木だ。発見された時は傷んでいたが、「虎尾桜を心配する世話人会」のボランティアの方々による保護で、枯死寸前から蘇った物語でも有名。現在は、毎年花を咲かせるようになり、訪れた人を喜ばせている。その姿は大きくどっしりとして、一度見ると毎年この時期に逢いたくなる見事な桜だ。
そこで今回はピークを目指さずに、桜を愛でながら福智山の中腹を歩く日帰りルートをご紹介する。
福智山はたくさんの登山口があることも魅力の一つ
さまざまな登山ルートが選べる福智山だが、桜を楽しみながら歩ける、上野峡登山口を出発するコースをご紹介。
参考コースタイム:
上野峡登山口(30分)→虎尾桜(40分)→源平桜(60分)→白糸の滝(20分)→上野峡登山口
(往復 2時間30分(休憩なしの場合)
上野峡登山口から出発し、少し行けば「虎尾桜」への道標があるので従って歩く。足元に注意しながら進めば、こんなところに!と思うほど大きな桜がドーンと出現して驚かされる。緋色の美しい桜をゆっくり鑑賞したら、次は「源平桜」に逢いに行こう。こちらも桜の種類はエドヒガンで、1本がピンクの源氏桜、もう1本が白の平家桜で、並んで立っているので色の違いを楽しめる。
桜の大木を満喫した後は、展望と白糸の滝を満喫しよう
源平桜を鑑賞したら下山開始。福智山へも行ける八丁分岐から、白糸の滝方面へ下山する。渡渉する箇所があるので気をつけて歩こう。しばらく行くと、ロケーションの抜群の場所に出る。桜が山肌をポツポツとピンクに染めている景色が見ることができ、春のあたたかな陽気に気持ちが良くついのんびりしてしまう。
その後に訪れて欲しいポイントが、白糸の滝。滝の落差は25メートルあり、一気に流れ落ちる様は迫力満点でマイナスイオンをたくさん浴びられるはず。足元は滝の飛沫で濡れているので、滑らないように注意が必要。白糸の滝から登山口はすぐなので、ゆっくり気をつけて下山しよう。
プラスで楽しむ!温泉や直売所
ほうじょう温泉ふじ湯の里
源泉掛け流しの優れた泉質の温泉が楽しめる。
住所:福岡県田川郡福智町弁城上の原1300-1
定休日:第3月曜日(祝日の場合翌日)
時間:10:00~22:00(最終受付 21:30)
料金:600円
電話:0947-22-6667
ふくちの郷
彦山川水系の清流と福智三麓に広がる肥沃な大地で育てられた「弁天米」や「ほうじょう米」などの自慢の米のほか、地元の採れたての農作物を直売している。ふくちのおばちゃんの手作りみそ、イチゴ農家の手作りあまおうジャムなど、たくさんの手造りの品が揃っている。
住所:福岡県田川郡福智町弁城1320
定休日:第3月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年始
時間:9:00~17:00
電話:0947-22-7474
アクセス情報
公共交通機関
平成筑豊鉄道赤池駅から福智町の町内巡回バス(福祉バス)の「上野・市場コース」に乗車し、上野峡入口で下車。(バスの便数は少ないので要注意)
マイカー
九州八幡I Cから直方バイパス(国道200)、県道22、62号で上野峡へ。
登山ウェアや持ち物について
春先は暖かったり寒かったりと衣服調整が難しい。レインウェア上下はもちろん、フリースなどの防寒具は忘れずに持って行こう。足元は防水のトレッキングシューズがオススメ。
福智山データ
山頂所在地:福岡県
山域:北九州国定公園
標高:福智山(900M)虎尾桜(約400M)
今回のコース
コースタイム:約2時間30分
コースの距離:約5キロ
コース:上野峡登山口(30分)→虎尾桜(40分)→源平桜(60分)→白糸の滝(20分)→上野峡登山口 <往復 2時間30分(休憩なしの場合)>
<問い合わせ>
福智町役場 まちづくり総合政策課 0947-22-0555