穴があいてしまった服や小物、家で自分で直してみよう
山に行く時に身に付けるアイテムは、着心地の良いメリノウールの素材の物を選ぶことが多くなりました。メリノウール は夏は涼しく、冬は温かいといった調温機能や、保湿効果、また防臭効果などがあるため、アウトドアの様々なシーンでも人気です。
しかしデメリットとして、チクチクしてしまうものがあったり、擦れて生地が薄くなったり、虫に食われて穴があいてしまうことがあります。せっかく着ようと思っていたのに、穴あきを見つけてしまった時にはもうガッカリですよね(メリノウールのアイテムっていいお値段しますし..….)。まだまだ着られそうなのに、このまま捨ててしまうのはもったいない!
そこで、誰でも家で簡単にできる「ダーニング」という修繕技術を教えてもらいました。先生は手芸作家のイワタマユミさん。私とマユミさんが知り合ったきっかけはアウトドアのイベント。今では一緒にハイキングやハンモックを楽しむ山仲間です。
ダーニングって何?
ダーニング(darning)は衣類の穴あきや擦り切れ、シミや汚れた箇所を繕い、それ以上に穴が広がらないように丈夫にすることです。目立たず直すこともできますが、あえてカラフルな色の糸を使って刺繍のように可愛くする「装飾ダーニング」にトライしてみましょう。
用意する物
・ダーニングマッシュルーム
・糸、毛糸
・針
※糸や針は100円ショップなどで入手できます
ダーニングには、「ダーニングマッシュルーム」というキノコ型の道具を使いますが、普段手芸をやらない家庭には、なかなかないですよね。そこで、ガチャガチャのプラスチックケースや、こけし、電球など、家にある”丸みのあるもの”で代用してみてください。
準備
人差し指の外の部分が破れてしまった、毛糸の手袋をダーニングしていきます。
手袋の指の部分は細いので木製のスプーンを土台にし、ずれないようにゴムで指の付け根部分を止めます。
糸は馴染みのいい毛糸をチョイス。
基本の縫い方
1.縦糸を張る
補修したい穴より少し外側(a)に針を刺し、5~10㎝ほど糸を残して反対側(b)へ出します。
(a)に戻り、糸一本分ほどの幅(間隔)をあけて一針すくったらまた反対側へ。
糸は強く引きすぎないように、上下繰り返していきます。
縫い終わりも後処理のために5〜10cmくらい糸を残して切ります。
2.横糸を通す
横糸は黄色にしてみました。縦糸と同じように、穴から離れた場所に針をさし、縦糸を1本置きに上下上下とすくって反対側に通します。
端まで通したら、生地を一針すくい次の段へ。織物をするようなイメージで、一つ前の糸と互い違いになるように下上下上と糸をすくいながら戻ります。
目を詰めるためにフォークで糸を寄せます。
あまり縫い目の綺麗さにこだわらず、ザクザク進めていきましょう。
3.糸端の処理
裏返して、糸端を裏側へ引き出します。引き出した糸に再度針をつけて、針目や生地に縫い込み、触り心地が悪くならないように処理をします。↓のように生地の中間くらいをすくうようにして、表に針が出ないように注意します。
4.完成!
表返したら完成です。
最後に
いかがでしたでしょうか? よくよく見ると針目を飛ばしてしまったり、ガタガタなところもありますが、そこはご愛嬌ということで!あまり細かいことは考えず、思い切ってやるのがコツです。短時間でささっと可愛く直せるので、穴あきを見つけたら「しめた!」と思ってダーニングしてみてくださいね。
次回は「応用編」として、別の方法を2つご紹介します。そちらもお楽しみに!
先生のご紹介
イワタマユミ
手芸作家。羊毛フェルト(原毛)に始まり、フックドラグ、糸巻きボタンなどの作品を作る。カフェや美術館、専門店などでワークショップも開催。マユミさんの作品や今後のワークショップ予定はインスタグラムで随時更新中。
インスタグラム:@feltm