サステナブルでユニークなFREITAGの魅力を再発見
使い古されたトラックのタープや廃車のシートベルトを使って作られる「FREITAG(フライターグ)」は、街中やアウトドアでも見かける機会が増えました。日本のファッション業界でも、サステナブルな意識が高まる中、ブランドデビュー時から、環境に配慮したモノづくりを行っているフライターグの魅力を改めてご紹介します。
フライターグとは
フライターグは、1993年、創業者であるマーカス&ダニエル・フライターグ兄弟が、当時住んでいたチューリッヒ市内のアパートの目の前にあったフリーウェイを往来する色とりどりのトラックにインスパイアされ、使い古されたトラックタープ(幌)、自転車のインナーチューブ、廃車のシートベルトを使ったメッセンジャーバッグを、自ら自分たちのために創ったところからスタートしています。機能性と防水性に優れた初代モデル「メッセンジャーバッグF13 TOPCAT」から始まり、現在ではあらゆるニーズのためにデザインされた80以上ものモデルが登場しています。
メッセンジャーバッグのようにカジュアルに、トートバッグでビジネスシーンに、バックパックでアウトドアにと、好みやライフスタイルに合わせて選ぶことができます。なんといってもリサイクル素材を使用することで唯一無二のバッグであることが、自分だけのバッグとして愛着がわき、また、コレクターを生み出す人気につながっているようです。
モデルを選ぶ楽しみプラス、カラーや柄を選ぶ楽しみがある
デザインを選んだら、あとは数種類のカラーから好みのものを選ぶということが多い中、フライターグでは、モデルが決まっていても、悩む要素がまだまだあります。カラーのパターンや柄の出かた、さらにはリサイクルならではの汚れ具合などによって印象が変わるからです。同じモデルを持っていても、かぶったという感じにならないのはうれしいですね。日本国内では、どのモデルが人気なのか教えていただきました。
日本で人気のモデル3を紹介!
メッセンジャーバッグの「F11 LASSIE」は、オフの日や自転車通勤などにも便利。まずは、メッセンジャーバッグからという人も多いかも。快適なショルダーストラップで素早く緩めることができるバックル付き。ベロクロがついていて、2段階に拡張可能なので、急に荷物が増えた時にも安心です。拡張なしで5.8リットルの容量があります。
トートバッグにしては、ハンドル部分が短いバッグ。これは、ショッピングバッグ、いわゆるショッパーです。スイスで使われているサスティナブルではない紙のバッグにインスピレーションを得たバッグです。縦長トートとしても、ショッパーとしても使いやすいモデルです。
こちらは、今後人気になりそうなフライターグのスポーツバッグです。スポーツをする人は、思考面でも肉体的にも柔軟でなければいけないから、スポーツバッグも例外ではないとフレキシブルな作りになっています。実は、トラックタープだけでは、柔らかく、軽くフレキシブルということが難しく、新たな素材を使用しています。それが、100%ペットボトルを再利用して作られたPFC(過フッ素化合物)フリーの繊維です。トラックタープとの相性も良く、カラーのコントラストにもなっています。
地球に還る素材のF-ABRIC APPARELもラインナップ
フライターグには、バッグや小物だけでなく、F-ABRIC APPARELというアパレルラインもあります。地球に還るという独自に開発されたF-ABRICという素材で作られ、ファクトリーで快適に仕事ができるようにとスタッフの作業着として誕生しました。素材が土に還るからステキというだけではなく、着心地がよさそうで着てみたいと思うデザインが人気になる理由ですね。
進化し続ける環境に配慮したモノづくり
日本のファッション業界でもサステナブルな取り組みが増えていますが、ブランド立ち上げ当初から、リサイクル素材を生かし、モノづくりを行っているフライターグでは、どのような活動をしているのか、伺いました。
「2011年にチューリッヒのエルリコンに工場(NOERD)を引っ越した際に、製造工程と建物をもう一度1から見直して、よりサスティナブルにできないか原点回帰しました。例えば、環境に配慮した洗浄工程です。現在、工場の屋上に降り注いだ雨水を地下に貯めて、それを使って汚れた幌を洗浄しています。また、電力は、水力発電と太陽光発電を使って(割増しで料金を支払う)いて、排熱発電からの熱の50%を利用して緑豊かな屋上庭園を造り、建物の断熱にしています。バルコニーには、メッシュワイヤーを張り巡らせ緑を這わせて直射日光が当たらないようにしたり、ドアには陽極酸化銅をしようしたり、断熱コンクリート、超大型の断熱窓を使用し、エアコンが必要のない建物にしています」とのこと。リサイクルの素材を使うというだけでなく、モノづくりにおけるエネルギーを少しでも減らす工夫が、すべての工程で行われていることに驚かされました。
フライターグのコンセプトである「サイクルを考え行動する」という理念は、使用済みのトラックタープを使ったバッグにとどまらず、ヨーロッパ諸国内の植物繊維から作られた完全生分解可能な素材を使ったアパレルラインF-ABRICや最新のバッグラインであるTarpOnPET(トラックタープとリサイクルPET素材を使ったバッグ)を発売し、この理念がほかの製品や素材に転用できると確信したそう。今後も、ユニークで楽しいアイテムが登場しそうです。長い間愛用してもらえるようにと、FREITAG STORE TOKYO SHIBUYAには、修理ステーションが設けられています。使い古したバッグを廃棄するのではなく、修理して長く使ってもらいたいという想いが込められたステーションです。
無料でバッグを交換できるサービス
ただ、時にはほかのバッグにしたいなと思うこともありますよね。そんな時は、オンラインバッグ交換プラットフォームS.W.A.P.(Shopping Without Any Payment)サービスを利用しましょう。これは、フライターグのバッグを持っているすべての人が、自分の持っている古い1点物バッグを無料でほかの人と交換できるサービスです。結果的に、誰かがずっと長い間バッグを愛用してくれることになる新しいサステナブルなサービスです。今は店頭に並んでいないものなので、宝探しの気分でチェックするのも楽しいですよ。
もちろん、オンラインストアには4000以上の新作が並んでいるので、お家でゆっくり選ぶことができます。サスティナブルなモノづくりを行いながら、かなりユニークな発想で楽しんでモノづくりをしていることが伝わってくるから、ワクワクするのかもしれませんね。
FREITAG(フライターグ)
https://www.freitag.ch/ja