作業しやすい防水グローブの魅力
私は極度の寒がりで、風や冷たい空気が苦手。夏でも常に長袖を着ているほどで、日常でも特に気温が下がる日にはグローブを持ち歩くようにしている。
寒がりでない人にとっては、グローブは軽視されがちだが、アウトドアでは肌を露出したままだと、作業中にケガをする、ちょっとの寒さで体の動きが鈍り作業が遅くなるなど、活動に支障が出ることも多いので着用をおススメしたい。
しかし、色々な要求を満たしてくれる万能なグローブは見つからず、毎回どれを使うべきかと悩んでいる。今まで何十枚も購入して試してきた。今でも自宅に何十枚も所持している。
グローブは防寒用、フィット感重視、防水性という感じで用途に応じて使い分けている。何の制限もなければ、何枚も持ち歩き都度使い分ければいい話なのだが、現在私が主に行っている登山という活動では必要な持ち物を自分の背中に背負い長時間、不整地を歩くため、出来るだけ荷物を減らしたい。
なので、登山中に持ち歩くグローブは特別な事情がない限り予備を含めて2枚と決めている。
そんな私が、2019年にエベレスト遠征に行く際に一番悩んだのもグローブだった。遠征では、天候などの環境が変わる中での活動が1ヶ月半ほど続く。そんな場所でストレスなく、安心して使うグローブとして何を持っていこうかと直前まで悩みつづけた。
前回行った遠征(マナスル峰登頂)で使用したグローブを持っていこうと考えていたが、それは防寒を第一に考えていたため、作業性がよくなかったという反省点もあり決めきれずにいた。
エベレスト遠征での環境についてもう少し補足すると、歩き始めるルクラ(標高約2800m)という村から登山口となるエベレストのベースキャンプ(標高約5300m)に向かう道は、車道もないため自分の足で歩くしか方法はない。1週間以上は少しずつ標高を上げながら進む。村と村を繋ぐように現地の人々が生活道として使う場所を歩かせてもらうのだが、多少整備された登山道のような雰囲気だ。
そんな場所を毎日何時間も歩く。雨による濡れや寒さ、日焼け、高所による乾燥による皮膚のひび割れなど、些細な影響でも悪化の一途をたどり、後々大事になる事もあるので注意を払う必要がある。そんな環境の中を歩き続け、山に近づくにつれて便利なものは徐々になくなりシンプルな生活となる。
すると生活をする上で、手の感覚が重要な事に今更ながら気が付く。指1つが使えなくなるだけでどれだけ不便になるのだろう、と何気ないことが本当にありがたく思える。話がそれてしまったが、無事ベースキャンプに到着した後もそこから山頂を目指す際には、手を使って登る作業も多くなるため、毎日必ずグローブを使う。凍傷になることはもちろん避けたいが、極地のためすぐに病院に行ける環境ではないので小さな傷も作るわけにはいかない。
そんな状況をカバーしてくれるグローブには防水や防寒性を求めるのだが、そうすると生地が分厚くなり作業性が悪くなる。1枚の手袋に防水・防寒・作業性など多くを求めることは難しい。色々なグローブを試したが「これだ!」というものに出会えることは今までなかった。
そんな悩みを抱えていた出発前のある日、要求に答えてくれそうなグローブに偶然出会ったのだ。これはいけるかもと現地で使う1つに加えた。防寒用としては前回使用したものを準備。そして現地では、出発前に出会ったグローブが大活躍してくれ、順応のために登った6000m峰の登頂時、そして本番のエベレストでもCamp3の7000m付近までは良き相棒となってくれた。
この使い勝手と安心感は実体験で証明できたため、帰国後の今でも使い続けている。新製品もあり、高所遠征のように寒い場所に行くこともない日本での活動では防水性と作業性のみに特化したAQUA BLOCKERの方が使い勝手が良い。
このグローブの最大の特徴は100%防水と透湿性能。レインウェアを想像していただければわかりやすいだろう。防水透湿性の膜を中心にナイロンニットと吸湿速乾性の生地でサンドイッチして3層構造にしたものでグローブを作っている。レインウェアとの違いは作業を違和感なく出来るよう収縮性があるということだ。
登山ツアーのお客様の中にも、雨天時に手袋が濡れて悩んでいる方も多く、寒くて動きが鈍くなったり、やるべき作業を諦めてしまう方もいる。しかし、その諦めが大きなミスに繋がることもあるのでご注意を! そうならないためにも自分にとって、良い相棒となってくれるグローブをぜひとも選んでいただきたい。
元々は、自転車やオートバイやフィッシングなどアウトドアで活動する人のために開発されたものなので、アウトドアで楽しむすべての人にオススメしたいグローブだ!
詳しくはデックスシェルのホームページをどうぞ。
www.Dexshell.jp