キャンプ場で食器を洗うとき、何を使ってますか?
多くのキャンプ場では、一般的な食器用化学洗剤は使用できません。洗い場近くの河川や土壌に悪影響を及ぼす恐れがあるからです。手付かずの自然が残っているキャンプ場ほど浄水設備も簡素だったりするので、配慮が必要です。特に注意書きがなくても、自然に優しい洗剤を使うようにしましょう!
自然に優しい洗剤って?
自然に優しいエコ洗剤には、無添加洗剤、植物洗剤などがあります。油汚れを落とす「界面活性剤」という化学成分が入っていないものがベストですが、それ以外にも「微生物によって成分が分解され自然に還るもの」であればキャンプ場で使用しても問題ありません。
エコ洗剤は自然に優しいだけでなく、使う人の手にも優しい成分でできています。手荒れがひどいという方はご自宅での普段使いにもおすすめです。お子さんが食器洗いをお手伝いしてくれる際にも安心ですね。
おすすめエコ洗剤3選
私が実際に使用したエコ洗剤の中から、おすすめの3つをご紹介します。
フロッシュ(旭化成ホームプロダクツ)
環境への意識が高いドイツで生まれた植物洗剤の「フロッシュ」。ヤシ油や菜種油から作られる洗浄成分でできています。食器洗い後の排水は、自然界の微生物が水と二酸化炭素に分解してくれ、ほぼ100%が自然に還るのだとか。
香りやカラーバリエーションが豊富なのも魅力です。私が使用しているのは天然オレンジオイル配合の「ブラッドオレンジ」ですが、ジューシーな香りが食器洗い中の気分を上げてくれます!手荒れの原因であるアルコールが入っていないのも、うれしいポイントです。
ヤシノミ洗剤(SARAYA)
高い生分解性を持つ、ヤシノミ由来の植物性洗剤。1971年から愛され続けているロングセラー商品です。こちらは香料や着色料を一切使用しておらず、この透明度は精錬度が高いヤシ油を使用している証なのだとか。フロッシュと同じく、食器洗い後の排水は微生物によって素早く分解されます。
ヤシノミ洗剤は野菜を洗うこともできます!実際にスーパーで購入したきゅうりを洗ってみましたが、無香料なので洗い上がりもまったく気になりませんでした。環境にも人にも優しい、安全性・信頼性の高い国産洗剤です。
無添加 食器洗い せっけん泡スプレー(ミヨシ石鹸)
無添加石鹸のメーカーとして有名なミヨシ石鹸。ハンドソープやシャンプーなどのラインナップも豊富で、多くの自然派ユーザーから支持されています。
ミヨシ石鹸の成分は100%純石鹸!界面活性剤も使用されていません。ミヨシ石鹸からは食器洗い用の液体洗剤も販売されていますが、私が使っているのは泡スプレータイプ。エコ洗剤で泡スプレータイプを採用しているメーカーは珍しいのではないでしょうか?
泡スプレーのメリットは、あたりまえですが「泡」で出ること!時短になりますし、継ぎ足しも楽ちん。何より、冷たい水に触れる回数を減らせるので、真冬のキャンプ場ではかなりありがたいです。
※石鹸も界面活性剤の種類の1つですが、「家庭用品品質表示法」では、石油や油脂などを化学的に合成したものを「界面活性剤」と表示しており、「石鹸」とは区別されています。
エコ洗剤も種類はさまざま
無添加のものやノンアルコールのもの、泡タイプのものなど、特徴はそれぞれです。野菜なども洗いたい方は無香料のもの、逆に香りで気分を上げたい方は香り付きのものを選ぶなど、それぞれの好みや用途によって使い分けてくださいね。
エコ洗剤というと泡立ちがいまいちと思われがちですが、私が試した上記のものに関してはそのような印象は受けませんでした。気になる方には泡タイプがおすすめです!
キャンプ場での食器洗いには工夫が必要
実際のところ、エコ洗剤かどうかに関わらず、お湯が出ない状態で油汚れを完璧に落とすにはかなりエネルギーがいります。特にプラスチックの食器はヌメリが取れにくいので強敵です。
対策としては「洗剤で洗う前に新聞などで軽く拭き取っておく」「油汚れが固まる前に予洗いしておく」「洗剤を溶かした水につけておく」「お湯を沸かして洗う」などの方法があります。
泡立ちの弱さが気になるときは、目が粗く、空気を含みやすいスポンジを使うと効果的です。泡立ちがよければ自ずと使用する洗剤の量が減るので、環境への配慮にもつながります。
また、キャンプ場での洗い物は簡単にすすぐか拭き取る程度にとどめ、帰宅してから洗剤で油汚れを落とすというのも一つの方法です。
キャンパーにとって自然は大切な遊び場です。ずっと変わらぬ環境を守っていくために、自然に対する思いやりを忘れずにいたいですね。