遠方から登山に向かうとき、登山口近くで前泊できたらもっと楽なのにと思うもの。またトレイルランニングの後に、シャワーを浴びてサクッと1泊してから翌日帰宅プランもできたらなんて思う人もいるはず。そんな人にピッタリなホステルが、2019年12月に山梨県の韮崎にオープンした。
八ヶ岳や南アルプスへのアクセスに程よい、中央本線の韮崎駅。ここから徒歩約5分圏内にできたのが、アウトドア向けのホステル「chAho Hostel Nirasaki / Outdoor Base 」だ。
名前は元お茶屋さんから取って「茶舗=chAho」
築50年のビルをまるごとリノベーション。元々は「茶舗」というお茶屋さんが入っていた建物だった。そこでホステルの名前も「chAho」に。 しかしなぜ韮崎に、ホステルを作ろうと思ったのだろうか。
「山梨の良さをもっと体験して欲しいという想いからです。国内だけでなく、海外からの旅人にもぜひ来てもらって、1泊でも数日間でも良いから滞在して体感して欲しい。とりわけ登山へのアクセスも良い韮崎は、アウトドアをテーマにしたホステルを作りたいと思いました」とオーナーの野田寛さんは話す。
では早速、ホステルのなかに入ってみよう。
「茅ヶ岳」「甘利山」など部屋の名前もユニーク
建物のエントランスにはオリーブの木など鉢植えが並び、一見するとオシャレなセレクトショップのよう。扉を開けると、Helinoxのチェアやテーブルが配置され、小さな薪ストーブからはちりちりと炎が揺れているのが見える。入って右手は、Houdiniのウェアや、ボトル、サコッシュなどのアウトドアアイテムが販売されている。トレイルランナーの”ヤマケン”さんこと、山本健一さんのプロデュースによるセレクトだそう。
この共有スペースでまず、チェックインを済ませよう。
chAhoには本館と別館みよしの、ふたつの棟がある。本館の1階奥に、共有のキッチンスペースがあり、その奥に共有トイレ(1つ)と洗面台(3つ)とシャワー室(3室)が続く。
本館2階は、ドミトリーと和室の部屋だ。部屋のネーミングもユニークで、「茅ヶ岳」「観音岳」など山梨県界隈の山の名称が並ぶ。
別館みよしには、テレビ付きのダブルとツインの個室があり、ビジネス利用にも適している。 スタッフはチェックイン後〜チェックアウトまでの間は不在になる。建物の出入りはボタン式のロックなので、カギを忘れる心配もなし。
建物の古さを生かした天井や窓枠など、コンクリートや古い鉄がそのまま利用されていて、そこに木をふんだんに使ったベッドやラックなどがあり、居心地バツグンだ。 実際に泊まってみて感じたのは、ベッドにはそれぞれシーツや枕カバーが用意されていて清潔感もあり、枕元には充電に便利なコンセントも完備。貴重品を入れられる鍵付きのボックスもあって安心だし、ベッドごとにハンガーも用意されているからフリースやレインウェアも掛けられて便利。
木枠のベッドもゆったり広く、ぐっすり眠ることができた。 シャワー室や洗面台もコンパクトだが快適。使い捨てになるが、アメニティ(歯ブラシ、カミソリなど)も用意があるので、いざ持参するのを忘れてしまっても間に合わせることができる。キッチンには冷蔵庫やIHもあるので、お湯を沸かしてお茶を入れてボトルに入れることもできるし、ビールを持ち込めば共有スペースで飲むこともできる。気負うこともなく、気持ちよく過ごせるスペースに大満足。
韮崎がこのところ熱い!
宿には朝食や夕飯はついていない。食べる場所に困るのではと思われるかもしれないが、実はこの韮崎エリア、ここ数年で若い世代が集まってきて、カフェや飲食店、居酒屋やバーなどの新店舗がオープンしつつある。その中心的存在としてあるのが、中央本線の電車の窓から見たことがあるかもしれないあの、「アメリカヤ」だ。
「アメリカヤは、もともと飲食や雑貨類を扱う複合施設でしたが、約10年前に廃業してしまったんです。そこを建築士の千葉健司さんが買い取り、リノベーションを進めました。この計画に賛同した若い人たちが少しずつ韮崎に集まってきて、カフェや居酒屋をオープンし始めています」と野田さん。
「これからますます楽しみなエリアになっていきますから、ぜひいらしてください」(野田さん)
前泊でも、登山後でも、自分の別宅のような気分でサラリと利用しやすいホステル。ぜひ一度宿泊してみてほしい。
chAho Hostel Nirasaki / Outdoor Base
〒407-0023 山梨県韮崎市中央町10-22
Tel: 0551-45-7556
Email: info@chaho.jp
https://chaho.jp/
チェックイン 16:00-23:00 / チェックアウト 10:00