バーナーやランタンに不可欠な燃料について解説!
キャンプに詳しい専門家が、素朴な疑問やちょっとした雑学を紹介する連載。通勤の時間や昼休み、空いた時間にぜひ読んでみてください。
【質問】燃焼器具にホワイトガソリンを使用する人が多い理由を知りたい。
viblant 代表の石角です! 今回はホワイトガソリンを使う理由について説明します。
ランタンやシングルバーナーで使用する燃料はホワイトガソリン、灯油、ガスの3種類が主流となっています。ガスは使いやすさという大きなメリットがあるので、それは一旦置いときます。
ホワイトガソリン、灯油の2種類の代表的な液体燃料に絞った時に、ホワイトガソリンのユーザーが多いのはなぜか? というところを堀下げてみます。
まずは気になるお値段を見てみましょう。
値段(1ℓあたり):ホワイトガソリン=980円前後、灯油=50円前後 (2020年5月15日現在)
このようにホワイトガソリンの方が圧倒的にお値段は高いのです。1ℓあたりに直すと約20倍! 次に発火点です。これは、そこに達すると自ら発熱反応を起こして発火する温度を言います。
発火点(引火点):ホワイトガソリン=マイナス40度、灯油=50度
ホワイトガソリンは低い温度でも発火することから、灯油のほうが安全な燃料であると言えます。では、なぜホワイトガソリンのユーザーが多いのか。その理由を説明します。
理由その①:コールマンという絶対的安心感
使用する燃料で大きく違うのは、大きくお国柄を分類すると「ホワイトガソリン=アメリカ系ブランド、灯油=ヨーロッパ系ブランド」のようになります。日本のキャンプはアメリカ圏の影響を大きく受けています。中でも代表するブランドがコールマンです。
生産量、歴史、知名度などアメリカを代表するアウトドアブランドが110年以上もつくり続けているホワイトガソリン燃焼器ですから、絶対的な安心感がありますね。
理由その②:引火点の低さゆえの使いやすさ
ホワイトガソリンは灯油に比べて引火点が100度近くも低いです。
なんか危なっかしいなあ……という印象を持たれるかもしれませんが、灯油もガスも正しく使えば危険性は減少します。どんな燃料も使い方、保管方法など正しい知識で正しく付き合うことが求められるのは同じであるということが大前提になります。そのうえで「ホワイトガソリンの何が使いやすいの?」というと、ホワイトガソリンはポンピングをして、バルブを開いてそのまま点火できます。
対して、灯油を使う道具は、まずプレヒートという工程を行います。ここで燃料とは別にアルコールを用意する必要があります。灯油は安いけどアルコールを別に購入して持ち運ばないといけないという面倒があります。ペトロマックスなど、プレヒート用のバーナーがついていてアルコールの持ち運びが必要ない場合もありますが、いずれにせよプレヒートという儀式が1つ増えてしまいます。
燃料を入れるところから点火まで、ホワイトガソリンランタンは3分だとすると、灯油ランタンは5分とちょっと手間がかかってしまいます。差は僅かですがランタンが2台で、コンロがあって……など道具が増えていくほど、この差が広がってきてしまいます。
また、その日の気温が低かったりするとプレヒートは長めにする必要があり、時間は一定ではありませんのでご注意ください。
理由その③:お手入れが簡単
灯油は性質上、煤(すす)が発生します。この煤がヴァポライザーという部品を詰まらせてしまうので、時々お掃除が必要です。
これに比べてホワイトガソリンは、ジェネレーターの中にカーボンが溜まることはありますが、これはかなり使い込んだ時にいずれ発生するものなので、頻繁なお手入れはありません。部品代とか工賃はホワイトガソリンの方が経済的だと言えます。何よりメンテを気にしないでいいというのはホワイトガソリンのいいところです。
近頃、冬場もキャンプをする方が増加、これにより灯油のストーブを持ち込む方が増加したことで燃料の統一という観点から灯油系の燃焼器も人気が出てきています。
ただ、プレヒートなしで安全に点火できるという面で見るとホワイトガソリンの楽ちんさという部分がユーザーの多さではないかと思います。
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