家でも外でも熱中症対策。「塩レモン」で無添加スポーツドリンクを手作りしよう!
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    2020.07.13

    家でも外でも熱中症対策。「塩レモン」で無添加スポーツドリンクを手作りしよう!

    私が書きました!
    料理研究家
    小牧由美
    東京のフードビジネス業界で20年以上活動。その間、ヴィーガンカフェの店長を務め、レシピ・商品開発から体調改善に特化したメニューを考案し、カウンセリングにも従事。現在は、一人一人のライフスタイルに合わせたカラダを整える食事やセルフケアの方法の提案、オリジナルレシピの創作、商品開発をおこなっている。http://yamabon.jp/

    「塩レモン」でスポーツドリンクを作ってみよう!

    「今年の夏は平年より気温が高い」と向こう3か月の予報が発表されました。熱中症対策のひとつとして今年の夏はスポーツドリンクを手作りしてみませんか?自家製のスポーツドリンクを作ることの最大のメリットは、「自分のコンディションやライフスタイルに合わせて、個々で味の調合ができる」ことではないでしょうか。いつもより活動量が多い日は塩分量を多めに、集中力が必要な時や屋内の作業には塩分を控えて糖分を多めにしたりと、その日の予定に合わせたり、体調に合わせたスポーツドリンクを作ることができます。スポーツドリンクは水、塩、甘味料で簡単に作ることができますが、ここでは、ひと手間かけた「塩レモン」を使ったスポーツドリンクの作り方を紹介します。

    いまさら聞けない「塩レモン」ってナニ?

    塩レモンは、別名「発酵レモン」と呼ばれ、レモンを塩漬けにして発酵させた、北アフリカを中心に親しまれている発酵調味料です。日本では、10年ほど前、モロッコのタジン料理の調味料として有名になりました。塩レモンの本場モロッコでは、主に魚や肉の臭み消しや香りづけとして、レモンの皮のみが使われることが多いようですが、日本では、レモンの皮や果肉はもちろん、塩漬けに使った塩や上澄みの液体(エッセンス)すべてを調味料として使います。

    「塩レモン」は初夏から夏におすすめ!

    「塩レモン」は初夏から夏にかけてとくにすすめたい調味料です。その理由には、以下の3つがあります。

    塩レモンをすすめる3つの理由

    ①レモンに含まれているビタミンCを摂取することで身体の中から紫外線対策ができる。
    ②雨や湿度、夏バテなど、この時期の疲れをレモンによるクエン酸の働きによって緩和することができる。
    ③食欲がない、胃が痛い、そんな不調が出やすい時期、レモンの酸味と塩分の刺激によって食欲不振や消化力を上げる効果が期待できる。

    「塩レモン」は発酵食品~ダイエット効果も!

    塩レモンは発酵食品です。乳酸菌の働きによって乱れがちな腸内環境の改善、便秘解消など、「塩レモン」を摂ることで、この時期特有のさまざまな不調の改善が期待できます。さらにクエン酸には、脂肪を分解する働きがあるので、ダイエットにも繋がるという、うれしいおまけもついてきます。

    自宅で簡単に作れる「塩レモン」

    では、ベースとなる「塩レモン」の作り方を紹介します。

    「塩レモン」の作り方

    材料と保存しておくガラス瓶。

    材料

    国産レモン(無農薬のもの) 5個くらい
    天然塩(柑橘の10~15パーセント)
    ※粗塩がおすすめです。

    道具

    耐熱の広口のガラス瓶(750ml以上のもの)

    準備しておくこと

    鍋にたっぷりの湯を沸かして、保存するガラス瓶を5分ほど煮沸消毒し、自然乾燥しておきます。

    レシピ

    ①レモンを洗います。レモンは、粗塩(分量外)を少量の水でのばしたものでこすり洗いし、流水できれいに洗います。
    ②レモンをカットします。レモン5個に対して2個分を7mmほどの輪切り、1個半くらいを乱切りとくし形に切り分けます。

    5個のレモンを切り分けます。

    ③煮沸消毒し、自然乾燥しておいたガラス瓶を用意します。瓶の底に底が隠れるくらいの塩を入れます。

    煮沸消毒したガラス瓶は必ず冷めてから使います。

    ④底に入れた塩を覆うようにレモンを入れます。

    底に塩を入れ、レモン→塩→レモン→塩の順番で。

    ⑤この作業をレモンがなくなるまで交互に入れていきます。

    レモンも輪切り、乱切り、くし切りの割合もバランスよく入れます。

    ⑥塩、レモンと交互に入れていき、最後は必ず塩で終わるようにします。

    最後は塩でふたをするように。

    ⑦瓶にふたをして冷暗所で1週間ほど保存します。

    直射日光が当たらない冷暗所で保存してください。

    塩レモンの3つの成分は、それぞれ便利に使えます

    この時期の塩レモンはスポーツドリンク以外にもおすすめの使い方があります。

    左から、【塩】、【エッセンス】、【果肉】です。

    3つの成分、それぞれの使い方

    【塩】塩おにぎりの塩として使うとさわやかな風味のおにぎりになります。抗菌作用があるので、食中毒予防にもなっておすすめです。
    ※そのまま使ってもいいですが、天日に干したり、フライパンで乾煎りすると使い勝手がよくなります。

    【エッセンス】そのまま使います。ドレッシングはもちろん、スープに少量加えればアジアンテイストの風味になります。パクチーとの相性はバツグンです。

    【果肉】皮ごと刻んできゅうりなど夏野菜を浅漬けにするのがおすすめです。
    ※果肉は塩気を強く感じる時には、水でさっと洗って使います。

    塩レモンは、時間が経つほどに、まろやかな風味と芳醇な香りを楽しめるようになります。

    国産無農薬のレモンが手に入らないときは?

    今回は、国産無農薬のレモンを使って「塩レモン」のレシピを紹介しましたが、レモン以外の柑橘類でも同じように作ることができます。輸入品のレモンを使って作ることもできますが、その場合は防カビ剤などが付着していることが多いため、皮は必ず取り除いて作るようにしましょう。

    「塩レモンで作る自家製スポーツドリンク」レシピ~「経口補水液」にも

    【材料と分量の目安】

    ●水500mlに対して
    塩レモン:「エッセンス」なら大さじ2~3程度まで。
         「塩」なら1.5gまで。
         「果肉」なら細かく刻んで大さじ1~2程度。
    甘味料:(はちみつなど)40gまで

    作り方

    ①500mlの水を保存容器に入れます。
    ②100mlほどの水を別容器に入れ、塩レモン(この時はエッセンスを使用)と甘味料(はちみつ)を少量ずつ加え、①に入れその時の最適な味に仕上げます。

    少しずつ入れるのがポイントです。

    ③味が整ったら容器に入れ蓋をして冷やせば、できあがりです。外出時、氷を入れる場合には濃度が薄くなるので、作る際に少し濃いめの濃度に調整します。

    作り方のポイントは、まず水に少なめの塩レモンを入れます。味をみて、「甘味を感じるくらいの塩分量」にします。その後、適量の甘味料を加えればできあがりです。この作り方なら、塩分過多、甘味料過多になる心配なく作れます。

    体調や天候などの要因で、人それぞれが欲する塩と甘味料の割合は日によって変わります。塩レモンの自家製ドリンクは、その時、その日の自分のベストな塩味や甘味で作れることができます。ただし、塩と甘味料の割合は下記のスポーツドリンクの塩と砂糖の割合を参考に、この範囲内で作るようにしましょう。

    【スポーツドリンクの塩と砂糖の割合】

    ●水1000mlに対して
    塩:1g~3g
    甘味料(はちみつなど):40g~80g

    ※経口補水液として作る場合は、塩3g、甘味料は40gです。

    熱中症対策には常温より冷たい水分を取りましょう

    水分補給は、「純粋な水」が基本です。純粋な水とは、「味のついていない水分」、「カフェインを含んでいない水分」のことをいいます。スポーツドリンクの飲みすぎには注意しましょう。適度な水分補給で汗のかける身体を作り、気持ちのよい汗をかいて、日本の高温多湿の初夏、夏を快適に過ごしましょう。

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