BE-PAL2月号の連載、FIELD SNAP vol.4で紹介したイベント「タケマルシェ」。今回はWEBにて、紙面では紹介しきれなかったマルシェのようすを詳しくレポートします!
なぜ、うどん屋さんがマルシェを開くの?
京都市綾部市で定期的に開催される「タケマルシェ」は、地元の人気店「竹松うどん店」の若き店主、竹原友徳さんが主催するマルシェ。なぜうどん店の主である竹原さんがマルシェを開催しようと思ったのか。そのきっかけについてお話しを伺いました。
「綾部でお店をはじめる前、日本全国を巡るうどん修行の旅をしたんです。軽ワゴン車にうどん道具一式を積み込んで、行く先々で自分の打ったうどんを食べてもらう武者修行の旅です」。
大学生時代、四国を旅したときに食べた讃岐うどんのおいしさが忘れられなかった竹原さんは、大学卒業と同時に香川の老舗うどん店に弟子入り。3年の修行を経て故郷である綾部での独立を決意しますが、その前に自分のうどんを全国の人に食べてもらうため旅に出たのだといいます。
(詳しい旅の紹介記事は『BE-PAL』2007年5月号に掲載)
「その旅の途中、日本各地のマルシェやマーケットに出店させてもらったんです。人が集まって、おいしいものを食べて、みんなが笑顔になれる……。いつか自分もマルシェをやりたいと思いました。それに、マルシェを主催するとたくさんの人と繋がることができますし、来てくれたお客さん同士の出会いや交流の場にもなりますよね。それがマルシェをやろうと思った理由です。」
この日も会場には、竹原さんを中心に繋がる出店者さんのブースが並び、多くの来場者で賑いました。
次ページでは、マルシェの出店者さんを紹介!
岡山県倉敷市から来た「つるかめ屋」の別府由紀子さん。布の端材などをツギハギして服を作る作家さんで、各地の音楽フェスなどにも出店されています。竹松うどん店には古い蔵を改装したギャラリースペースもあり、この日はちょうどそのスペースで展示会も開催されていました。
京都府舞鶴市で自給自足の暮らしを実践する村本さんファミリー。インドの自然療法アーユルヴェーダで用いられるトゥルシー茶やハスクトマトというフルーツのジャム、自家製焼き菓子や調味料などを販売。家族全員がメンバーのバンド「THE FAMILY」としてステージで演奏を披露する一幕もありました。
同じく京都府舞鶴市のタイ料理屋さん「Fon Din(フォン ディン)」が販売するのは、マルシェ当日限定販売の竹松うどん店とのコラボメニュー、「タイ風あんかけうどん」。奥さんの恭子さんは無農薬&フェアトレードのコーヒーとオーガニックスイーツを販売。ふたりは数年前に舞鶴に移住したのだそうです。
次ページでは、マルシェのお客さんをレポート!
3年前に千葉県からの移住を決意したという書道家の草刈さん。綾部に暮らす知り合いの和紙作家の家を訪れた際、「綾部はいいよ〜」と勧められたのが移住のきっかけになったのだとか。
「僕と同年代で綾部に移住する人は、手に職がある人が多いですね。田舎ですが、手に職があれば綾部はとても暮らしやすい町です」と正年さん。
小さい赤ちゃんと一緒に来場されていた陶芸作家の秋田さん。
「綾部には3年前に移住してきました。綾部には同年代の作家が多く暮らしているので、移住に対する躊躇は不安はなかったですね」。
綾部市はいま、若い世代の移住先として人気エリアになっているようですね。いわゆる「Uターン移住者」の竹原さんが主催する「タケマルシェ」は、移住者同士だけでなく移住者と地元の人々を繋ぐ、地域の新しいハブとしての機能を果たしていました。
「タケマルシェ」は数字に5がつく土、日、祝日(1〜3月は休み)に開催されます。次回の開催は5月5日(祝)です!
【店舗情報】
竹松うどん店
京都府綾部市志賀郷町儀市前13
0773-21-1665
http://ameblo.jp/takematsuudon
文=加茂光 撮影=田中舞