菜園の種まきや苗の植え付けの多くは、春先と秋口に集中します。まだ小さな野菜の芽や苗は暑さや寒さに弱く、関東の平野部であれば春はGW前後、秋は9月中旬ごろが最適期になるものがほとんどです。
今から野菜を育ててみたいけど、無理かな? いいえ、そんな方へオススメの簡単な方法があります。それが「再生野菜リボべジ」です!
そもそも再生野菜リボべジとは?
再生野菜とは、調理の際に普段なら捨ててしまう野菜の根や芯を、水耕栽培やプランターでもう一度育てたもので、リボベジ=リボーンベジタブルとも呼ばれています。
育った芽は、元の野菜と遜色なく美味しく食べられるものもありますし、その成長を見るだけで、グリーンインテリアとして楽しませてくれます。
大根やニンジンの葉などは普段食べる部位ではありませんが、実は栄養価に優れています。再生野菜にはどんな野菜が向いているのか、早速お家の冷蔵庫を覗いてみましょう。
再生できる野菜のポイント
再生野菜はどんな野菜でも育てられるわけではなく、条件があります。それが成長点と根があることです。
1つ目の成長点とは、植物の葉が生まれる部位で、放射状に葉の付いた野菜ならその中心、枝状に伸びる野菜なら葉の付け根などにあります。基本的に植物はこの成長点がなければ、すぐに葉が展開しません。
2つ目の根について。スーパーに並ぶほうれん草や小松菜といった葉物野菜は、根が付いているものと茎のギリギリで切られているものがあります。これは根が付いているもののほうが再生しやすいです。
大根や人参のように根茎を持つものは、首の部分を1cm以上残して切るのがおすすめで、これも余裕を取るほど葉が展開しやすくなります。
再生野菜リボべジを上手に育てる3つのポイント
実際に再生野菜を水に浸けてみましょう。ここでもいくつか注意が必要です。重要なポイントは3つ。
1つ目は、成長点が水上に出ていること。葉が展開し光合成を行うためには空気が必要です。細い茎状の根であれば、数本まとめて束にしたり、何か支えを作って、水の中に沈んでしまわないように注意しましょう。
2つ目は、根が水にしっかり浸かって給水できる状態にあること。特に大根や人参などは、平らな容器にそのまま入れると、断面が容器に密着し水分が吸いにくくなります。爪楊枝などを間に挟んで水の通りをよくしてあげましょう。
あとは成長を待つだけ……と言いたいところですが、暑さが厳しい季節にはもう1つ注意してください。それは水の管理です。
小さな容器に張られた水は、夏の日差しであればものの1時間で高温となってしまいます。葉をしっかり育てるためには日差しは必要ですが、暑い時期は、直射日光の当たらない明るい場所に置いてあげましょう。
また温度が高ければ水の傷みも早くなります。必ず毎日1回、換水を行いましょう。
再生野菜リボべジを観察しよう
水に浸けて1週間ほどで、だいぶ野菜が再生してきました。見て楽しむのであればこのままでOKですが、もう一度食べるのであれば、収穫時期に注意が必要です。
例えば豆苗は、驚くほどの速度で再生しますが、10cmも伸びると茎は筋張っていて食べるのに苦労します。食べる場合は頭頂部だけを摘んで調理するのが良いでしょう。大根やニンジンは可食部と再生部は別の部位ですが、ちょっとした料理のアクセントに映えます。特にニンジンはパセリの代用として使えます。
ただしどんな再生野菜にしろ、加熱して食べるのが安全です。
同時並行で育てているベランダ菜園のほうは…
5月に植えたミニトマトたちはすっかり成長し、最初の花房から数えて6つ目まで花をつけ、実も少しずつ赤く染まり始めました。3本に分けた側枝も順調に育っています。前回の記事「トマトや葉野菜など、ベランダ菜園を”害虫から守る方法”」はこちらをご覧ください。
三脚縛りで支柱を立てているので、草姿もとてもコンパクトにまとまっていて、これならベランダ菜園でも邪魔になりません。
菜園は、人に最も身近な自然遊びのひとつ。虫がついたり、葉が枯れてしまったり。一筋縄ではいかないところもまた、楽しみの1つです。美味しいトマトの収穫まであと少しです。次回をお楽しみに!
※現在発売中のBE-PAL8月号「自宅で簡単!プチ家庭菜園」特集でも、再生野菜リボべジとベランダ菜園、スプラウトの育て方、などを紹介しています。ぜひご参考に!