創業130年。不変のデザインはアウトドアナイフの登竜門
気持ちいい景色を眺めながらリンゴの皮を剥く。落ちてる小枝をちょっと削って遊んでみる。そんなとき絵になるのが、フランス生まれの「オピネル」。1890年に誕生して以来、その代名詞であるポケットナイフは、不変のデザインを誇り、まさにアウトドアナイフのど定番。
右はNo.10にコークスクリューが付属したもの。中央はキッズのファーストナイフとして先端を丸くしたタイプ。左は王道No.8でオピネル本社を取材時に名入れしてもらったモデル。
「アラスカ旅のときはプラスチックの柄が実用的なスパイダルコ、山での縦走にはプライヤーがあるレザーマン。で、ちょっとしたハイキングにオピネルを携行していくかなぁ」
と、アウトドアライターの村石太郎さん。必須ではないけれど、ちょっと食材を切ったり、袋を開けたり。日常生活に一本あると何かと役立つ。本国フランスでは、街の金物屋から高級デパートまで扱っている庶民的ナイフで、まさに仏版肥後守だ。
「利便性はもちろん最新のナイフのほうがいいんだけど、持っていて楽しいし、味わいがある。男っぽくないところが、かえっていいのかも」
プラスチックは劣化していくだけだが、オピネルの木のハンドルは、使い込むほど味が出る。
「じつは一時期、時代遅れな気がして使わなくなったこともあるんだけど、なんか最近、やっぱいいなぁって。不変の物には不変の魅力がある」
30年ほど前はカーボン刃のものしかなく、濡れると開かなくなるのが難点だったが、いまはステンレスが主流で手入れも楽になった。男性の手になじみやすい全長19・2㎝の№8は、いまでもアウトドアナイフの売れ筋で一、二を争う。
「この刃が好きなんですよ。硬すぎず柔らかすぎず。何を切っていても使い心地がしなやかで、手になじむ。だからついつい持ち出しちゃうんです」
ピクニックに携行したい
料理用ミニマムセット
マイクロファイバーのキッチンタオルにカッティングボード、刃の形状が異なるナイフ3種をセット。ワインオープナー内蔵のナイフ、波刃のパン切り、野菜の皮むきに便利なピーラーと、これでキャンプ調理もお任せ。
コークスクリューNo.10 ●刃長=約100㎜●重さ=約75g
ブレッドナイフN0.12 ●刃長=約120㎜●重さ=約112g
ピーラーNo.6 ●刃長=約60㎜●重さ=約22g
最新鋭の機能を装備した
ブッシュクラフトモデル
実用重視の水に強い樹脂製ハンドルタイプも登場。ハンドルの先端はホイッスルとして使用できるほか、ファイヤースターターが内蔵され、金具を引き出せばカッティングフックも飛び出す。防災用として常備しておくのも手。
●全長=約260㎜●刃長=約100㎜●重さ=約175g
家でもアウトドア気分を満たす
キッチンシリーズ
サイズや用途がさまざまなキッチンシリーズも充実。BBQでも活躍するカービングフォークや、カーブした波刃で食材が切りやすいブレッドナイフ、普段の調理に最適な錆びにくいサントクナイフなど。柄はブナ材を使用。
カービングフィーク●全長=約300㎜●重さ=約93g
ブレッドナイフ●刃長=約210㎜●重さ=約107g
サントクナイフ●刃長=約170㎜●重さ=約155g
問い合わせ ハイマウント03(3667)4545
※構成/大石裕美 撮影/山本 智
(BE-PAL 2020年6月号より)