“シンデレラフィット” とは、その名の通りシンデレラのガラスの靴のごとく何かと何かがぴったりフィットすること。コンパクト化や軽量化はもちろん、そして自分だけのシンデレラフィットを見つけた時の快感は何にも代えがたい特別な瞬間だ。
個人の趣味嗜好のままに楽しむソロキャンパーにおいてのシンデレラフィットは、ジャンルも方法も用途もニッチかつ多岐にわたるので、この楽しさはより深みにはまってしまう世界が待っている。今回は考え方や見つけ方を、例を出しながら紹介するのでこの深みを楽しんでみてほしい。
シンデレラフィットの境界線
シンデレラフィットと似ているようで非なるものとして、「入れ物(ケース)」がある。例えば、ブッシュクラフトの小物が全てを収納しているのは「入れ物」で、「シンデレラフィット」は、クッカー内にぴったり入るシングルバーナー用のOD缶のように、モノがぴったり収まるのがポイントになる。
もちろん、小物類がいくつも詰め込まれたケースにはまた別の魅力があるので個人的にも大好きだけど、シンデレラフィットからは今回は外しておく。これはあくまでもシンデレラフィットを楽しむための境界線なので、余り気にしすぎて楽しさを半減させないのがコツ。
シンデレラフィットを探すための法則
自分だけのシンデレラフィットを見つけるには、いくつか知っておいてほしいことがある。紹介する3つのポイントを参考にしてみてほしい。
1:値段や素材、人気度、元々の用途にとらわれない
値段や人気度、元々の用途などという情報はすべて取り払ってみよう。柔軟な考えと、「とりあえず合わせてみる」という行動力がものをいう世界なのだ。
2:メーカーを越えた組み合わせ
アウトドアメーカーが出している様々な製品は、精密な計算のもと充実した機能でつくられているものがほとんど。でも、それが自分にベストとは限らない。メーカーを越えた自分の用途に合った組み合わせを探してみよう!
3:目的を持った組み合わせ
ただなんでもフィットすればいいという問題ではないのがシンデレラフィットの世界。組み合わさったものどうしが目的の用途に合っているからこそ面白みがあるというもの。「料理セット」「保護ケース用」など、自分の用途や目的に合った組み合わせを探してみよう。
僕が見つけたシンデレラフィット
1:缶詰料理専用クッカー
缶詰を直火やバーナーにあてて”ちょい足し料理”をしながらちょっと一杯…。理想のソロキャンプスタイルだけど、実はどの缶詰メーカーに問い合わせても、返答は「直火NG」だった。ロウソクの火で温めるのは可能だが、それではちょい足し料理には向かない。そこで見つけたのが、缶詰とジャストフィットする入れ物だ。これなら缶詰感も損なわないし、安心して缶詰料理ができるのだ。
2:ランタンケース
お気に入りのランタンを多少雑に扱っても大丈夫なケース。でも、硬すぎず、大きすぎず、ケース内でランタンが揺れないぴったりのものを探していたときに見つけた組み合わせ。つねに2つ持って行くためのもので、このために生まれたといっても過言ではない相性を見つけた。
3:コーヒー&ビールセット
保温/保冷ボトルと、缶クーラーがセットになった、いつでも「温かい(冷たい)コーヒー」と「キンキンに冷えたビール」の両方を楽しめるキット。ボトルの太さと缶クーラーの内径がぴったりのまさにシンデレラフィット。コーヒーはボトルから、ビールはクーラーボックスから取り出したら缶クーラーに装填する。
シンデレラフィットは、何でも新しく買うというよりも今ある自分のギアから新しい組み合わせを探すのがオススメ。もしかしたら眠っていたギアの復活に繋がるかもしれません。
千差万別、十人十色、皆さんも自分だけのスペシャルなフィットを自由に探してみてください!