まだまだ寒さが続く冬のある日、父子揃って野良仕事。軽快な歌声とともに〝トントントン〞。わらを叩く音が響きます。ひと仕事終えたふたりには、とっておきの納豆(!?)が待っていました。
わらはいわずと知れた、イネの副産物。昔から農家では、冬の農閑期に家の土間でわら細工に精を出し、むしろやみの、縄、雪靴などが作られていた。
「昔は材料が、わらしかなかったから、冬中わら叩きして使っていたんですよ」
それが今では、なかなか手に入らない稀少素材になった。
「わらは特別。手に入る季節も限られてるし。しかも、機械で刈ると粉砕しちゃうから、手で刈ったわらじゃないと使えない。手作業だから農薬にまみれたわらは使いたくないし、わらってまさにエコの象徴ですよ」
そんな貴重なわらを、まず丁寧に下準備し、クラフトに使える素材として仕立ててエコアイテムを作ってみましょう。
わらの下準備
束を持ち、根元を下にして振り、ごみをよく落とす。
手ですいて、余分なはかまやごみを再度落とし、芯の状態に。
サッと水に濡らして新聞紙に包み、1〜2時間なじませる。
根元を揃えて、下のほうから少しずつ叩いて柔らかくする。
エコなポシェットの作り方
わらを並べ、中央を図のように3か所、わら4本1組にして、わらひもで編む。これがバッグの底面になる。
図のように、両サイドの各6か所にわらを差し入れ、半分に折る。これがバッグの側面用のわらになる。
わらを折って立ち上げ、底面同様、4本1組にして編む。仕上がりサイズの箱を当てると楽。
立ち上がり部分は矢羽根風になるようもう1周編んで補強。側面の3か所も4本1組で麻ひもで1周編む。
縁を作る。4本1組にし、図のように隣の組みに掛けて外側に倒す。これを1周繰り返す。
外側に出したわらを、さらに隣のわらに巻きつけて固定したら、余りを切って、縁を整える。
縁に革のベルトを通せば、ポシェットの完成!