5月にプランターに定植したミニトマトは、2ヶ月経ってすっかり育ち、赤い実をつけ始めました。これだけでも毎年自然の神秘を感じてしまいます。
しかし、油断は禁物。せっかく育ったミニトマトを夏まで豊作にするためには、いくつかのコツがあります。家庭菜園、ベランダ菜園ならではのメンテナンスで、美味しいミニトマトを堪能しましょう。
そもそもトマトってどんな野菜?適した環境を考えよう
トマトは南大陸アンデス山脈の高原地帯がルーツと言われています。食用野菜にはアンデス原産のものが多く、ジャガイモ、インゲン豆、かぼちゃ、トウガラシなどもアンデス原産です。気候は寒冷で乾燥、日中は強い日差しと気温が保たれます。
日本の環境に照らし合わせると、平地の定植時期である、5月〜7月下旬ごろは生育に適していると言えますが、湿度の高い梅雨時期、そして猛暑の8月は苦手な野菜です。
幸い、トマトにはあまり葉を食害する害虫はつきません。しかし、病気には弱く、特に多湿によって被害を受けやすい特徴があります。
実際、今回のミニトマトも被害を受けています。今年は特に雨が多く、なおかつ、我が家はガラスの仕切りがあるベランダで育てているため、風通しも悪く、少なからずの葉がいくつかの病気の兆候を見せました。しかし、実付きは落ちずになんとか維持ができています。では、実際にどんな対策を取ったかというと……。
ミニトマトを病気から守る、たった1つの手法
ずばり、農薬を使いづらいプランターのトマトの病気を抑えるには、病気にかかった葉を切り落とす、この一択につきます。
植物は、緑の葉で光合成をして栄養を合成しています。とは言え、葉がなければ育つことはできませんので、切り落としすぎは禁物なのですが、写真のように、病気が入ったばかりであれば、温床をそのまま放置するより、切り取ってしまった方が被害は少なくて済みます。
もちろん、病気の原因は環境にあります。湿度が原因であれば、風通しを良くしたり、湿度を下げられれば一番良いのですが、ご家庭ではなかなかそうもいきません。
葉を切除する位置の目安は?
葉の切除の目安として、私は「葉の半分の緑色が失われた時点」としています。
葉が萎れてしまうような病気の場合は、萎れた時点。葉が焼けたり黄化する病気の場合は、葉の半分程度がやられた時点で葉の元から落とします。
病気の葉が下葉=一番下の果実より低い位置にある場合は、成長への影響は低いのでバッサリ落としてしまいましょう。着果している茎の間の場合は、様子を見ながら少しずつ落としていきます。
病気の歯を残すとどうなるの?
病気になった葉をそのまま残すと、そこから他の葉に病気が移ったり、枯れかけた葉にエネルギーを奪われ続けます。
ただしこの方法は、落とした葉の切り口から病気が広がるリスクもありますので、葉を切るハサミは1回ごとに消毒し、また切るタイミングはなるべく天気の良い日に行うのが肝要です。
写真の我が家のミニトマトはこのような対策で葉を落とし、梅雨明けまであと少しという状態です。おそらく、これなら持ち直すでしょう。
収穫量を落とさない追肥法
春に植えたミニトマトを、水やりだけでそのまま育てていると、いずれ肥料が切れてきます。濃い緑色だった葉が黄緑色になり。葉の節の感覚が長くなり、茎が細く、花の付きが悪くなります。これらが複数当てはまる場合は、肥料が切れてきていると考えてください。
定植した土には、一定の肥料(元肥)が含まれています。根がはった今は土を入れ替えることができませんので、追肥を行います。
追肥は顆粒型のもの、液肥があり、使いやすい方で選べば良いですが、培養土選びと同じように野菜用(できれば果菜用)のものを選んでください。スーパーなどでも手に入る観葉植物用の肥料は、葉を茂らせる肥料配合で、葉の色は戻りますが、花が咲かなくなることがあります。
顆粒肥料は、根に直接当たらないよう、鉢の縁に規定量を撒きましょう。はじめのうちは1週間ごとに少量ずつ蒔いた方が調整しやすいと思います。
ミニトマトの施肥のわかりやすい指標としては、新芽から数枚の葉の反り具合で確認できます。肥料が切れてくると葉はまっすぐ伸び、肥料が多くなるにつれ外柄にカールしていきます。葉先が90度くらいまでの緩いカーブを描くくらいが適量です。
肥料が多すぎると、病気にかかりやすくなりますので注意しましょう。追肥の結果はすぐには現れません。だからこそ、毎日1分で良いので、しっかりと野菜を観察する必要があります。
この梅雨を乗り切って、美味しいミニトマトよ、たくさん実れ〜!!