小豆島の歩きお遍路地図、ついに完成!
小豆島に移住してきてから早や、まる2年。その時、いや、小豆島に来る前から作りたいと思っていた「小豆島歩き遍路地図・日英併記版」がいよいよ完成しました!
と、まるで自分たちが作ったかのようにお知らせしておりますが、私たちはただの言い出しっぺであり、製作者は地図製作のプロ中のプロ、四国遍路を歩く外国人には有名な英語版ガイドブック「Shikoku Japan 88 Route Guide」の著者でもある松下直行氏。
事の始まりは、私たちが松山でゲストハウスをしていた時。外国人にお遍路や周辺のハイキングをお勧めしていた私たちは、小豆島のお遍路や山歩きは外国人にぜひ広めたいと思っていました。お遍路には地図は必須、でも今あるのは観光マップばかりで英語のお遍路地図はもちろんのことハイキングに特化した地図もありません。
「ならば作ろう。でも素人の私たちがどうやって・・?」そこで、松山時代からお世話になっていた松下氏に相談したところ、快く引き受けてくださることになりました。
しかし多忙を極める松下氏。なかなかお時間が取れません。そこで私たちや、ちょうど小豆島と四国遍路に来た香港人の友人にも手伝ってもらい、松下氏のご指示のもと、登山用GPSアプリを起動しながらお遍路道を歩いて道を記録したり、住職さんにご協力いただき寺庵やお店情報などを調べて英語に翻訳したりしておりました。
実際に松下氏が動き出してからは、さすがプロ。多忙な中、何度も何度も小豆島にいらして実際にお遍路道や他のハイキングコースを歩いたり、超人的な速さで走り回っておられました。
『小豆島遍路地図』でお遍路歩きを楽しむ7つのポイント
そんな渾身の地図。四国遍路地図は冊子ですが、小豆島の大きさならA1サイズにおさめられる、ということで1枚の登山地図のようになっています。
遍路を実際に歩いた経験と松下氏の長年の遍路地図およびあらゆる地図製作手法が凝縮され、これひとつあれば小豆島のお遍路を安心して歩ける情報がすべて詰まっています。
特に注目していただきたいポイントは以下の通り。
1. 全体広域図がweb版遍路ナビ地図とリンク
地図にはQRコードが掲載されています。それを読み込むと、冊子と並行して作ったウェブ上で地図が広がり、さらに自分の現在地がその中に表示されます。
2. 縦断高低図でその日の難度が一目瞭然
高低差を断面図のように示して、目で見てすぐわかります。歩く1日のうちに何度も登りあり下りありの遍路道、それを何日も続けて歩くにはこれがあるととても便利なのです。
(あぁ、明日はいよいよ難所だ・・とか。心の準備ができます)
例えば上の写真は、多くの方が遍路を始める地点となる「総本院」という場所からの図です。赤い数字は各寺庵の番号です。歩き始めて初めのころは、大きな山はないことが分かります。
3. お遍路の作法と経本が付録になっている
歩くときは地図を見て歩き、お寺に着いたらこちらに持ち替えてスムーズにお参りしてもらえるよう、あえて別冊にしました。
一般的な経本には、その名の通りお経が書いてあるのですが、この付録にはお経のザックリとした意味まで記載されています。お経の意味を理解しながら唱えることでお遍路への理解がグッと深まります。
こちら、なんと蛇腹折りです。「昔ながらの経本のように蛇腹折りだったらカッコよくですか~?」という私の無茶ぶりに、一度は渋い顔をした松下氏ですが、ひそかにちゃっかり仕上げてくれていました。蛇腹折りの印刷は難しいらしく、なんと一冊ずつご自分の手で切り貼りしてくれているそうです。頭が下がる一方です。
4. 小豆島の路線バスの時刻表を日本語と英語の両方で見られる
正直、日本語に不自由しなくてもなかなか把握しづらい小豆島のバス路線。それを視覚的に分かるような地図で分類し、英語の時刻表もウェブ上で見ることができます。宿が少ない地域もあり、野宿派以外はバスに乗ることが必須の小豆島遍路では不可欠な情報です。
5. すべての情報を日本語と英語で併記
各寺庵の御本尊まで把握してお参りしようとされる外国人は少ないと思いますが、一部のディープな外国人のためにすべての御本尊のお名前まで入れています。お参りの時に、各御本尊に対応している真言「本尊真言」を唱えるからです。本尊真言は別冊に書かれています。
6. 耐水合成紙を使用しているから破れにくい
何度も出したりしまったりする地図はタフでなくてはいけません。遍路の日は雨の日も風の日もあります。おかげでコストが少し上がりましたが、持久性で価値をご判断ください。
7. 小豆島のお勧めハイキングやロッククライミングスポット、観光情報も網羅
観光のお供にオススメ!
つまりこの地図ひとつで、
- ガチで小豆島遍路だけを歩き、結願する(約7日間)
- 遍路メイン、でも観光も途中でちょっと楽しみたいな(お気の向くまま)
- 観光メイン、一日だけお遍路ちょっと歩いてみようかな(ご都合のつくまま)
- 観光だけ楽しみたい
- 山登りに行きたい
- マリンスポーツをやりたい
- キャンプをしたい
- トレランを楽しみたい
- サイクリングをしたい
と、どんなご希望もほぼカバーできます。
「歩き遍路地図」というタイトルではありますが、小豆島の自然をたっぷり楽しみたいという方にぜひ手にとっていただきたいのです。
欲しい! という方。下記のSen Guesthouseまたは松下氏へご連絡ください。
Sen Guesthouseではお勧めの小豆島の過ごし方などもお教えします。
お気軽にご連絡くださいね。
小豆島ファンが一人でも増えますように !
◆仕様
規格:A1判(縦6分割+横3分割折り)
付録:はがき大経本(横8分割蛇腹折り)
体裁:A5判クリアー封筒入り
用紙:耐水合成紙
販売価格:¥1,000(税別)
◆ 内容(すべて日本語/英語対応)
1. 遍路の説明
2. 小豆島の地域性やアクセス
3. 札所リスト
4. 1/27,500全体広域図(web版遍路ナビ地図とリンク)
5. 1/10,000詳細拡大図(路地までわかる)
6. 縦断高低図(地理情報システムで計測)
7. バス路線図とQRコードリンクの日英時刻表
◆書籍情報
書名:小豆島遍路 2020.07.10 初版発行
著者:松下直行 ©2020.06
https://henro88map.com/ matsushita148@gmail.com
監修・翻訳・発行:センゲストハウス ©2020.06
https://www.senguesthouse.com/
761-4424 香川県小豆郡小豆島町田浦乙687番地15 0879-61-9980
編集協力:小豆島霊場会・小豆島観光協会
発行所:株式会社ぶよお堂 103-0027 東京都中央区日本橋3-8-16
著者:松下氏からのコメント
ともすれば自動車の便利さを謳歌する現代人は歩く機会が非常に少なくないでしょうか?もしかしたら距離が少し遠くなると「歩く」という選択肢が頭の中から消えているかもしれません。経済や便利さを追求するあまり、人として何か大事なものを忘れてしまったかもしれない。道中では見知らぬ人と自然に会話が弾み、路傍のなんでもない草花が輝いて見える。そのような環境が「自利利他の心」を育み人に優しくなれます。いにしえの遍路文化が色濃く残る小豆島で、この充実感を多くの方々に体感していただきたいと思います。