1974年からキャンピングカーの製造に携わっているセキソーボディ。同社の特徴と言えば、欧州では一般的なアルミボディを国内で採用したモデルを多く手がけていることです。今回はそんなセキソーボディのキャブコンバージョンから「TOM23」と「TOM200」を紹介しようと思います。
アルミボディを採用しているキャンピングカーは一部で、未だ主流となるのはFRPボディ。アルミボディは製作の手間が掛かるものの、架装部分にリサイクルが可能なアルミを使うことでボディ強度が大幅にアップしつつ軽量化を実現。また、低床・低重心化をすることで室内を広くすることができ、走行安定性もアップするなどメリットが多いです。
同社で1番コンパクトなモデルである「TOM23」はベース車両にタウンエーストラックを採用。全長4850mm・全幅1920mm・全高2630mmのボディサイズはトヨタ ノア 2WD・2.0Siの全長4710mm・全幅1735mm・全高1825mmと比べるとやや大きめのサイズ。ただし、一般的な月極駐車場のサイズである5m×2mを切るサイズなので日本の道路でも扱いやすく、小回りも利いてフットワークは抜群。
外観はトラックの荷台部分にシェルと呼ばれる居住スペースを架装。このシェル部分がアルミボディになっており車両総重量は約1.6トン。1.5Lエンジンながらも走りは軽快。また、フロントシート上部にあるバンク部分も張り出しが少なく、走行中の空気抵抗を配慮したスタイリッシュなデザインになっています。
乗車定員は6人・就寝定員は5人とファミリーでも使える仕様。エントランスは後方にあり、室内に入るとタウンエースベースとは思えない広々とした空間に目を奪われます。最後部にはキッチンとマルチルームを配置。中央にあるリビングは対面式のシートと横座りソファを組み合わせたレイアウトで、家族で団らんするにもゆとりのあるサイズ。ベッド展開も簡単でリビング全面がベッドになり、3人の就寝が可能。2列目シートは前向きにセットもできるので移動中も快適です。
「TOM200」のほうはベース車両にモノコックであるハイエースの標準・ロングボディを採用。ボディカットしシェルを搭載するという独自の発想は、軽量アルミパネルボディとアルミフレームで補強された強靱かつ軽量なシェルがあってからこそ。バンベースながらもモダンなデザインは所有欲をそそられます。
また、これら独自の工法や軽量化の努力により車両重量は約2.1トンと驚くほどの軽さを実現しています。代表である中山透さんの「乗ることが苦にならない、積極的に乗りたくなるキャンピングカー作りを目指しています」という言葉をそのまま具現化した車両は、加速や減速はもちろん、燃費やブレーキのストッピングパワーなど、走行性能や動的性能に大きく貢献。車両の剛性についても、ボディカットをしているにも関わらず床全面でシェルをしっかりと受け止め、高強度に仕上げられています。
外観は低重心かつ張り出しを抑えたバンクなど、フロントから一体感のある流麗なスタイルが自慢。インテリアは、後部に常設2段ベッドを配し、ダイネットとの間には壁面が引っ張り出せる技ありのマルチルームを搭載。
家具も強度が必要かどうかを分けて考えられており、テーブルのような部位では軽量なものを採用。こうした小さな積み重ねで高強度・軽量化を図り、移動中も車重によるストレスを減らしています。
どちらのモデルもアルミボディによる軽量化と運転することの楽しさが追求されており、クルマで寝ること以外に移動にも注力されているのが特徴的でした。
「TOM23」は440万円〜、「TOM200」は588万8000円〜。
「TOM」シリーズはレンタルキャンピングカーでも多く取り扱われているので実際に運転したり使ってみるとそのよさが実感できるのでお薦めです。
問い合わせ先 セキソーボディ
sekisohbody.com/
構成/伴 隆之