幼少期、植木鉢の下にいたダンゴムシを発見して以来、すっかり生き物にハマってしまったという、プロ・ナチュラリストの佐々木洋さん。自然観察を日常にすることで、ご近所をちょっと散歩したときや、バスを待っているわずかな時間がワンダーランドに変わると話す。
都会に住まう虫を探そう
所要時間 約60分
テクニック1 樹皮の隙間を覗く

凸凹した樹皮の隙間に虫が隠れていることが多い。昼間でも影になって見えにくいので、ヘッドランプやライトなどがあると探しやすい。「よく見てみると、いるんだな」
佐「どこの公園の木にも掛けられている、樹名板ってあるでしょ? あれを裏返してみるだけで、そこにヤモリが隠れていたりするんですよ!」
子供のように目を輝かせる。
佐「樹皮の隙間にも虫が潜んでいたりするし。コナラなんかは、舐めるよう見るといい!」
ま「スマホのライトで照らすと見やすいかも♪」
佐「樹液が出ているところなら、コクワガタやカナブンなんかの甲虫類がいる可能性もあります」
ま「それなら触れる!」
と、ちょっとやる気が出てきたまみちゃん。クワガタ、カブトムシは、比較的虫が苦手な女子でも興味を持ちやすいようだ。
コクワガタ

甘酸っぱい樹液が流れるクヌギの隙間で見つけられるのは、コクワガタなどの甲虫類。
“ブォー、ブォー、ブォー”
ま「何この音?」
佐「これはウシガエルの鳴き声だな〜」
ま「ええ! 生き物!?」
佐「(笑)。見るだけじゃなくて鳴き声にも耳を貸してみると、普段通っている公園にもたくさん生き物がいることに気づくはず。観察するだけでなく、五感を駆使することが大切です」
テクニック2
葉の裏側をチェック

葉の裏や、倒木の樹皮の裏などもチェック。カメムシやテントウムシの仲間などが隠ている。ただしツバキやサザンカはチャドクガの幼虫に注意!
テクニック3
樹名板の裏が穴場

樹名板の裏側は、風を遮ってくれるため、格好の隠れ家になる。夜になるまで夜行性のヤモリが身を潜めていることも多い。板は必ず元通りに。
ニホンヤモリ

昼は隙間に隠れ、夜になると木を登り、外灯に集まる虫を食べる。隠れ場所の多い民家にも居つく。
テクニック4
カサの中に収集

木の下にカサを広げ、棒などで枝を叩いて止まっている小型の虫を落とすビーティングという採集方法。ゾウムシや樹上性のキリギリスなども捕獲。
キボシカミキリ

カミキリ類も木を叩くとポロッと落ちる。頭の黄色の紋と翅にある大小さまざまな黄色い紋が目立つ。
樹上を見上げれば鳥の姿も!

木々の上方には鳥も生息している。鳥はまず肉眼で見つけたら、頭を動かさないようにして双眼鏡を目に持っていくのがコツ。

近年都市部で見かける、ワカケホンセイインコ。飼い鳥が野生化したもので、川崎市の等々力緑地の木々が寝ぐら。
道中に発見!
アシダカグモ

人家に生息する大型のクモ。網を張らずに待ち伏せて、ゴキブリなどの獲物を捕らえる。益虫だが、かなりグロテスク。
アオスジアゲハ

アゲハとしてはやや小ぶりで、青緑の模様が美しい。クスノキやタブノキを食樹にし、ヤブカラシの花の蜜をよく吸いにくる。
双眼鏡はルーペにもなる

小さな生き物を観察する際、双眼鏡を逆さに持つとルーペ代わりに。接眼部分を見たい物に接近させるだけでOK。
モグラ塚を探してみよう@新宿区
所要時間 約50分

周囲の雑木林の中を散策しているときに偶然、モグラ塚を発見。23区に生息するのはアズマモグラのみ!

ミミズを追いかけて掘った塚穴があちらこちらにある。モグラは2mの深さを1㎞以上の範囲で行動するともいわれている。

塚の土を地表すれすれで取り除き、2〜3㎝掘ると穴が現われる。ミミズを追いかけて地表まで上がってきた証拠。
※生き物の観察は、各公園などのルールに従って下さい。
※構成/大石裕美 撮影/田川哲也 写真協力/佐々木洋、あらいひろし
(BE-PAL 2020年8月号より)