アウトドアで自然を体験していると毎日の都会の仕事を辞めて、「田舎に住みたい!」と思ったことはありませんか?しかし、田舎で生活をすると思うと、仕事はどうするのか、友達も誰もいなくてやっていけるのか、と不安ばかりでしょう。
そんな方におすすめなのが、地域おこし協力隊(以下協力隊と記載)。協力隊とは総務省が行っている制度です。
最近、地域おこしや地方創生と言った内容で注目も高く、この制度を使って多くの人が地方移住をしています。今回は元協力隊が協力隊の制度や協力隊になるまでの手順などをわかりやすく解説します。
協力隊制度とはどういったものなのか?
協力隊は平成21年に総務省が始めた制度です。都会からの移住者が3年間、地方自治体(市町村)から任命され、地方活性化の仕事をしながら生活。3年間で移住先の人と関係を作りながら、最終的には移住を目指します。
令和元年度では、全国で1,061市町村に5,349名の協力隊が活動中。
協力隊になれるのは、三大都市圏および政令指定都市に住民票がある方です。都会からの移住者を対象としているため、田舎に住んでいる人はできません。引越しをして、住民票を移すことが必要になってきます。協力隊になる方は独身者もいれば、結婚されている方やお子様がいる方など多種多様です。
協力隊の仕事内容とは?
日本全国に5,349名の協力隊がいますが、誰一人同じ仕事の人はいません。なぜなら、協力隊は隊員によって業務内容や使命が違うからです。例えば、農業の分野で働く人や観光分野で地域おこしをする人、アウトドアのインストラクターとして働く人もいます。
協力隊には、ミッション型とフリーミッション型の二つの働き方があります。これは採用時に目標や目的が決まっているか、いないかということです。ミッション型は、採用前から3年間の活動内容が決まっている状態で、活動をしていきます。
それに比べ、フリーミッション型では移住後に、そこで生活をしながら、何を行うか決めるシステムです。その土地に住んで、外の目線から見ることで、外の目線から地域を活性化させるヒントを見つけられるでしょう。どちらがいいのかは、地域や隊員によっても違うので、一概にどちらの制度にした方がいいとは言えません。
協力隊の業務内容は、日本全国の地域で多種多様です。地域のアウトドア施設の運営や企画、自然を使ったものが多数あります。イベントや資材を購入する場合は協力隊の活動費から支払いをすることも可能です。協力隊になることで自分のやりたかった仕事を見つける人も多くいます。協力隊の卒業者の中には、宿泊施設やアウトドア事業で独立する人も。
協力隊の給料および福利厚生・勤務形態とは?
協力隊の給料は、総務省から協力隊一人あたりに対して、240万円以内と決められています。しかし、特殊な能力や特別な資格を所持しての採用の場合、290万円まで給料の受け取りが可能。募集先の地方自治体によっては、独自に給料の追加や賞与を支給している場所もあります。
また、協力隊の福利厚生はとても充実しています。多くの協力隊の家賃は、自己負担なしの場合がほとんどです。私も協力隊時代、家賃は負担無しで一軒家に住んでいました。
協力隊の勤務日数は、自治体によって違います。一般的には協力隊の勤務日数は週休二日制。採用場所によっては週3・4日勤務の場合もあります。私の場合は週休二日の日・月曜日が休みでした。地域行事やイベントなどで日曜日が勤務となる場合は、平日に振り替えて休みを取るケースが多かったです。
協力隊になるには?
協力隊になるためには、どうすればいいのでしょうか。インターネットで協力隊と検索すると、「JOIN」という協力隊募集サイトがあります。それ以外にも、移住相談会や移住ツアーなどに参加すると協力隊をより知ることができるでしょう。
特に移住相談会や現地視察へ行くことで、住む予定の住居や勤務先など、ネットからの情報をより深く知れます。私も協力隊になる前、現地視察に2回ほど参加。その時には、お世話になる地域の方や先輩の協力隊員をはじめ、近隣のスーパーや活動場所などを案内され、安心して移住ができました。
地方移住の方法はいろいろありますが、協力隊は仕事もあり会社員とは違った働き方を実現可能。また、協力隊になる人は、アウトドアや自然が好きな人が多く、業務内容もアウトドア関連のものが沢山あります。
皆さんも地方移住に興味を持ったら、協力隊のことを調べてみてはいかがでしょうか。