ブラジルの小さな村在住の実妹とともに産地直送の天然石を扱うブランド ARCO CRISTALも始動。https://arcocristal.stores.jp/
子連れ旅実績 14ヶ国
水族館もあちこち行ったけれど
「やっぱり “えのすい” が好き」
水族館が、大好きです。
旅先でも、日常でも。雨の日のアクティビティとしての活用はもちろんのこと、特に子どもと旅するようになってからは、旅先にある水族館はたいてい訪れるようになりました。大都市では入場料が高すぎて断念することもありますが・・・
これまで印象に残っている海外の水族館といえば、カナダの「バンクーバー水族館」。大きな ベルーガ=シロイルカのショーのラストで、尾びれでバシーンと水面を叩く!しかも何回も!という見せ場があり、たまたまピンポイントでその水しぶき、というか水の塊を食らったわたしは笑うしかないほどの全身びしょ濡れ。海外のスケールを見せつけられた瞬間でした。日本でも、鴨川シーワールドのシャチのショーはものすごい迫力&水塊ですね。
またサンフランシスコの「カリフォルニア科学アカデミー」は自然史博物館、水族館、植物園、科学館などの機能が一体化した施設(2020年9月現在 臨時休館中)。巨大なホールに展開する大水槽は、上からも横からも下からも見られてとっても美しい。エントランスに鎮座する巨大な白いワニにも驚き。
日本の水族館では沖縄の「美ら海水族館」。あの大水槽を見つめて外に出れば、そこに広がるのは本物の “美ら海”。大水槽の中のジンベエザメもマンタも、お魚たちもみ〜んなすぐそこにいるのだから、この海の美しさを本気で守らなければと強く感じさせてくれる大好きな場所です。
それでも。
わたしたち親子はいつも、ここに舞い戻ってきます。
都心からも気軽にアクセスできる湘南エリアに佇む「新江ノ島水族館」、通称「えのすい」へ。
地域の子どもたちは
ほとんど年パス会員!?
“えのすい” の魅力とは
親が水族館好きとあって、都内に住んでいる頃からちょこちょこ出かけていた「えのすい」。2歳までは入場無料、3歳以上は年間2回以上訪れるなら元が取れてしまう年間パスポートがお得。逗子に引っ越してきてから出逢った周辺の子どもたちはほとんどが年パス会員。みんなで出かけたり、現地でばったり誰かに逢うこともよくあります。(わが家は都内に住んでいる頃から年パス会員でしたが…!)
なぜそんなに何度も何度も、飽きることなく通ってしまうのか。
イルカショーが楽しいから。クラゲがきれいだから。ひんやり薄暗い水族館という場所が好きだから。みんなそれぞれ好きな理由はあるけれど、今回は「えのすい」ならではのわたしの偏愛ポイントをいくつか語らせていただきます!
えのすいのシンボル相模湾大水槽には
みんなの友達が住んでいる!
水中ショー「うおゴコロ」の魅力
エントランスを抜けて展示室に入ると、そこからはもう「相模湾大水槽」のはじまりです。
駿河湾に次いで日本で二番目の深さの相模湾は、地形や海流の影響もあってさまざまな生きものたちの宝庫。その多様性を垣間見るように、スロープを少しずつ下りながら生きものたちと出逢っていきます。
2004年4月にリニューアルオープンした「新江ノ島水族館」。
その前身である「江の島水族館」は1954年、日本における近代的水族館の第1号として開館。トロピカルな熱帯魚や地球の裏側の珍しい魚などを常にいち早く見せてきた水族館でした。しかし2004年のリニューアルの際、この水族館の主役に据えたのは “約8,000匹のイワシの大群”。ジンベイザメやマンタなどの大型生物ではなく、目の前にあるこの豊かな相模湾を舞台に展示をつくっていくことを決めたのです。
イワシの群れがダイナミックに揺れ動くなか、悠々と泳ぐさまざまな魚たち。大水槽の前では子どももおとなも、時間を忘れて生きものたちに見入ってしまいます。
そんな相模湾大水槽の “中” で行われるショーが「uogokoro / うおゴコロ」。大水槽の中に「えのすいトリーター」(展示飼育スタッフの呼称)がダイバースタイルで登場!そこに棲んでいる魚たち、しかもトリーターたちとコミュニケーションが取れ、名前が付けられている”子たち”を次々に紹介していくのです。
トリーターが水中に入っていくと、水槽の下の方からホワワワ〜っと上がってくる一匹のウツボ、その名も「ラックス」。わたしたち親子は何度もこのショーを見ていますが、ラックスは毎回登場。子どもも3歳くらいの頃からラックスの名を覚えているほど。他にもイシガキダイの「モノドン」、ホシエイの「おまんじゅう」など、たいてい毎回顔を見せてくれるショーのキャストたちがいます。
この独特な水中ショーはどのように生まれたのか?
今回えのすいを愛情たっぷりにご案内してくださった、広報シニアマネージャーの井上さんに伺いました。
えのすい広報・井上さん 「もともと、うおゴコロがはじまる前から、水中カメラでの映像を見せたり、餌やりの様子を見せるということはしていたんです。トリーターたちは毎日水槽の中に入って、生きものたちのチェックもしています。トリーターが入っていくと魚たちはまず逃げますよね。慣れてくると気にしなくなります。そのあと、本当に数匹なのですが “好奇心で寄ってくる” 魚たちがいるってわかってきたんですよね。もちろん、餌をくれる人っていう認識はされているけれど、それだけじゃない。魚にも性格があるんだ!って。それをお客さまにも知っていただこうとはじまったのが「うおゴコロ」なんです。
でもね、性格もあれば…機嫌もある。トリーターが入っていってもだ〜れも出てこない日もあるんですよ(笑)。それも含めて、魚たちのことを知ってもらう機会になれば嬉しいですね。」
相模湾大水槽には大小100種類以上、約2万匹もの魚たちがいるけれど、そこにはわたしたちが知っている甘えん坊のラックスや好奇心いっぱいのモノドン、おまんじゅうが暮らしている。今日も元気かな〜?って友達の顔を見にいくように、毎回、大水槽にかじりついて彼らを探してしまいます。
(※現在、密集を避けるため屋内のショープログラムは休止中ですが、時間を告知せずに餌やりや解説などが行われています。最新情報はウェブサイトにてご確認ください。)
えのすいが世界に誇る
じわじわ感動系イルカショー
「きずな / kizuna」
水族館のお楽しみといえばやっぱりイルカショー。イルカたちがジャンプなどの大ワザを次々と披露する派手な演出をウリにしている水族館が多い中、えのすいのショーは一味違います。トリーターたちの「語り」がやたらに多いのです!
2011年からはじまったショープログラムの名は「きずな / kizuna」。2011年といえば東日本大震災が起き、日本全国で “きずな” という言葉が聞かれた年。それまで実施していたアクロバティックなショーに代わって、その名の通り、イルカとトリーターとの “きずな” をありのままに見せていくショーが生まれました。
この日のショーの主役はえのすい歴32年のベテラン「ミュー」。長きに渡ってお母さんイルカとして裏方で活躍してきたミューの魅力をトリーターたちが愛情全開で語っていきます。
「新人トリーターが最初に担当するのがミュー。トリーターが変わると合図に応えなくなってしまうイルカも多い中、ミューはこれまで多くのトリーターと組んできているベテラン。だから私たちはみんな、ミューに育ててもらった。」
「ルイはミューのママ友。お互い子育て上手!」
「ハナゴンドウのビーナはミューの同期。実はケンカする時もある。」
「サワはミューのひ孫にあたる。まさかひ孫とショーに出る日が来るとはね!」
(えのすいは、水族館での飼育下で5世=ひいおじいさんの代から水族館生まれのイルカの繁殖に成功している世界で唯一の水族館でもあります)
・・・もちろん語りのあとはジャンプなどの大ワザを見せていただきましたが、こんなにイルカの “個性” についての情報量が多いショーが、他にあるでしょうか?
えのすい広報・井上さん 「えのすいにとって生きものたちはすべて “パートナー”。生きものたちと一緒につくりあげ、命のつながりを見せる場所です。ショーはからだの大きなイルカたちにとっては大事な運動の機会であり、健康管理においても重要。そのためにはイルカにとっても運動することがワクワクするような楽しい時間でなければいけません。
だからこそ、普段からコミュニケーションをたくさん取って、息を合わせていく必要がある。イルカにも人間にも、機嫌があって気分がありますから、ノリノリでジャンプするときもあればそうでない時もありますよ。」
イルカだけを見せていくショーなのではなく、イルカと人間との関係性を見せていく。生きもの同士、対等にコミュニケーションすることで、こんなに気持ちを通わせられるんだ。えのすいのショーを見るたびに、じわじわっと涙がちょちょぎれてしまうわたしです。
フウセンウオにオウムガイ
しんかい2000も!
それぞれのお気に入りを見つけよう
0歳からえのすいに通い、今は8歳になった我が家の息子。
水族館で生きもの観察をし、魚やイルカの絵をたくさん描いていた彼は、今や自分でシュノーケルを装着し、海に潜って魚を見るようになりました。その時々で興味は移り変わってきましたが、家族の誰よりもえのすいに詳しく “どこになにがいるか” を熟知しています。
今回、出かける前にウェブサイトをチェックしていると「あ!オウムガイ!!!」と大興奮。正直わたしは、これまでも展示されていたのか、新着なのかもよくわからず…。確認してみると確かに、この夏からの公開!
“祖先は 5億年前に現れ、6千万年前の地層からは現在のものとほとんど変わらない姿の化石が見つかっている” という、図鑑でしか見たことのなかった「生きた化石」との対面を果たすことができました。
その他にも、乗り物図鑑によく掲載されているJAMSTEC(海洋研究開発機構)の有人潜水調査船「しんかい2000」の実物や、ペンギン、アザラシやウミガメなどの人気モノたちも。併設されている「なぎさの体験学習館」では工作などのワークショップに参加することができます。
早めに出かけて海辺のテラスで朝食を楽しんだり、天気のいい日には富士山、夕方には相模湾に沈む夕日を眺めるのも最高。行く時間帯やメンバー構成、子どもの年齢に合わせて自分だけの楽しみ方を見つけてください。
生きもの愛は伝播し めぐる
「貸切えのすい」生配信から見えた
新しいつながりのかたち
2020年3月3日〜5月30日、約3ヶ月にわたる臨時休館。
しかし、生きものたちと日々向き合うえのすいのトリーター、職員のみなさんは休むことはできません。ガランとした水族館に通いながら、日頃できなかった館内のメンテナンスやオンラインコンテンツの制作に励む日々が続きました。
YouTubeでは初めてのライブ配信「貸切えのすい」を実施。大変な状況の中で働いている人たちへ、出かけたくても出かけられない人たちや学校に行けない子どもたちへ。お昼どきに少しでもホッとできる時間が提供できればと、一つの水槽をじっと見つめる定点映像や、一つの生きものにフォーカスしたコンテンツなど、ほぼ毎日、のべ50回以上のライブ配信を行いました。
えのすい広報・井上さん 「日々試行錯誤しながらでしたが、えのすいで実際にお客さまと接するのとは違う、新しい発見がたくさんありました。リアルタイムにいただくコメントや反応から、ご来館いただくことはできなくとも、生きものとお客さまをつなぐことはできるんだと。応援のコメントがうれしくて、泣きながら配信をしていたスタッフもいたほどです。
また、このライブ配信で えのすいを知ったという遠方のお客さまや、まだまだ出かけることが難しいお客さまもいらっしゃいます。今後も多くの方に、生きものたちは元気にしてますよー!と伝える仕組みをつくっていけたらと思っています。」
生きものたちがただそこにいて、美しさやかわいらしさを見せてくれるだけで、こんなにもうれしい気持ちになれるんだ。えのすいの生きもの愛に触れたら、あら不思議、なんだか今日は子どもにも愛たっぷりに接することができているような。
そう、わたしたちだって、ただただ愛しき “生きもの” なんだよね。
愛がめぐる場所、えのすいへ!
新江ノ島水族館
神奈川県藤沢市片瀬海岸2-19-1
https://www.enosui.com/
※最新情報をウェブサイトでご確認の上、お出かけください。
▼クラウドファンディング実施中「新江ノ島水族館|あなたと生きものを繋ぐ #えのすいファンディング」(2020/10/31まで)
https://readyfor.jp/projects/enosui2020