今月にロングセラーカセットこんろ「カセットフー タフまる」の小型バージョンが、2020年9月に発売された。ソロキャンプや庭キャンプでちょうどいいサイズ感は、今後大注目されること間違いなし! その製品を手に入れたので早速使ってみた。
サイズダウンだけが魅力ではない!
今回紹介するカセットフー タフまるJr.は、従来品の約60割サイズに小型化したモデル。本体サイズは約28.6×19.3×12.2㎝で、他のカセットこんろと比べてもコンパクトである。
最大発熱量は2.3kw(2000kcal/h)で、従来品のタフまるは3.3kW(2,800kcal/h)。これは大きさに比例しする部分もあるが、とはいえ調理には問題ないほど。
キャンプで使うバーナーと比べて、カセットこんろはとにかくサイズが大きいことが一番の欠点であったが、こちらはその難点をクリアし、なおかつスタイリッシュなカラーリングに仕上げている。ケースを含めた総重量は約1.6㎏で2㎏を下回ることに成功した。
では、同製品の特徴を細かくチェックしていこう。
特徴その①:二重の風防で風をシャットアウト
タフまるシリーズの一番の特徴は、風からしっかり炎を守る二重の風防構造。外側だけでなく五徳にも風防が付いている一方で、点火に必要な最低限の空気は下の隙間から入るようになっているので、途中で消える心配はない。
風防がしっかりしていると洗うのが大変と思う人もいるだろうが、その心配は不要。風防部分だけごそっと取り外せるので、本体は洗わず、風防だけを丸洗いすれば完結。手軽さも魅力なのだ。
特徴その②:多くの炎口で炎が消えにくい
タフまるは多孔式バーナーと呼ばれる、炎口をたくさん設けたバーナーヘッドを採用。これによって火足が短くなり、風の影響を受けにくくし炎が消えにくくした。また、炎が消えにくくなった恩恵として、屋外でもとろ火にできるので、調理の幅が広がったのだ。
特徴その③:重いものも載せられる耐荷重
こんろの4か所にはアルミダイキャスト製のスタンドが付いており、耐荷重は約10㎏とダッチオーブンも置くことができる。
ただし、鍋類は上面の内径が20㎝以下を推奨しているため、あまりにも大きいものは使用不可。ダッチオーブンは8インチが目安となっているので注意しよう。
どんなものが置けるのか試してみた
サイズが小さくなったらどのようなものが載せられるのか、ひと通り使える道具を上に載せてみた。まずは0.6ℓの小型やかん。ジャストサイズと言っていいほど問題なく載せられる。
次に、焚き火の炎で沸かすのに多いケトルはどうだろうか。こちらも問題なく使用できた。バーナーヘッドの大きさもちょうどよく、試した際は風がなかったこともあり、半分ほど水を張って最大火力で温めたところ、数分で沸騰した。
最後に、大型のクッカーはどうだろうか。人気のSOTOのクッカー大は直径約19㎝なので、こちらも問題なし。
一方で、フライパンやスキレットはどうなのかというと、たとえば鉄フライパンで有名なタークだと2号でギリギリ、スキレットの王道であるロッジだと8インチでジャスト。大人数向けのものより、ソロからデュオくらいの少人数向けの調理道具が良さそうだ。
カセットガス選びは重要
個人的に気になったのは、カセットガスの選び方。コンビニなどでも売られている250gのイワタニカセットガスを付けてみたところ、1/3ほど外にはみ出た。使用には問題ないが、人によっては気になるところもあるだろう。
ワンサイズ小さい120gの「イワタニカセットガス ジュニア」はちょうど収まるが、250gのほうの連続燃焼時間は約102分、ジュニアは約45分と半分以下の時間になる。価格は一緒なので、その点でどちらを選ぶかに悩むだろう。
ひと言付け加えると、こちらは純正のカセットガス向けに精密に作られているため、他のメーカーのものを使用することが避けるようにしよう。
少人数キャンプもしくは少量の料理に最適なこんろ
大人数のメインこんろとしては少し頼りないかもしれないが、少人数でのキャンプやサブこんろとしては大活躍すること間違いなし。筆者としては、ソロキャンプが多いためこのサイズ感のものを探しており嬉しい限り。
8月からイワタニの公式通販サイトや家電量販店、アウトドアショップなどで順次発売されているとのことなので、置いていたらすぐに購入することをオススメしたい。
商品概要
価格:9,000円+税(実勢価格)
使用サイズ:約28.6×19.3×12.2㎝
収納サイズ:約32×25.2×13.5㎝
総重量:約1.6㎏
連続燃焼時間:約102分(イワタニカセットガス使用時)
商品の詳細はこちら
http://www.i-cg.jp/product/burner/cb-odx-jr/
文・撮影/小川迪裕