干して保存ができる、夏の野草たちでご飯作り
朝夕は少し心地よい涼しさに移り変わっているこの頃ですが、まだまだ昼間は暑い日が多いですね。この暑い時期にいる野草たちは逞しく、栄養価もとびっきり高いのが特徴です。これから到来する秋冬に向けて、そんな「栄養いっぱいの野草」を備えておくと、いつもの食事が手軽に「滋養たっぷりごはん」へと大変身しますよ!
夏の残暑にオススメの干し野草たち
この季節に採れる残暑の夏野草をご紹介します。
スベリヒユ
夏を代表する野草です。山形や沖縄などでは「野菜」のように親しまれていますが、この野草はなんといっても現代人に必要なオメガ3脂肪酸をたくさん含んでいるので、血液の流れをよくしてくれるという嬉しい栄養素がたっぷりなのです。
カタバミ
春から秋頃まで見かける野草です。特徴は葉の「味」です。葉がクローバーと間違われやすいのですが、カタバミは「酸っぱい」味がします。この味がアクセントとなり、フランスのミシュラン星のレストランでも、そのままサラダなどに使われることも多いのですが、干しておくと手軽に使えて便利です。迷った時はぜひとも噛んで確かめてみてください。
タンポポ
タンポポは春のイメージが強い野草ですが、この時期は花ではなく美味しい「葉」に出逢えます。乾燥すると野草茶にしたり、粉末にしてクッキーやホットケーキなどに混ぜて使えます。
干し野草を作ってみよう
採ってきた野草を干していきましょう。干す際に、いくつかコツがありますのでご紹介します。
スベリヒユ
固い部分は取り除き、土や虫などを取り除くように洗います。蒸気が出ている蒸し器に入れて1〜2分、しんなりしたら取り出します(湯がいても大丈夫です)。ザルに入れて天日干しをし、完全に乾燥させます。
カタバミとタンポポは洗った後、そのまま天日干しをして完全に乾かします。
保存の方法
密閉容器(ジップロックなど)に入れて、冷蔵庫で保管します。長く持たせたい場合は冷凍庫へ入れましょう。
アウトドアに大活躍!干しスベリヒユで「ヴィーガンおこわ」を作ってみよう!
干物と同じように、干した野草は水分を無くすことで「長期保存を可能」にした、先人の知恵が詰まっています。干す事により深い味わいを楽しませてくれることはもちろんですが、「生」のものよりも、干した野菜の方が栄養価が高いように、きっと干し野草にもぎゅっと栄養が凝縮されているはずです。この深い凝縮された味を使うと出汁を使わずに、炊き込み御飯や煮物などが作れます。今日はキャンプにも持っていきやすい、野草おこわを紹介します。
用意するもの
材料(2人前)
・干しスベリヒユ 一掴み(水で戻しておく)
・もち米 1合(水に浸しておく)
・人参 1/2カップ
・舞茸 1/2カップ
・ピーナッツ(今回はローストした蓮の実使用) 大1
・梅酒の梅 2粒(無ければ日本酒 少々)
・すりおろし生姜 大1/2
・ごま油 or オリーブオイル
・塩
・醤油 大1
作り方
(1)フライパンにオイルを入れ、全て粗くみじん切りにした人参、舞茸、梅、水気をきってから(戻し汁は後ほど使います)みじん切りにしたスベリヒユを入れて炒めます。人参がしんなりしてきたら塩をふり、皿に移します。
(2)同じフライパンにオイルを入れてから、水気を切ったもち米を入れて炒めます。もち米に油がコーティングされたら、先ほど残しておいたスベリヒユの戻し汁をカップ3/4、醤油、生姜、を加えます。弱〜中火で汁気がなくなるまで煮ます。
(3)先ほどの野菜を加えて、塩で味を調えます。(冷凍するときは、このときに冷凍しておきます)
(4)湯気の上がった蒸し器に入れて、20分〜30分蒸したら完成です。
野草に包んで蒸すと、香りも高くなったり、抗菌作用もあったりと、アウトドアに持っていくのに最適です。ぜひ自然の中で、自然の恵みを楽しんでみてください。
野草資料/「帰化&外来植物-見分け方マニュアル-950種」森昭彦