ネイチャーカメラマン・岡田裕介氏が、世界の海を潜る中で8年に渡り撮り続けてきた、ハワイ島やバハマに住むイルカ、冬の間トンガに子育てにやってくるザトウクジラの写真をまとめた新作を発表する。
写真集『これが君の声 青の歌-Sound of echo, Song of blue-』の発売に合わせて、同タイトルの写真展を9/22~9/27東京 弘重ギャラリー、9/29~10/11京都写真美術館ギャラリージャパネスクにて開催。まるで海の中の静寂に響くイルカの鳴き声やクジラの歌声が聞こえてくるような作品群となっている。
世界の海に潜りに行った気分になれるこの写真展。知っているとより楽しめる、岡田裕介さんによる撮影裏話をご紹介!
真っ青な海でザトウクジラと泳げる島 トンガ王国
南太平洋に浮かぶ170を超える島群からなるポリネシアの王国トンガ。
地球上で最大の動物と言われるクジラの中で、トンガで出会えるザトウクジラは体長13m程。ちょうど大型バスのようなサイズです。さらに南半球の冬の時期に繁殖と子育ての為にトンガにやってくるので、可愛らしい子クジラにも頻繁に遭遇します。
僕はここ7年間毎年トンガを訪れ、真っ青な海を悠々と泳ぐザトウクジラをシュノーケルで潜りながら撮影してきました。
ガリバー旅行記のモデルになったと言われている大柄で迫力あるトンガの人々。その人柄は穏やかで優しく、日曜日には仲良しの船長の集まりに混ぜてもらい豚の丸焼きなどをしてのんびりと過ごすのも楽しみの一つ。日本人の僕からするとアウトドアというよりサバイバル?
その辺りを走っている野豚を捕まえたりしてダイナミックに丸焼きにするのですが、焼き上がるまで時間がかかるので、まずはお腹から取り出した新鮮な内臓をつまみに地元のココナッツ風味のラム酒をジュースで割ったカクテルを飲む。
その間も交代で豚を回し続け、3~4時間後香ばしく焼きあがった子豚の肉は柔らかくとてもジューシー!近くに実っているパパイヤやバナナも食卓に並び、自然の恵みに感謝しながら家族や仲間たちと日が暮れるまで語らう幸せな時間です。
船上生活でイルカと過ごすだけの贅沢な日々 バハマ
カリブ海屈指の透明度の海をもつ島国バハマ。フロリダから出航する船で生活をしながら撮影をします。
水平線に太陽が昇る朝焼けを見ながら1日が始まり、イルカが出たらイルカと泳ぐ、それだけのシンプルな日々。海藻を投げるとキャッチして遊ぶ好奇心旺盛な個体と出会えたりと、会える数が多い分イルカとの特別な交流ができることもあります。
Wi-Fiも電話も繋がらず豪華とは言えない船ですが、使い勝手は快適。1航海5日程なのですが、起きたい時間に起きて、食べたい時に食べて、昼寝して読書して、と外の世界から遮断される生活で、自由気ままにイルカ三昧の日々です。
イルカの群れの中で人間は僕一人! ハワイ島
ハワイ島でボートのドルフィンスイムに参加した事がある方もいらっしゃると思いますが、僕の撮影スタイルはビーチから泳いでエントリー。朝からサウスコナのイルカが現れる可能性があるビーチを車で周り、浜から海を眺めてイルカを探します。毎回長期滞在して撮影をするので、出会える可能性はボートより低くても、特別な光景に出会えるビーチエントリーを選んでいます。その光景とは……
この写真のように40匹以上のイルカの群れの中で人間は僕一人! という経験が出来るのです。時に数十分も長距離を泳いでイルカと合流する必要がある為、体力勝負だったりもするのですが、ボートと違って単独行動なので、周りに人が少なく撮影には最高の環境です。気づいたら何時間も撮影を続けてしまうこともあり、陸に上がった後の温かいコナコーヒーが沁みる~!
写真展で、美しい銀塩プリントや大判の和紙に刷った大迫力の作品の数々をぜひ体感してください。きっと生き物たちのエネルギーに元気をもらい、海の広さに癒やされると思います。みなさんのご来場を会場でお待ちしています!
写真集は上質な装丁で飾りたくなるような1冊。特別寄稿として掲載されているLUNA SEA・X JAPANのSUGIZOさんの文章も必読。
写真集『これが君の声 青の歌-Sound of echo, Song of blue-』
9月22日( 火 ) 発売 オンラインストア・写真展会場にて販売
価格 5,000円(税別)
A4変形 ハードカバー 96P 私家版
特別寄稿:SUGIZO(LUNA SEA/X JAPAN)
<オンラインストア>
https://yusukeokada.stores.jp
岡田裕介写真展『これが君の声 青の歌-Sound of echo, Song of blue-』
【東京会場】
開催期間:2020年9月22日(火)~9月27日(日)
開館時間:11:00~19:00(最終日 18:00 まで)入場無料 / 会期中無休
会場:弘重ギャラリー ART CUBE EBIS B1階(東京都渋谷区恵比寿南 2-10-4)
【京都会場】
開催期間:2020年9月29日(火)~10月11日(日)
開館時間:11:00~18:00(最終日 17:00 まで)入場無料 / 会期中無休
会場:京都写真美術館 ギャラリージャパネスク 2 階(京都市東山区堀池町 374-2)
岡田裕介 プロフィール
埼玉県生まれ。大学卒業後、フォトグラファー・山本光男氏に師事。2003年より、フリーランスフォトグラファーとして独立。島好きが高じて沖縄・石垣島、ハワイ・オアフ島へ移住を経て、現在は東京を拠点に活動中。自然写真の分野では、水中でバハマやハワイのイルカ、トンガのザトウクジラ、フロリダのマナティなどの大型海洋ほ乳類、陸上で北極海のシロクマ、フォークランド諸島のペンギンなど海辺の生物をテーマに活動している。
https://yusukeokada.com/