キッチンやベランダのちょっとしたスペースで、植物と共同生活。しかも、収穫まで楽しめるとくれば、試してみない手はない! まずは話題の「リボベジ」のやり方をご紹介します!!
野菜の切れ端を再生!リボベジで2度美味しいミニ菜園
リボベジはリボーン・ベジタブルの略。料理で使った野菜の切れ端を使い、そこからもう一度葉を再生して栽培する。
「水に浸けておくだけの簡単なものから、根が生えたら土に植え替えて何度も収穫できるものもあるんですよ」と、ガーデニング・カウンセラーの岡井さん。そんなお手軽栽培法ならば我が家でもいけるかも!? とライター大石が挑戦してみることに。
「真夏は水が悪くなりやすいから、水換えをまめにね」という岡井さんの助言のもと、手っ取り早く、身近にある野菜をジャンジャカ試す。ニンジンにダイコンの切れ端(頭の部分)、小ネギ、ミツバ、セリ(根の部分)。切っては水に浸けていく。
「野菜は一度冷蔵庫に入れてから栽培するといいですよ。野菜が温度差から春がきたと勘違いして芽が出やすくなるの」
あとはひたすら芽が出るのを待つばかり……。が、意外に早く育つ、育つ。1週間ほどで小さい葉がピョイピョイ飛び出し、小ネギからは元気な根がグングン伸びてきた。「根もついている野菜の場合、細い根が3〜5本長く伸びてきたら植え替えどき。プラスチックの容器の底に水が抜ける穴をあけて、土を入れて植えればOK。食卓に出すときは容器を2重にすれば清潔だし、テーブルで摘みたてを食べられますよ」
ほかに、アボカドの種やパイナップルの葉を育てて、観葉植物として愛でるもよし。失敗しても気軽に何度でも挑戦できるのも、リボベジの魅力なのだ。
水で育てるリボベジのコツ
1切れ端はやや大きめに準備
2水分量は野菜に合わせる
3野菜は一度冷蔵庫に入れてから
未知数のパワー葉もの野菜
コマツナの根元やキャベツやレタスの芯もリボベジが可能。コマツナは茎を3〜5㎝残し、根元部分が浸るぐらいの水につける。
3日ぐらいで、茎の中心から小さい葉が芽を出し、2週間ほどで食べごろに。根も生え出したので、土栽培への移行も可能かも!?
収穫は1回だけ根菜
切れ端の養分を使って育つので、切れ端(皮付き)は大きめに。水量は断面が浸るぐらいでOK。水が汚れたら注ぎ足さず入れ替える。
中心から茎が伸び、葉が3㎝ほど伸びたら収穫。新芽でやわらかいから生のまま食べられる。暑いと水が腐りやすいのでマメにチェック。
たくさん収穫できるトウミョウ
水の管理に気をつければ2〜3回収穫が可能。根元の上を切りそろえ、根の部分がひたひたになるくらいの水に漬ける。
マメのすぐ上を切ると育たない。2〜3㎝上に小さな芽が出ているので、それを残すように切る。
数日で芽が伸びはじめ、1週間もすれば15㎝ほどに生長! 窓辺に置くと、光の射す方向に伸びるので、様子を観察するのも面白い。
土で育てるリボベジのコツ
基本のやり方
1水に浸けて根を育てる
2新しい葉が出たら植え替え
3伸びたら惜しまず収穫
根が少し残っている小ネギやミツバ、セリなどが向く。茎を少し残して切り、根が水に浸かるように容器に入れる。根が十分育ち、残った茎が伸びて新しい芽が出てきたら、輪ゴムで縛ったまま土に植え替える。
何度でも収穫可能 小ネギ
根から5㎝以上残して切り、高さのある容器に入れて育てる。輪ゴムで軽く縛っておくと倒れにくい。十分に根が育ったら植え替え。
料理のアクセントに最適 ミツバ
根が水に浸かるように容器に入れる。水をたくさん吸い上げるので、水切れしないよう注意。残った茎が伸びて葉が出てきたら土へ。
観葉植物として楽しむアボカド
種の平らな部分だけ水に浸かるように3か所に楊枝を刺して引っかかりを作り、瓶にセット。1か月ほどで根が育ったら土に植え替え。
収穫していただきました!
土栽培の場合は、根元から3㎝ほど茎を残して収穫。水栽培は使う分だけ収穫してじっくり楽しむ。
左からトウミョウ、小ネギ、ニンジン葉、ダイコン葉、ミツバ。想像以上に大収穫で、満腹満足!
トウミョウとミツバは卵と合わせたスープに。ダイコン葉は火を通し、他は生でディップに!
教えてくれた人 岡井路子さん
ガーデニング・カウンセラー兼オリーブ研究家。各地で講習会を開催。栃木のツインリンクもてぎでガーデンイベントを担当。近著『オリーブの贈り物(岡井路子10+1人と語る)』(エイアンドエフ刊)。
※構成/大石裕美 撮影/佐藤良太、岡井路子
(BE-PAL 2020年8月号より)