インド北部の山岳地帯に位置するチベット文化圏、ラダック。その北西部、パキスタンとの停戦ラインにほど近い場所にあるダー・ハヌーという地域には、総人口が約3000人ほどしかいない少数民族、ドクパと呼ばれる人々が暮らしています。祭りや祝い事の時などに頭に鮮やかな花を飾る風習を持つ彼らは、「花の民」とも呼ばれています。
ダー・ハヌーの中心地、ダーの村は、インダス川沿いの渓谷地帯にあり、美しい自然に恵まれた場所です。ラダックの中でも標高がやや低いので、野菜や果物が豊富に穫れることでも知られています。
カメラに興味津々のダーの子供たち。アーリア系の民族であるドクパの人々は、ラダック人と比べても彫りが深くエキゾチックな風貌の人が多く見られます。
「花の民」と呼ばれる彼らがとりわけ大事にしているのは、ショクロと呼ばれるホオズキ。男性も女性も、盛装ではない時もショクロだけは頭に飾っているという人は多く見られます。
伝統的な盛装姿の「花の民」の女性。フェルト製の土台にショクロと色とりどりの花、銀のかんざしなどをつけて頭にかぶります。首や胸元は無数の装身具で彩られ、背中には毛皮のマントを羽織ります。