山のダイニングテーブルを自分で作ろう!
「自由に遊べる場所が欲しかったんです。この春から、下草を刈ったり、木を倒したり、今はここを開拓しています」
人気YouTuberさばいどるかほなんが山を買った。自ら切り開いたというテントサイト程度の広場で、まずはテーブル作りから。
「材料は、チェーンソーで切り倒した木からサイズの近いものを集めました。ノコギリで長さを揃え、枝を払い、皮を剥いて、麻紐で縛るだけ」
土を掘り、脚の高さを揃え、木がずれないように丁寧に麻紐で縛っていく。ロープワークもお手のもの。どうせなら、と食器作りにもチャレンジ。彫刻刀を使わず、手慣れたナイフさばきでスプーンを作る技はお見事。
今度は「じゃ、釣りしま~す」と近くの渓流へアマゴ釣りに出かける。アマゴ2匹を釣り、河原でさばいて秘密基地へ。
自作の串にアマゴを刺し、焚き火で焼く。ある程度焼けたら、朴葉の上に自分で調合した味噌だれを塗り、アマゴを載せて、軽く煙があがったら飛騨高山の郷土料理=朴葉味噌の完成だ。
「いっただきま~す。淡白なアマゴの白身に、甘くて濃いめの味噌がよく合います」
その土地にある材料で作るダイニングテーブル。「自然と深く調和できますよ」
愛用の道具
この日使った愛用の道具。右から、焚き火台、トング、ファイヤースターター類、網、グローブ、麻紐、ナイフ、ノコギリ。
魚さばきからバトニングまでこなせるキクナイフ×さばいどるのコラボナイフ。88,000円(税込)。
「低い位置に火を作れるので、魚を焼くには便利です」というブッシュクラフトインクの焚き火台。
廃材を使ってテーブル作り
所要時間 約30分
材料
所有する山の木をチェーンソーで切り出した際に出た廃材を利用。拾った木を使う場合には、長さが同じぐらいのものを集めるとよい。
STEP1
木の長さをノコギリで揃えたら、手に刺さりやすい枝や皮をナイフで払う。
STEP2
地面が平らではないため、4本の脚の高さは、細い廃材で土を掘って調整する。
STEP3
足場が決まったら、一度、天板になる材料を置いてみて、大きさや場所を調整する。
STEP4
天板にする木は麻紐を使って、2本巻いては1本戻るようにしっかりと縛っていく。
完成!
廃材からテーブルが完成。釘を使っていないから、分解も簡単。使用後は薪にできる。
1本の木を箸とスプーンに変える
所要時間 約120分
材料
1本の廃材を半分に割って、スプーンと箸を作る。なるべくまっすぐな木を用意する。
箸
STEP1
薪を割るバトニングの要領で、木材を細くする。半分が箸になる。
STEP2
箸らしい太さになるまで、数回バトニングを繰り返す。最後は2本に。
STEP3
あとはナイフで表面を削って仕上げていく。お箸は5分ほどで完成した。
スプーン
STEP1
スプーンの先の部分を残すようにノコギリで左右から切れ目を入れる。
STEP2
柄の部分の両脇の不要な部分は、切り込みまでバトニングでスパンッと。
STEP3
あとはスプーンの形に削る。ナイフのみで削ると、2時間はかかる。
完成!
自分の山で拾った廃材を使って、ナイフとノコギリだけで作った箸とスプーン。手作り感満点の無骨さが素敵だ。
アマゴを朴葉の味噌焼きに
所要時間 約20分
釣り道具
昨年から始めて、「すっかりハマってます」という渓流釣り。シンプルな餌釣りでアマゴを狙う。
警戒心が強いアマゴに見つからないよう岩の陰に隠れ、餌を落とす。
STEP1
米味噌、砂糖、ネギ、酒を和えたかほなん特製の味噌だれが味の決め手。
STEP2
アマゴは、塩を振らずに串焼きに。串も枝を削って自作したもの。
STEP3
拾って保管していた朴葉は水に浸し、味噌だれ、アマゴの順で載せて焼く。
さばいどる
かほなんさん
サバイバルするアイドルで「さばいどる」。所有する山にこもり、YouTube「さばいどるチャンネル」で配信中。初の著書も発売開始。
※構成・撮影/山本修二
問い合わせ先 KIKU KNIVES http://kikuknives.jp/
(BE-PAL 2020年8月号より)