キャンプで活躍するお馴染みの調理器具別にスパイスカレーレシピをご紹介。器具の特性を活かしつつ、素材に合わせたスパイスを使うことで、ひと味もふた味も違うカレーが完成!
教えてくれた人
料理研究家
蓮池陽子さん
食の源である自然と人を結ぶトータルコーディネイトを提案。山菜料理にも精通し、狩猟免許も保持。雑誌やイベントで幅広く活躍中。
スキレット
フライパン代わりになり、カレーをはじめ炒め物などちょっとした料理で大活躍。浅めながら、保温力が高い鋳物製でオーブン料理も可能。素材が短時間で柔らかくなる。
とろけるトマトとナスの
ヴィーガンカレー
圧力鍋さながらのトロトロ野菜が体に優しい。ショウガとニンニクを加えるとさらにパンチのある味に。
材 料
カレー粉…大さじ1 コリアンダーパウダー…大さじ1 クミンパウダー…大さじ1 甘いトマト…大2個 ナス…大2本(小2本) サラダ油…大さじ1 味噌…大さじ1 塩、コショウ、ガラムマサラ…少々
作り方
❶トマトとナスはヘタをとり、ナスはストライプ状に皮をむく。
❷スキレットにヘタの部分を下にトマトとナスを入れ、その上にサラダ油と塩をふり、蓋を閉め強火にかける。
❸湯気が出たら弱火に落とし、20分ほど加熱する(トマトから水分が出てくるので、その水分でナスを煮る)。
❹トマトとナスがトロトロに煮えたら、ヘラなどで野菜を崩し、すべてのスパイス、味噌を加え、塩、コショウ、ガラムマサラで味を調える。
野菜は切らずに丸ごと入れて手間を省く。ヘタを下にし水分を出しやすくする。
15分ほどで、木べらで崩せるほど柔らかくなる。他の野菜を加えてもOK。
エスニック感満点!
カニカレー・プーパッポンカリー
卵とカニを使ったタイの名物カレー。食べるラー油と呼ばれるチリインオイルがアクセント。ナンプラーの香りが異国情緒満載。
材 料
Aチリインオイルまたはオイスターソース…大さじ1弱 ナンプラー…大さじ2/3 砂糖…小さじ1 ココナッツミルク…150㎖
カレー粉…大さじ1 チリパウダー…少々 ナンプラー…小さじ1 カニの缶詰…1缶 卵…3個 タマネギ…1/2個 ピーマン…1個 ニンニク、ショウガ(みじん切り)…各1片 サラダ油…大さじ1
作り方
❶タマネギは横に半分に切り、繊維に沿って1㎝幅に、ピーマンは2㎝幅に切る。卵を割りほぐし、カニ缶とⒶをよく混ぜておく。
❷スキレットにサラダ油、ニンニク、ショウガを入れて火にかける。良い香りがしてきたらタマネギを炒める。しんなりしてきたら、ピーマンを入れて固めに炒める。
❸カレー粉とチリパウダーとナンプラーを加えなじませたら、①で準備した卵液を入れて、時々かき混ぜながら2~3分加熱する。
ココナッツミルクで独特のこってり感を出す。なければ無糖の練乳でもOK。
最後に卵液を加え、中火でふんわりと炒め合わせる。半熟状態で火から下ろす。
ダッチオーブン
煮る、蒸す、焼く、揚げる、炒めるとマルチに活躍するアウトドア料理で定番の鋳物鍋。蓋をしてほうっておけば圧力鍋さながら、短時間で素材に火を通せる。量も多く仕込め大人数キャンプに最適。
柚子コショウで作る
グリーンカレー
柚子コショウとパクチーを使った、うっすらグリーンのまろやかなカレー。具沢山で食べ応えも抜群! さらさらお腹に入ります。
材 料
柚子コショウ…小さじ2ぐらい コリアンダーパウダー…大さじ1 鶏もも肉…1枚 ナス…2本 パプリカ…1/2個 しめじ…1/2パック タマネギ(すりおろし)…1/2個分 ショウガ、ニンニク(すりおろし)…各2片 パクチー(根つき)…2本 *飾り用に少し残すと良い ココナッツミルク…400㎖ 水…200㎖ ナンプラー…大さじ1 サラダ油…大さじ1と1/2 塩、コショウ…少々
作り方
❶鶏肉はひと口大に、ナスは約5㎝のくし形切りに、パプリカは1.5㎝幅に切る。しめじは石づきを取りバラバラにほぐす。パクチーは根を含めみじん切りにする。
❷ダッチオーブンにサラダ油の半量を熱し、鶏肉を皮目から入れ両面焼き色をつけ取り出す。そのままナスを皮目を下にして入れて全面さっと焼き取り出す。
❸残りのサラダ油、タマネギ、ショウガ、ニンニクを入れて火にかけよく混ぜる。水分が飛んできたらパクチー、柚子コショウ、コリアンダーパウダーを入れてざっとなじませる。
❹③にココナッツミルク、水、ナンプラー、②の鶏肉、ナスとしめじ、パプリカを入れ蓋をし、15分ほど中弱火で煮込む。蓋を取り、ナンプラー、塩、コショウで味を調える。
パクチーと柚子コショウをベースにペーストを作る。青唐辛子で辛味を足すのも手。
短時間でできる
洋食屋のカレー
塊肉ではなくステーキ肉を選ぶことで短時間でやわらか肉の洋食屋風カレーが完成。ビーフシチューのような風味でバゲットと合わせても相性抜群!
作り方
カレー粉…大さじ2 コリアンダーパウダー…大さじ1 ソース…大さじ2~3 ステーキ肉…400g(焼き肉用の肉でもOK) タマネギ…中2個 マッシュルーム…2パック ニンニク、ショウガ(すりおろし)…2かけ分 トマト水煮…200㎖ 水…500㎖ 赤ワイン…150㎖ 小麦粉…大さじ4ぐらい バター…20g サラダ油(牛脂でも)…適量 塩…小さじ1と1/2 コショウ、はちみつ…適量
材 料
❶タマネギは千切りに、マッシュルームは1㎝のスライスに切る。肉は2㎝幅に切り軽く塩をして小麦粉を全体につける。
❷ダッチオーブンにサラダ油(牛脂でも)を熱し肉の両面に焼き色をつけ取り出す。
❸タマネギを入れて表面に焼色がつくまで時々混ぜながら炒め、ショウガ、ニンニクを加えひと混ぜし、スパイスを加えなじませたら赤ワインを入れてしっかりアルコールを飛ばす。
❹水、トマトジュース、ソース、マッシュルームを加え、蓋をして20分中弱火で加熱する。
❺バターを加え、塩、コショウ、はちみつで味を調える。
肉の両面をこんがり焼き、旨味を閉じ込める。煮崩れも防ぎ、生臭さも取れる。
コッヘル
焦げ付きやすいタイプが多いので、炒め物や長時間の煮込みには不向き。短時間勝負のお手軽レシピと相性がいいので、ソロキャンプや山ご飯のお供に持ってこい。
火を使わない
混ぜるだけカレー
火を使わない(!?)お手軽カレーはキャンプの朝ごはんにもおすすめ。山椒パウダーを加えるとさらに爽やか。
材 料
カレー粉…大さじ1 コリアンダーパウダー…小さじ1〜 カルダモンパウダー…小さじ1〜 イワシの水煮缶かサバの水煮缶…1缶 タマネギ…1/4個 味噌…大さじ1 レモン汁…大さじ1/2 オリーブオイル…大さじ1/2~ 塩、コショウ、ガラムマサラ…適量
作り方
❶イワシ缶の水気を切りコッヘルに空け、みじん切りのタマネギ、そのほか全ての材料を加えて混ぜる。パクチーや大葉、カイワレなどを添えても良い。
夏はレモン汁たっぷりで食も進む。コッヘル1個で作れて山ご飯にも◎。
材料を混ぜて
火にかけるだけ
ドライカレー
水を使わずトマトの旨味たっぷりでマイルドな味わい。隠し味にひき肉と相性のいい味噌を入れることで、コク深い味わいに。
材 料
カレー粉…大さじ1 クミンパウダー…大さじ1/2 カルダモン…小さじ1 合挽肉(あれば粗挽き)…200g タマネギ…1/2個 トマトジュース…100㎖ マッシュルーム(すりおろす)…4個 ズッキーニ…1/3本 コーン…50gほど ニンニク、ショウガ(すりおろす)…各1片 味噌…大さじ1〜 塩、コショウ、ガラムマサラ…適量
作り方
❶タマネギは粗みじん切りにする。ズッキーニは1㎝角切りにする。
❷すべての材料をコッヘルに入れよく混ぜる。鍋を火にかけ肉に火が通り、水分が出てくるまでよく混ぜる。
❸水分が出てきたら蓋をして5分ほど中弱火で加熱し、火を止める。塩、コショウ、ガラムマサラで味を調える。
彩りを気にしなければ、ズッキーニとコーンも最初から投入可能な時短メニュー。
※構成/大石裕美 撮影/西山輝彦 フードスタイリング/佐野 雅
(BE-PAL 2020年9月号より)