より機能的なスキレット
厚い鋳鉄で作られたスキレットは、その高い蓄熱性を活かして食材を美味しく焼くことができる調理器具。
普通のフライパンより見た目もオシャレで、調理後にそのまま食卓に出せば食器が必要ないというメリットもあります。
しかしいくら美味しい料理が作れるとは言っても、クッカーよりもはるかにかさばるうえに用途が限られるため、キャンプへ持っていくかどうかは判断が分かれるところ。
その点、1950年創業のスケーター株式会社が販売している「2WAYスキレット」は、いかにして装備を少なくしようかと常日頃から考えている方でもフィールドに持っていきたくなってしまうようなスキレットです。
数あるスキレットのなかでもとくに優れた機能性をもち、ミニマルなキャンプを楽しんでいる方にもおすすめの2WAYスキレットの魅力をお伝えします。
フタをフライパンとして使用可能
普通のスキレットと大きく違うのが、本体に付属するフタがフライパンとして使用できる点です。フタとセットになっているスキレットはほかにもたくさんありますが、それらの製品のフタは、あくまでフタとしてしか使い道がありません。
そうなるとスキレットにフタをするためだけに数百グラム、あるいは数キログラムもの重量物を持ち運ぶこととなります。もちろん、「美味しい料理を作るためなら、そのくらいどうってことない!」という方も多いでしょう。実際、車でキャンプ用品を持ち運ぶのであれば、その程度の重量増は大した問題ではありません。
しかし、「スキレットを使って料理をしてみたい。」と思いながらも、持ち運ぶ際の労力とキャンプにおける実用性を天秤にかけ、その結果使わないことに決めたという方も多いはずです。そのような方にこそ、この製品はうってつけ。理由は、同じ重量でもほかのスキレットよりできることが多いからです。
本体とフタの両方で調理が可能ということは、当然ながら同時に2品目の料理を作ることができるということになります。そしてもちろん、本体にフタをかぶせて蒸し料理を作ったり、オーブンとして使用することも可能です。
つまりはこれ1台でスキレットでの料理・フライパンでの料理・両方を使用した料理の3役をこなしてくれるということ。鋳物製なので重いことに変わりはありませんが、普通のスキレットよりも使い道が広いとなるとフィールドまで持っていく価値も大きくなるのではないでしょうか。
ハンドルが取り外せるから熱くならない
スキレットは本体とハンドルが一体成形されているのが一般的ですが、この2WAYスキレットは本体からハンドルを取り外すことができます。それにより得られるメリットは2つ。
一つ目のメリットは、収納しやすいこと。ハンドルが脱着できるおかげで、収納したバッグのなかにデッドスペースを作りません。そのため、ほかのキャンプ用品を効率的に収納できます。持ち運べる荷物が限られるキャンプツーリングなどでは、この恩恵の大きさは計り知れません。
二つ目のメリットは、料理中にハンドルを取り外しておけば、ハンドルが熱くならないこと。普通のスキレットを加熱するとハンドルにも火の熱が伝わるため、素手で持つことができないほどの高温になります。そのためスキレットのハンドルを持つたびに手袋を装着するか、スキレットのハンドルにあらかじめハンドルカバーをつけておくなどの対策をしなければなりません。
料理中にいちいち手袋を装着したり外したりするのも結構な手間ですし、ハンドルカバーを装着するとハンドルが太くなるため、人によっては持ちにくいと感じることもあります。その点、2WAYスキレットはそのような面倒とは無縁です。必要なときだけハンドルを取り付けて、素手でスキレットを扱うことができます。
また、スキレットで作った料理をそのままテーブルに乗せるときにも、ハンドルを取り外せばテーブルの上のスペースが無駄になりません。
ただ単にハンドルが取り外せるだけで、これだけ多くのメリットが得られるのです。
ソロキャンプに最適なサイズ
2WAYスキレットは直径約18cmと小さめに作られています。容量にすると、本体は500mlでフタが300mlです。通常、このサイズのスキレットで作ることができる量の料理では、大人の胃袋を満たすには少々足りません。
しかし本体とフタの両方で調理ができる2WAYスキレットは、一人の大人が満足できるだけの料理を一度に作ることができます。また、サイズがコンパクトなためシングルバーナーでも使えるというのも見逃せないポイントです。
焚き火のなかに突っ込んでワイルドに調理をするのもいいですが、シングルバーナーを使用すると食材への火の通り具合や加熱時間をより正確に管理することができます。
ただし、OD缶のガスカートリッジの上部に直接接続する「一体型」のシングルバーナーで使用するのは厳禁です。そのタイプのシングルバーナーは重心が高く、重量物を乗せて使用するようには作られていないため破損や転倒の恐れがあります。さらに輻射熱でガスカートリッジが高温になるリスクも無視できません。最悪の場合にはガスカートリッジが爆発することも考えられます。
ガスカートリッジとバーナーヘッドが離れている「分離型」のシングルバーナーか、CB缶のガスカートリッジで使用するシングルバーナーを使用しましょう。CB缶のガスカートリッジを使用するシングルバーナーは、重心が低くて高剛性なものも多いです。
これであれば重量1.5kgの2WAYスキレットを乗せても、不安を感じることなく調理ができるでしょう。
付属のレシピブックを参考に料理を作ってみた
2WAYスキレットには、たくさんのレシピが紹介されている冊子が付属しています。
そのなかで紹介されていた料理を実際に作ってみました。
エビのアヒージョ
まずはエビをメイン食材として作るアヒージョから。
ニンニクと唐辛子で風味づけしたオリーブオイルに、エリンギ・むきエビ・ブラックオリーブを入れて煮るだけのお手軽料理です。
エビは大きめのものを選ぶと歯応えを楽しむことができ、エビ本来の味がオリーブオイルに負けてしまうこともありません。
食材さえあれば誰でも失敗せずに作ることができるアヒージョは、最少限の手間で最高の結果を得られるスキレット料理の定番。
もちろん2WAYスキレットで作ったこのエビのアヒージョも、期待通りの味に仕上がりました。
肉・野菜・魚など、どの食材で作っても美味しくなるのがアヒージョの良いところ。
初めてスキレットを購入した際には、まずアヒージョから試してみるのがおすすめです。
アサリの酒蒸し
アサリの酒蒸しもアヒージョと同様、非常に簡単に作ることができる料理。ふっくらと柔らかくて弾力があるアサリの身と、ふわりと香るお酒の風味がたまらない一品です。
いちど食べ始めると箸が止まらなくなり、アサリの殻から身を取り出すのに夢中になってしまいます。
作り方はゴマ油をひいたスキレットでアサリを殻が開くまで炒め、そのあとに酒を振りかけてフタをし、数分間加熱するという簡単なもの。
料理酒を使用すると安上がりですが、本格的な日本酒を使用しても面白い料理です。
スーパーでアサリを買うのと一緒にワンカップの日本酒を購入しておけば、料理酒の大きなボトルを持ち運ぶ必要もなくなります。
酒蒸しにはフタが必要となるので、実際のキャンプではまず先に酒蒸しを作ってから、もう一方で別の料理を作ると良いでしょう。
ソロキャンプにこそおすすめしたいスキレット
美味しいキャンプ飯を誰でも手軽に作ることができるうえ、持ち運びに便利で用途の幅が広いスケーター株式会社の2WAYスキレット。
ファミリーキャンプで使用するには小さいですが、ソロキャンプで使用するスキレットとしては最適解のひとつなのではないかと感じます。
ステンレスやアルミの鍋と違いメンテナンスが必要ですが、それがむしろ楽しく感じられ、何年もかけて育てたくなるほどの愛着が湧くことでしょう。
アウトドア用のクッカーと比較するとどうしても重くなってしまいますが、試しに一度、クッカーを持たずにスキレットでの料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。
スケーター 2WAYスキレット
本体外寸:幅20×奥行き17.5×高さ4cm
本体内寸:直径14.5×高さ3cm
ハンドル:16cm
本体容量:500ml
フタ容量:300ml
重量:1.5kg
素材(本体・フタ):鋳鉄
素材(ハンドル):フェノール樹脂・ステンレス鋼
メーカー希望小売価格:3,850円(税込)