去る9月21日、神奈川県横須賀市の観音崎沖で大規模なカヤックフィッシングの大会「 TokyoBayYokosukaCup」が開催されました。
この大会は今年度が初の開催で、カヤックフィッシングを愛する勇士で結成され、カヤックフィッシングの楽しさと危険性、環境問題を啓蒙するイベントです。当日は私も含め80艇近いカヤックが出艇し、近年のカヤックフィッシングの人気ぶりを伺わせます。
そこで今回は、大会に参加したベテランたちの意見も交えて、海でカヤックフィッシングを楽しむのにオススメの装備と心構えを紹介します。
そろえたいカヤックフィッシングギア
基本の装備、フローティングベスト
フローティングベストは水遊びの基本中の基本。通常の釣りと違うのは、常に水をかぶる遊びなので膨張式のライフジャケットは使用しないこと。自動膨張式は特に危険です。
必ず浮力体の入ったものを着用しましょう。カヤック専用のものなら間違いないですし、釣り用なら背中にポケットのないものが着座の邪魔にならず、釣り道具も装着できてオススメです。
いざというの時の頼みの綱、防水ケース
他を忘れても、これだけは忘れないでください。もしも海上で自分の身に何かがあった場合、携帯電話だけが頼りです。
必ず浸水しないケースに入れて持ち運びましょう。いざというときのために薄型のモバイルバッテリーなども同梱しておくと安心ですね。
飲み水にも保冷剤にもなる凍らせた水
こちらはちょっとしたティップス。万が一を考え、飲み物は余分に常備するのが基本ですが、プラスでペットボトルなどに凍らせた水道水を入れておくと、いざというときの飲み水になり、塩水や魚に触れた手を洗うのに使えて便利です。
クーラーボックスに入れておけば保冷剤として持ち込めるので一石二鳥です。
海でどう遊ぶ?汎用性のある釣り道具
これは好みもあると思いますが、カヤックフィッシングは一度海に出ると道具を取りに戻るのが難しい遊びです。また、釣竿も何本も持ち込むのが難しいため、釣り道具選びは重要。
ひとつの魚種、釣り方を決めて臨むのも良いですが、豊かな海ではいろいろな魚が釣れるので、ある程度汎用性のある道具が役立ちます。
私の場合、垂直に仕掛けを落としてマダイを狙うタイラバという釣りがメインですが、イナダやサワラなど青物のナブラが沸いたときのために投げる釣りに対応した釣竿を使っています。
制約の中でどう遊ぶかが、カヤックフィッシングの醍醐味のひとつでもあり、作戦通りに魚が釣れた時の喜びはひとしおです。絶対に釣ってやる! ではなく、今日のこの海をどう楽しもうか、と肩の力を抜いて楽しむと、不思議と魚も釣れるものです。
食べない魚、小さい魚はリリースしよう
釣りをしているとどうしても狙っていない魚や、狙った魚でも小さなサイズが釣れることがあります。もしこの後釣れなかったら……と考え、クーラーボックスに入れてしまいがちですが、もちろんそれでは魚は死んでしまいます。
漁協のルールや、自分が釣った魚をどうするかまでをきちんと考えて、適切に釣魚をキープしましょう。
大会後のトークショーでのお話
非常に残念なことに、近年のカヤックフィッシングの人気とともに、海難事故がとても増えているそうです。その8割以上は、悪天候や技術不足による救出要請とのこと。
初心者の方は必ず、ネットの情報や自分の判断だけで海に出ず、ベテランの友人や、プロのガイドをつけて出艇してください。
海を前にして、どうしても釣りをしたくなる気持ちは私も痛いほど分かりますが、命に関わる遊びです。マナー、モラルを守って、いつまでも楽しめるアウトドアアクティビティであって欲しいですね。
余談ですが、私は上のマダイを釣って、なんと4位に入賞してしまいました(笑)。