プロバードウォッチャーの♪鳥くんが、里山歩きやトレッキングなどでよく見かける15類をピックアップ。後編は、ホトトギスからオオタカ、ハヤブサまで、残りの7種を紹介します。
ほかの鳥の鳴きマネが上手!
カケス
スズメ目カラス科
全長:33㎝(キジバト大)
鹿児島県屋久島以北に分布。山地の広葉樹林帯に棲息するが、冬は平地にも現れる。おもに木々の中を移動する。ドングリが好物で、秋になると木の幹のすき間などに貯食する。飛翔時は腰の部分の白色が目立つ。
聞きなしは「♪特許許可局」
ホトトギス
カッコウ目カッコウ科
全長:27㎝(ムクドリより大)
北海道南部から九州に分布。平地から山地の林に棲息。おもにウグイス科の鳥に托卵(他の鳥に子育てをさせること)する。警戒心が強く、姿を見るのが非常に難しい。鳴き声は時代劇のBGMにもよく使われている。
上空から食料を探す
トビ
タカ目タカ科
全長:オス58.5㎝/メス68.5㎝(カラスより大)
平地から山地まで、全国のさまざまな場所で見られる。弧を描いて帆翔する。帆翔時の尾はバチ型(広げると角型)。日本のタカ類でバチ型なのは本種だけなので、見分けの目安になる。俗にトンビとも呼ばれる。
鳥らしからぬ鳴き声が印象的!
トラツグミ
スズメ目ヒタキ科
全長:29.5㎝(ムクドリより大)
本州以南に分布。夏は北海道でも見られる。春から夏は山地の、下草の多い森林の地面をぴょんぴょん歩いてミミズなどを採食する。冬はまれに都市の公園に来ることもある。夜しかさえずらないので、探すのが難しい。
声はすれども姿は見えず……
センダイムシクイ
スズメ目ムシクイ科
全長:13㎝(スズメより小)
毎年5月ごろ、東南アジア方面から夏鳥として飛来して繁殖する。北海道から九州までの山地の落葉広葉樹林に棲息。枝から枝へすばやく動きながら昆虫を探すので、見つけるのが難しい。特徴的な鳴き声をたよりに探してみよう。
繁殖期は山地、秋冬は低地でも見られる
オオタカ
タカ目タカ科
全長:オス50㎝/メス58.5㎝(カラス大)北海道、本州、四国、九州の熊本で繁殖。九州、南西諸島には冬鳥として飛来。平地から山地の林、農耕地、河川敷などで見られる。翼はトビより小さく、森林内の木々をすり抜けて飛ぶことができる。冬は都市部の池で水鳥を狙うことも。
【♪鳥くんがレクチャー】双眼鏡の使い方
右目をふさいでピントを合わせたら、左目をふさいで右の接眼レンズのつけ根にある視度補正リングでピントを合わせる。視野が丸くなるように幅を調節しよう。
上空から急降下し水鳥などを狙う! !
ハヤブサ
ハヤブサ目ハヤブサ科
全長:オス38~45㎝/メス46~51㎝(カラス大)全国に分布。海岸、湖沼、広い河川敷などに棲み、崖の上など、見晴らしのよい場所から空間を見張る。時おり高層ビルのある都市部にも姿を見せ、公園のカワラバトを食べる。タカ類と習性がよく似るが、インコの近縁。
♪鳥くん
プロ・バードウォッチャー。
野鳥関連書籍の執筆、イラスト、講演などのほか、ツアーガイドなどとしても活躍。元作詞・作曲家で、合言葉は「ROCK&BIRD」。著書に『♪鳥くんの比べて識別! ! 野鳥図鑑670』(文一総合出版)など。
構成/松村由美子 撮影/小倉雄一郎(♪鳥くん) 写真・イラスト/♪鳥くん(鳥)