岐阜県・高山市
緑豊かな場所で働ける
画期的な「お試しサテライトオフィス」
賃料・光熱費、ネット回線とコピー機のいずれも無料で利用可能。窓の外には田園風景が広がる。北アルプスなどの山々に恵まれた環境下で、夏は登山、冬はスキーなどを気軽に楽しめる。そんな夢のような「お試しサテライトオフィス」が、歴史ある町並みや祭礼で知られる飛騨高山にある。運用を開始したのは2017年7月のこと。
現在、全6室あるオフィスには、県内外に本社を構える5社が入居している。お試し期間は基本最大3か月だが、延長もできるので、この地に拠点を置く意義をじっくりと確認できる。
「故郷の高山に戻りたいと会社に話したら、『地元で地域と結びついた働き方をしたらいい』といってくれ、高山にベースを移して仕事をしています。自宅で仕事をするより静かで、新しい人とのつながりも増えるので充実していますよ」と、東京に本社があるUDSの八反雅代さんは話す。
この「お試しサテライトオフィス」を利用したことで高山市を拠点とすることにメリットを感じ、関東から本社ごと移住を決めた企業も現われた。
テレワークが普及した今だからこそ、都市の「密」を避け地方で働く選択肢は、より現実味を帯びている。ハードルが低いお試しの「企業プチ移住」制度は、実に画期的だ。
静かな個室で業務に集中
「窓から山も見えて、都会とはまったく違う良さがありますよ」
パソコンひとつで業務もスムーズ
「本社より静かで集中できます」とは森さん。高速ネット回線を完備しているため、パソコンをつなげば、仕事もサクサク。
共用スペースで情報交換も
1階の大広間は共用スペース。来客との打ち合わせに使ったり、入居者同士の情報交換の場にもなっている。
コピー機やシュレッダーも無料で使えるほか、台所やトイレ、お風呂も共用できる。
趣のあるサテライトオフィスに現在5社が入居中
1998年に建てられた伝統建築の家屋を高山市が借り上げて運用している。駐車場も利用できる。
現在は、東京、埼玉、岐阜に本社がある企業が入居している。入居条件は、飛騨地域外の企業であること。
企業サテライト移住のコツ
1 地域の人と人脈を作って基盤を作る
2 その地域で活躍できる役目を見つける
3 多くの窓口などに当たり有用な場所を探す
※構成/山本修二 撮影/谷瀬 弘
(BE-PAL 2020年9月号より)