100均商品を使って、スキレットのメンテナンスをしよう
キャンプの調理器具と言えば、メスティンやクッカーがスタッキングできて人気ですが、鋳鉄製の武骨なスキレットもおしゃれで捨てがたいですよね。
スキレットはその多くが「シーズニング」を必要とします。シーズニングとは、スキレットに錆を発生させないように油を塗る作業で、スキレットを使用後に毎回やらなければいけない、手間がかかる作業です。
しかし一度しっかり「コーティング」すれば、使用後のシーズニングが不要になるということをご存知でしょうか。今回は100円ショップ「セリア」の商品を使って、スキレットをコーティングする方法をご紹介します。
面倒なシーズニングが不要になり、スキレットが扱いやすくなります。キャンプでスキレットをよく使うという方は、ぜひチェックしてみてください。
コーティング方法
準備するもの
・重曹
・スクレーパー
・食器用洗剤
・スポンジ
・サラダ油
・油引き
重曹や食器用洗剤も100円ショップで入手出来ます。スキレットの汚れ落としに必要なものですので、探してみましょう。
コーティングの仕方
スキレットを使用後、もし焦げ付きがひどい場合はスキレットに水を張り、重曹を大さじ1入れ、20~30分程度付け置きします。
スクレーパーで焦げを削ぎ落とします。これで表面の焦げ・汚れは、ほぼ落ちます。
食器用洗剤とスポンジで、スキレットの汚れをガシガシ洗い落としましょう。
「スキレットに洗剤を使ってはいけない」という迷信のような話をたまに聞きますが、洗剤を使っても全く問題はありません。油汚れを「シーズニングされている」と思い込んで放置すると、油が酸化し、くさいニオイが料理に付くようになります。
何より衛生上、それが綺麗なはずがありません。洗剤で洗いましょう。
洗剤で洗った後は、スキレットを加熱して水分を飛ばします。
加熱し続けるとスキレットから煙が上がりますが、やがて煙は止まりますので、それまで加熱を続けましょう。
ここで注意するポイント。加熱したスキレットは、持ち手部分も含めて高温になります。火傷をしないよう注意しましょう。また、屋内で作業を行うと、焦げ臭いニオイが部屋に充満します。なるべく屋外で行うか、換気扇の下で作業しましょう。
いったん加熱を止め、5分程度冷まします。完全に冷え切る前にサラダ油を大さじ1程度スキレットに入れて、再度加熱します。
サラダ油は油引きを使って、スキレットの全面に広げましょう。
再度スキレットを中火で加熱します。加熱を続けると、サラダ油が黒く変色し、ブクブクと泡が立ちます。ある程度泡が立ち、見た目が変化しなくなったら加熱を止めます。
ここで注意するポイント。油を引いたスキレットは、引火しやすく危険です。加熱時はスキレットの鍋底から火がはみ出る程、火を強くしてはいけません。必ず中火で加熱しましょう。
この工程でサラダ油が艶々したコーティング状に変化し、スキレットの表面が「濡れているように」黒く変色します。
スキレットの温度が下がったら、泡状になったサラダ油をクッキングペーパー等で取り除きます。
スキレットが完全に冷めたことを確認してから、再度食器用洗剤とスポンジで洗いましょう。
先程の艶々したコーティングは剥がれず、指で触ると「つるつる」していることが確認出来るはずです。これでスキレットはしっかりコーティングがされて、錆が発生しにくい状態になりました。
この後にスキレットの表面に、油を塗る必要はありません。それこそ「油臭くなる原因」ですので、やめましょう。スキレットはそのまま保管しておくか、長期間使わない場合は、新聞紙などで包んで保管しましょう。
本当に油を塗らなくても錆びない?
今回の方法でスキレットの表面をコーティングすると、錆が発生しにくい状態になります。
サラダ油を黒くなるまで加熱したことで、表面に樹脂のようなコーティングが出来ます。これは「単にスキレットに油を塗っただけ」と異なり、食器用洗剤で洗っても落ちない、強固なコーティングです。金たわし等で表面を削らない限り、コーティングは落ちません。そのため、使用後は普通の食器と同様に、食器用洗剤で洗って乾かすだけで良くなります。
スキレットを使用後に毎回シーズニングをしなくても済むため、手間が少なく、さらにシーズニングによって料理に油臭さが付いてしまうことを防ぎます。
スキレットで調理をすると料理が焦げ付きやすいのは、鋳鉄製の調理器具の特徴です。保管時に表面に油を塗ることで、焦げ付きが改善することはありません。スキレット調理は基本的に弱火、強くても中火までにとどめます。
そして調理前に油を回す際は、家庭用のフライパンより「ずっと多め」にサラダ油を使います。こうすることでスキレットの焦げ付きが改善されて、調理がしやすくなります。料理自体に油を多く使うレシピは、スキレットと相性が良いためおすすめです。
しっかりコーティングして、スキレットで美味しい料理を!
スキレットを強固にコーティングすることで、料理が格段に美味しくなります。毎回使用後に油を塗っていた余計な工程が無くなり、油の消費も手間も少なくなります。100円ショップの道具だけで、スキレットをしっかりコーティングすることができるので、気になった方はぜひ試してみてください。