快適で過ごしやすい今だからこそ始めたいピザ窯DIY
ピザ窯DIYにチャレンジ!
DIYとは何か
DIY(ディーアイワイ)は、Do It Yourself(和訳:自分自身でやってみる)の略語で、素人が自分で何かを作ったり、修理・リノベーションすることを意味しています。好みの色やデザインを取り入れた家具・雑貨を自分で作ることができることから、年齢層を問わず人気を集めており、近年ではこだわりのキャンプ用具を自作したり、キャンピングカーの内装を自分好みにアレンジしたりするのも流行っています。
DIY初心者でも大丈夫?
「ピザ窯作り」と聞くと、なんだかとてもハードルが高く感じてしまうと思います。しかしながら、重要なポイントとコツさえ押さえれば初心者でも素敵なピザ窯を完成させることが可能です。具体的な作り方のほかに、必要な材料や予算の目安、気をつけるべきポイントなどを以下に紹介したいと思います。
必要な材料を揃える
ピザ窯作りに必要である主な材料は、重量ブロック、耐火レンガ、耐火コンクリートの3種類です。
今回、私が製作したピザ窯は土台が1段と低く、直径30cmのピザが入る程度の大きさなので、必要な材料は意外と少なく抑えることが出来ました。材料はすべてホームセンターで購入しましたが、店舗によって品揃えに差があるので、いくつかのお店を回って適当な資材を揃えています。(※参考価格はあくまで私が訪れた店舗の販売価格なので、他店舗の表示価格とは異なる可能性があります)
ピザ窯作りには何が必要?
実際に購入した材料は6種類
大判耐火ブリックヤードレンガ 4個
バーベキューコンロにも使用される大きなブロックで、火床と焼床(やきどこ)を作るために使用しました。火床は耐火レンガを敷き詰めてつくることも可能なので、好みに合わせて資材を選ぶことをオススメします。参考価格:1,332円(税別)、大きさ:約570×230×650mm
耐火ブリックヤードレンガ 18個
ピザ窯のメイン材料であるフランスレンガがやや小さいため、大判耐火ブリックヤードレンガを使用している段の高さを合わせるためにいくつか購入しました。火床と焼床に他の耐火素材を使用する場合は、なるべくレンガを1種類に統一するのが理想です。参考価格:178円(税別)、大きさ:約230×115×65mm
ファニーブロック レッド 8個
ピザ窯の土台を作るために使用するコンクリートブロックです。ブロックは重さや強度によりA種・B種・C種に分かれており、ピザ窯作りにはC種が最も適しているといわれています。今回は小型で軽量なブロックを使用しましたが、土台のデザイン性をあまり重視しない方にはC種の重量ブロックを使用することをオススメします。また、ブロックの幅もいくつか種類があるので、作りたいピザ窯のサイズに合わせて購入しましょう。参考価格:168円(税別)、大きさ:約290×140×100mm
フランスレンガ レオパルド 41個
耐火温度が約1,200〜1,300度と高く、見た目がオシャレなフランスレンガを選びました。通常の耐火ブリックヤードレンガと耐火温度がほとんど変わらないので、ピザ窯を作る場合はどちらか好きな方を選ぶのが良いでしょう。参考価格:238円(税別)、大きさ:約220×105×54mm
トラバーティンプレートピンク 2枚
ピザ窯の土台の上に乗せる天板で、直接火が当たる部分ではないので、トルコ産の堆積岩を選びました。天板はイエローコンパネと角材を使用した木枠にワイヤーメッシュをはめ込んで、モルタルを入れて固める方法でも作ることも可能です。参考価格:2,178円(税込)、大きさ:約300×600×30mm
AGCセラミックス アサヒキャスター13T 2袋
最高使用温度1,400度の耐火コンクリートで、積み上げた耐火レンガを固定するために使用しました。耐火コンクリートの代わりに耐火モルタルを購入する方が居ますが、こちらは火を入れないと固まらないので注意が必要です。参考価格:4,298円(税込)、重量:25kg
ピザ窯作りに必要な予算は4〜5万円が目安
ピザ窯の完成までにかかる費用は、製作する窯の大きさにもよりますが、約4〜5万円が目安です。土台部分を高くしたり、ピザ窯自体のサイズを大きくすると、必要な資材の数や種類が増えるだけでなく、製作にかかる時間もより長く必要となるため注意が必要です。
また、上で紹介した材料のほかにもディスクグラインダーやタガネなどの工具類、左官セット、バケツなどを必要に応じて揃えておくと作業をよりスムーズに行えるでしょう。
ピザ窯の作り方
ピザ窯を作ってみよう!
1.製作するピザ窯の形や大きさを決めて、基礎部分をつくる
まずはピザ窯の基礎部分を作ります。
基礎となるコンクリートブロックを並べる際は、設置場所の土をやや掘り下げておくと安定させることが出来ます。また、基礎部分の高さを出す場合は適当な長さにカットした鉄筋を地面に刺してコンクリートやモルタルで埋め込みます。
2.基礎部分の上に天板を乗せて固定する
基礎部分となるコンクリートブロックの穴にコンクリートまたはモルタルを詰めて天板(トラバーティンプレートピンク)をのせます。私は基礎部分の上のモルタルをやや厚く敷いたので、天板をハンマーで叩いて水平になるように調整しました。なお、水準器はiphoneの標準アプリとして備わっている計測機能を使用しました。
コンクリートまたはモルタルの練り具合は凄く絶妙であるため説明が難しいですが、固めのポテトサラダをイメージしていただけると分かりやすいと思います。耐火コンクリートであるアサヒキャスターを使用する場合、混錬に必要な水量は1袋(25kg)に対し3.25〜3.75Lが目安です。水を多く入れると流動性は良くなりますが、亀裂が入りやすくなり強度が著しく低下してしまうため注意が必要です。
3.火床をつくる
土台が完成したら、天板の上にコンクリートを敷いて耐火レンガを敷き詰めます。私は大判耐火ブリックヤードレンガを2個と耐火ブリックヤードレンガ2個半を使用しましたが、通常の大きさの耐火レンガを敷き詰めることで代用することも可能です。
また、コンクリートを敷く前に耐火レンガを並べて、全体のサイズを測りながら枠線を引いておくと効率的に作業が進められます。そのほかにも、はみ出たコンクリートにより天板を汚さないために、外枠部分をガムテープなどで保護しておくのもおすすめです。
4.耐火レンガを積み上げる
火床が完成したら、耐火レンガを積み上げてピザ窯の外壁を作ります。この時、角材を使用して目地幅を調整しながら水平になることを意識してレンガを乗せると綺麗に仕上がります。焼床となる部分には、火床と同じ資材を使用しましたが、後方部分は熱が上がりやすいようタガネで加工を施しています。また、耐火レンガを積み上げる際にはみ出てしまったコンクリートは、乾かないうちに濡れたスポンジやタオルで拭き取っておくと綺麗に仕上がるので試してみて下さい。
5.アーチ部分を形成する
ピザ窯作りで最も難しかった工程は、アーチ部分の製作です。私は焼床の直径に合わせた半円型のダンボールを9枚切り抜いて、それをもとに写真のような骨組みを作ったのですが、アーチ部分の強度に不安があったためバーベキュー用の網を同じ大きさに切って窯の内側に埋め込みました。
今回はダンボールを使用しましたが、骨組みを作る際は合板やベニヤ板を加工することをオススメします。
また、写真を撮り忘れてしまったのですが、骨組みのアーチ部分は必ず塞ぐようにしましょう。この作業を怠ると骨組みの強度が安定せず、後の作業が進めにくくなってしまいます。
骨組みが完成したら焼床の上に乗せ、アーチ部分に合わせて耐火レンガを積んでいきます。この時、耐火レンガを仮置きしてあらかじめ角度を確認しておくと綺麗に仕上がります。
几帳面な方はアーチ部分の外周に合わせてクサビを作り、レンガとレンガの間のスペースを均等にするそうなのですが、DIY初心者の私はそこまで細かいことは出来ないので、代わりにキャンプ用のプラスチックペグを挟んで角度を調整しました。
アーチ部分が完成したら、しっかりと火入れして完成です。
DIY初心者によるピザ窯作りでしたが、手作りならではの温かみ溢れる見た目に仕上がり、とても満足しています。
試しに手作りピザを焼いてみたのですが、生地がパリッと仕上がってとても美味しかったです。実際に使用してみて気付いたのですが、ピザ窯の入口にフタが無いと窯内部の温度を上げるのにとても時間がかかります。
後日、入口部分のサイズを測って扉をオーダーメイドしようと考えているのですが、ピザ窯用フタはオンライン通販で数千円程度で販売されているので、そのサイズをあらかじめ把握したうえでピザ窯を作る方が効率的であると思いました。
ピザ窯DIYで気を付けるべきポイント
気を付けたいポイント
耐火コンクリートは素手で触らない
コンクリートやモルタル類は強アルカリ性であるため、素手で触ると肌が荒れます。これらを使用する作業を行う場合は、必ず手袋を着用しましょう。
耐火レンガは水に浸したものを使用する
耐火レンガの吸水性は通常のものに比べ非常に高いため、使用するレンガをあらかじめ水に浸してから積み上げるのがオススメです。吸水性を高く保ったままだと、耐火コンクリートの水分が短時間で失われてしまうため、流動性が悪く作業しづらくなります。
耐火レンガの加工はディスクグラインダーとタガネを使用する
ピザ窯作りには耐火レンガのサイズ加工が欠かせません。耐火レンガを好みの大きさにカットする場合は、ディスクグラインダーで切込みを入れ、そこにタガネの刃先を入れてハンマーで少しずつ叩いて割ります。
電動工具はレンタルするのが便利
耐火レンガをはじめ、木材、コンクリートなどを加工するために必要な電動工具は、ホームセンターでレンタルすることが可能です。レンタル料金は訪れるホームセンターにより異なりますが、1泊数百円程度から借りられるので、高価な本体を購入しなくても気軽に使用することができます。
秋は、気候が穏やかで過ごしやすく、虫も少ないため、アウトドアを楽しむのに最適な季節ですよね。