「ほんの少し手を加えるだけで、道具は使いやすくなるんです」
チャンネル登録数19万を超える人気YouTuberのwinpy-jijiiさん。アウトドアグッズのちょっとした改造や工夫で、格段に使い勝手を良くしたり、見た目をスタイリッシュに仕上げたり。そのアイデアと器用さには、驚かされてばかり。今回は、winpy-jijiiさんが得意とする、簡単だけど役に立つ”グッズ改良アイデア3選”を紹介しよう。
1.ダイソーメスティンのグリップの色をレッドに変身
jijiiさんが、テーブルの上に取り出したメスティンは、おなじみのサイズより一回り小さなダイソー製。しかし、何かが違う。そう、グリップの色がブラックではなく、鮮やかなレッドなのだ。それはまるでトランギアのレッドグリップ・メスティンのよう。
「ダイソーでも、こんな色のモデルが出たんですね?」と聞くと、「いやね、これグリップだけ自分で入れ替えたのよ。気付かなかった(笑)」。さすがjijiiさん。まったく気づかされない完成度。では、どうやって作ったのだろうか? 早速、教えてもらった。
「まずはな、最初についているグリップを取り外します。外側に広げれば簡単に外せますから。外れましたら、力を入れて黒いグリップを少しずつずらして、抜いちゃうんです。抜けにくかったら、お湯をかけたり、石鹸水などにつけてみてな。取りやすくなりますから」
細いグリップに被されていたチューブ状の黒いグリップが、すんなりと抜けた。次に、市販のシリコン製のチューブを取り出す。
使わなくなっても使えるものはいつか再利用できる
「じつはこのチューブは、ほかのクッカーについていたものを抜いてみたんや。切ってしまわなければ、またなにかに使えるかなって。今回、出番がきたってわけですよ。ええ塩梅のものがなければ、amazonで売っているドライヤーなどで熱をかけて収縮させるチューブ(熱収縮チューブ)や、同じくらいの太さのシリコン製チューブを買えば、いろいろな色のグリップに交換できますね。まあ工夫してやってみてくださいね。内径は、3㎜くらいちゃうかな」
jijiiさんは、レッドのチューブとブラックのチューブを重ねて、同じ長さにカット。あとは、取り外した時と同じ要領で、グリップ本体の端からレッドのチューブをゆっくりと入れるだけ。
「グリップを本体に取り付けたら完成ですわ。簡単やろ」
これで、レッドグリップのダイソーメスティンが完成。お見事です!
2.クーラーボックスの保冷力アップ術
次なる工夫は、クーラーボックスの中の氷を長持ちさせるための工夫。用意するのは、100円ショップで売っている薄手のアルミ保温シートと両面テープ。ほかにハサミがあればOK。
「キャンプに行ったときに、クーラーボックスの中の氷がなくならないかな? って心配になるやろ。そんでな、少しでも氷を長持ちさせる方法はないかって考えながら100円ショップを歩いてたんですわ。そしたら、このアルミ保温シートがあるじゃないですか。これ使えるちゃうんかなって試したら、夏場でも案外、調子よくてな」
なんとアルミ保温シートを切って入れるだけ
作り方は、簡単。自分のクーラーボックスの内部のサイズを測り、アルミ保温シートをそのサイズより少し小さく切って中に入れるだけ。シートは3ブロックに分けて切るのがポイント。蓋の裏、底の上、側面の3ブロック。
「蓋の裏は、閉めた時に落ちてくるんで、両面テープで貼りますわ。側面は、ぐるっと一周まわるサイズにしておき、これは貼らんでいいよ。氷が解けて濡れるんで、乾かす必要があるからな。底の部分も同様にカットするだけで貼りません。ただ敷くだけですわ。どや、簡単でしょ。10分もかけずに、保冷力がアップできるんで、これもぜひやってちょうだい」
ハサミで切ってもよいが、きれいに仕上げたいなら、カッターと定規を使って丁寧に切るのがコツ。winpy-jijiiさんの加工を見ると、蓋の裏のアルミ保温シートは、角を少し丸めて切ってあり、かなり丁寧に美しく仕上げてある印象だった。仕上げの完成度に、こだわりを感じる。
3.ウインドスクリーンの安定性をアップする工夫
コンパクトストーブの外側を覆うように使うウインドスクリーン。数枚のアルミ板を広げて囲うのだが、実際に強風の中で使うと安定感が悪く、倒れることもある。そこにストレスを感じたjijiiさんは、ちょっとした工夫で、ほんとうに風に強いウインドスクリーンを完成させた。
「風防が風で倒れるって本末転倒ってか(笑)」とjijiiさん。
「まずは、スクリーンのプレートを繋ぎ合わせている細い棒を抜きます。その棒の太さを測って、同じ太さのステンレスの棒を買ってきます。これはたしかホームセンターで買ったんちゃうかな」
ウインドスクリーンのプレート間の留め具は、たいてい下から細い金属棒を入れてあるだけなので簡単に抜ける。
スクリーンの下に脚を追加すれば安定感はアップする
「買ってきた棒を最初の棒より10㎝ほど長く切ります。長くした部分を90度に折り曲げてから、元の棒が入っていたように差し込み、プレートを連結します。長くした部分には、シリコン製のチューブなどを被せておくと、テーブルの上で滑りにくくなって便利なんですわ(※下の写真を参照)。同じ改造を4か所ほどやれば、しっかりとテーブルの上に自立して、安定感が格段にアップしますわ。あと、上の部分をステンレス製のクリップで留めると、スクリーンが勝手に折れ曲がらなくなるから、さらに安心です」
愛用のソロテーブルの上に、改造したウインドスクリーンとコンパクトストーブがセットされた。
「買ってそのまま使うのもいいけど、ちょっと手を加えるだけで、使いやすくなったり、愛着がわくんですわ。皆さんも、自分の道具にちょっとだけ工夫して、使いやすくしてくださいね」
楽しくいじって、便利に使う。winpy-jijiiさんのアウトドアグッズには、「より良く」という素敵な思いとアイデアがたっぷりと詰め込まれていた。
構成/山本修二