2014年10月18日に、アメリカ・サンフランシスコのソノマで開催されたCHRIS KINGの『GOURMET CENTURY』。前日にエントリーをすませ、当日は朝8時スタートの朝食に間に合うよう、会場へ向かいました。
これはエントリーの際、もらえるコースガイド兼参加証。通過する地名とそこまでの距離が記されています。わたしは肉が苦手なので、下にあるDINNERの欄は”VEGETARIAN”にマジックでマークしてもらいました。ちなみにその横、★型にパンチされている部分は、ディナーの開始希望時間。午後4時からと6時半からの、2部構成です。

ブッフェスタイルで好きなものをチョイス。スパイスのきいたベーグル(写真手前)はカリッ、モチッとして絶品。クリームチーズのディップ、スモークサーモン、フレッシュなフルーツ、冷たいオレンジジュースなどなど。どれも新鮮で、素材の味がいきたものばかり。
80マイルのライドに備え、朝食はしっかりとります。席は好きな場所でOK。おなかが満足したら、いよいよ出発です。ちなみにスタートは、朝食を終えたら自分のタイミングで行ってヨシ。ゴール時間にも決まりはありません。ただし、ディナーの始まる時間に間に合うように、というのが暗黙のルールでしょうか。足切りがなく、マイペースでライドを楽しめる。これは今回参加して感じた、うれしいポイントでした。
英語がペラペラでなくても「Hi!」「Are you OK?」などと声を掛け合えば、お互いニッコリ。自転車に乗っているということ自体が、共通言語になっていたような。
休憩ポイントは20~30マイルごとに設置。最初の2カ所ぐらいまでは写真を撮ったり喋ったりと余裕のあった私ですが、40マイルを越えた頃から、少しずつ口数が減ります。まず、何がツラかったかといえば、おしり。分厚いパッド入りのタイツを履いていましたが、長時間自転車に乗り続けた経験が少ないため、免疫のないところから体が悲鳴をあげていきます。脚はさほど痛みはなく、40マイルを越えたあたりからトイレでヨロめいたぐらいでしょうか。

最初の補給食は、手のひらサイズのココナッツパンプキンパイ。真ん中のパンプキンクリームは、一つひとつシェフが手絞りし、オーブンであたためてくれます。アメリカだし、大味? と思いきや、甘さ控えめ。ほんのりココナッツの香りがしました。

緩やかな丘が連なるコースは、熟したブドウのいい香り。甘酸っぱい、なんともいえない香りを胸いっぱい吸い込むと、顔が自然とニヤけます。ゴールしたらここで作ったワインが飲める! というのも、大きな励みになりました。

メニューは鮮やかな数種類のサラダとカレー、ボイルチキン、チョコレートクッキー、CLIF BARなど。キリリと冷えた飲み物や、バリスタの淹れるアイスコーヒーもありました。ほっとひと息入れたライダー達は、また思い思いに走り始めます。
ゆったりとしたコースとはいえ、歯を食いしばり走った道や坂は、数知れず。ゴールは夕方の5時半。大半の参加者がゴールし終わった頃で、夕暮れはすぐそこ。出発から8時間半後のことでした。
お待ちかねの夕食。サイクルウェアを脱ぎ、長いテーブルにつく参加者。BGMは、女性ミュージシャンの生歌です。
次々とコース料理が運ばれてきます。
サラダにはじまり、2ndディッシュ、メインディッシュ(わたしはベジタリアンメニューでしたが、他の人は肉料理でした)、そしてデザート。もちろんその横には、ソノマのおいしいワインがなみなみと注がれたグラス! 同じイベントに居合わせた日本人10名ほどと、おいしい料理と賑やかな時間を過ごしました。
今回、参加したイベントはたった1日。距離にして、約80マイル(100km)。センチュリーライドに参加したことのある人なら、「な?んだ」と思うものかもしれません。でも、遠くアメリカで、自転車が好きという共通項をもった世界中の人たちと同じコースを楽しみ、地産のおいしいものを食べる。自転車と食という、とてもシンプルなテーマだけれど、人生でそう何度も経験できない出来事が詰まった『GOURMET CENTURY』。ちょっと大げさかもしれませんが、”本気で楽しむ”ことの喜びを再確認しました。
ちなみに、来年には日本版『GOURMET CENTURY』を開催したい! という動きもあるらしく……?! 詳細は改めてご報告します!
CHRIS KING
http://chrisking.com/
GOURMET CENTURY
http://chrisking.com/company/events_gc_mmddyy
写真・文/ニイミユカ